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2026年1月25 日実施 四谷大塚 第9回 小5 組分けテスト国語 徹底解説
四谷大塚の小学5年生・組分けテスト(2025年度 組③)の国語を徹底解説します。今回は説明的文章と物語文の2題構成。それぞれの文章の読み方のポイントと、設問の考え方を詳しく解説していきます。
大問1|説明的文章
出典情報
小西公大『ヘタレ人類学者、沙漠をあるく(はいかいする)少しだけ自由になった』(大和書房)
文章の要約
筆者はインドの少数民族と暮らしながら、彼らの「狩猟活動」を研究しています。この部族はかつて「狩猟・採人」として生計を立てていましたが、現代では狩りをしなくても生活には困りません。それでも彼らが狩りを続けているのは、狩人としての「血」(=先祖からのつながり)が残っているからです。
筆者は狩猟に同行し、数時間にわたる沙漠での追跡を体験します。動物の息づかいや匂いを頼りに、地形を考慮しながら獲物を追い詰めていく狩りは、まるでサッカーのような集団プレーでもあります。
この体験を通じて筆者は、「電気まみれ」の便利な近代生活によって、人間が本来持っていた五感や身体能力が低下していることに気づきます。そして夜の沙漠を走りながら、「生き物として生きる」ということの意味を感じ取ったのです。
筆者の主張・意見
(1)近代的な便利さを追求した生活によって、人間に本来備わっている「五感」や「身体能力」が低下している
(2)狩猟という行為を通じて、人間は「生き物として生きる」ことの本質を体感できる
(3)先祖から受け継いだ「血」のつながりが、現代でも狩りを続ける理由となっている

大問1 設問解説
問二 空欄補充
正解:血
狩人としての「血」(=先祖からのつながり)が残っているという文脈です。「血」は比喩的に「先祖から受け継いだもの」を意味しています。
問四 内容理解(記号選択)
正解:エ
「動物の息づかいや匂い」を頼りに、「彼らが駆け抜ける地形」を考慮しながら、逃げようとする「動物たち」との距離が「4〜5時間」もある「狩り」について説明しています。これは集団で戦略的に獲物を追い詰めていくという点で、チームスポーツに似ています。
問五 記述問題
模範解答:「電気まみれ」の生活や、便利さと快適さを追求した近代的生活の様式によって、人間に本来備わっているあらゆる能力が低下したということ。
この問題のポイントは、「近代的生活の問題点」を具体的に説明することです。本文中の「電気まみれ」「便利さと快適さを追求した近代的生活の様式」という表現を使い、その結果として「人間に本来備わっているあらゆる能力が低下した」とまとめます。
問六 表現の理解
正解:2「なんというヘタレ」 3:ア
問六ーイ 問七ー①生きる ②ウ
「六→イ」は、夜の沙漠をよろよろと走り回りながら、生き物として「生きる」(84行目)ということを「感じて」(64行目)という表現につながります。筆者が狩猟体験を通じて、「生きる」ことの本質を体感した場面です。
大問2|物語文
出典情報
柚月美智子「九月一日の朝へ」(沢蟹社)
登場人物と人物像
【高栄民(たかえいみん)】中学2年生の女子バスケットボール部員。部長的な立場で、正義感が強く、思ったことをストレートに口にする性格。自分が正しいと信じて行動するが、その言動が周囲との摩擦を生むこともある。
【菜穂(なほ)】民の同級生で親友。民とは対照的に、思慮深く控えめな性格。民の言動を客観的に見ており、時に批判的な意見も述べる。
【朋香(ともか)】民の友人。民の考え方や行動について、鋭い指摘をする。民が「自分は正しい」と思い込んでいることを批判的に見ている。
【一年生たち】部活の後輩。民の態度に反発している。
場面の変化
場面1(1〜20行目):部活での出来事。民が一年生の態度に問題を感じているが、菜穂は無言のまま。
場面2(21〜70行目):練習中の様子。暑い中での練習で、民が大声で叫ぶ場面。
場面3(71〜130行目):部員たちとのトラブル。ミーティングでの変更を民が知らされておらず、部員たちとの間に亀裂が生じる。
場面4(131行目以降):翌日、民は部活を休む。朋香との会話で、民の考え方の問題点が浮き彫りになる。
心情表現とその変化

比喩表現とその解説
「ふうっ、と息から息を吐き出して」(15行目):菜穂が民の言動に対して、あきらめや困惑を感じていることを表す表現です。直接言葉にせず、ため息で表現しています。
「傷ついた」「誰かが傷つけた」(問五関連):民が自分の言動で他者を傷つけていることに気づいていない様子と、民自身も傷ついている様子の両方が描かれています。
主題
この物語の主題は「自己認識と他者理解のギャップ」です。
民は「自分は正しい」「みんなのために声を出している」と信じていますが、実際には周囲との間にズレが生じています。朋香の指摘する「自分だけは許される」という考え方は、民自身は気づいていない思い込みです。
友人関係において、「自分が正しいと信じること」と「相手に理解されること」は別の問題であり、自分の言動が相手にどう受け取られるかを考える必要があるというメッセージが込められています。
大問2 設問解説
問一 心情理解
正解:ウ
民は一年生の態度が良くないことを感嘆していましたが、菜穂は「ふうっ、と息から息を吐き出して」(15行目)ただけで、口を閉ざしたままです。「それは困ったね」と同情したりしないことから、民に共感していないことを示しています。民が部内で孤立することから考えると、菜穂の態度は、民に共感していないことを示しています。
問二 行動の理由
後輩から「高永先輩の指示には従いません」と反発を買ったのに、「そうなんだ?」「了解」と「敬礼して(おどけて)」(12・13行目)答えてしまった民は、翌日も部活に「元気よく出かけ」(17行目)ていきます。そして、再び一年生たちから責められても「おどけてしまおせ」(52行目)り、そのことを春くから、民がこの時に及んで、事の重大さに気づかなかった気づいていないということがわかります。民は自分が部内で孤立していたことに、ようやく気づきます。
問三 記述問題(影響を問う問題)
模範解答:やる気をそぐようなことを聞かされ、暑い中、がんばろうとしている部員たちの士気が下がる(という影響)
この問題は「民の叫びが他の部員たちにどのような影響を与えるか」を問うています。
民は「自分は正しいことをやっていると信じている」「口にしたことを、みんながむしろ喜んでくれている」(133〜135行目)と思い、「ガリガリ君食べへへ〜!」「海に飛び込みた〜〜!」(39・41行目)などと大声で叫んでいます。民としては、みんなの代わりに気持ちを代弁して「みんながらくになった」(139行目)と考えています。
しかし実際には、暑い中で必死に練習している部員たちにとって、「やる気をそぐようなこと」を聞かされることになり、士気が下がるというマイナスの影響を与えています。民の「善意」と「実際の影響」のギャップがポイントです。
問四 場面理解
正解:I イ II イ III ア
部員たちとトラブルになってしまった民は、翌日、部活を休みます(「I 行かなかった」)。体調に問題があるわけではないので、部活に「II 行けなかった」ではなく、「III 行きたくなかった」という情感を正しく表現しています。
問五 表現の意図
正解:イ
文章中の「大」「民の声はやけにすきとおっていた」「文章中のVの部分から考えて」という指示に従い、民の孤立した状況と、その声が空虚に響く様子を表現しています。
問六 人物の考え方の対比
正解:1「民のこういう」 2:エ 3:イ
民と朋香の考え方の違いを問う問題です。民は「自分の気持ちに正直であること」を重視しています。一方、朋香は「人を傷つけないこと」を重視しており、そのためなら自分の気持ちを抑えることも必要だと考えています。
問七 記述問題(考え方の対比)
模範解答:民は自分を偽ることになるのでおかしいと考えているが、朋香は人を傷つけないようにするためなら当然のことと考えている。
この問題は、民と朋香の価値観の違いを対比的に説明する記述問題です。
民の考え:「自分を偽ることはおかしい」(自分に正直であることを重視) 朋香の考え:「人を傷つけないためなら当然」(他者への配慮を重視)
この価値観の違いが、物語の核心部分です。民が「自分は正しい」と信じて行動した結果、周囲との間にズレが生じたのは、この価値観の違いに起因しています。
問八 総合問題
正解:A
文章全体の内容から、民の考え方の変化を読み取る問題です。
PDFの解説によると、民は部員たちとトラブルになった後、家に帰ってからも自分のことを考え続けます。そして「ばかみたい」(186行目)という言葉で、過去の自分の言動を振り返ります。
ポイントは以下の通りです:
- 民は絶望の底にいながらも、「人生は何度でもやり直せる」という気づきを得ている
- 「ばかみたい」だった過去の自分を認め、これからは変わっていこうという決意が読み取れる
- この「気づき」と「反省」が、民の成長につながっている
四十五字以内で答える記述部分では、民の心の変化と、これからの決意を簡潔にまとめることが求められます。
重要語句・表現
大問1の重要語句
「狩猟・採人」:狩りをして動物を捕まえ、植物を採集して生活する人々のこと
「血」:ここでは比喩的に「先祖から受け継いだもの」「本能」を意味する
「電気まみれ」:電気に頼りきった現代の生活を批判的に表現した言葉
「五感」:視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の5つの感覚
大問2の重要語句
「敬礼して(おどけて)」:ふざけた態度で返事をすること。民が事態を軽く見ていることを示す
「傷ついた」「傷つけた」:人間関係における心の痛みを表す表現
「自分だけは許される」:民の無意識の思い込みを朋香が指摘した言葉
読み取りが難しかったポイント
大問1
狩猟の描写が長く続くため、筆者が最終的に何を主張したいのかを見失いやすい構成です。「近代生活への批判」「生き物として生きることの意味」という二つの軸を意識しながら読むと理解しやすくなります。
大問2
民の視点で語られているため、民の考え方が「正しい」ように見えてしまいます。しかし、菜穂の沈黙や朋香の指摘から、客観的には民の言動に問題があることを読み取る必要があります。「語り手の視点」と「客観的な事実」を区別する力が問われています。
まとめ
今回の組分けテストでは、説明的文章では「筆者の体験から主張を読み取る力」、物語文では「登場人物の心情変化と人間関係の機微を読み取る力」が試されました。
特に大問2の物語文は、「自分は正しい」と信じている主人公が、実は周囲との間にズレがあったことに気づくという構成です。表面的な言動だけでなく、「なぜそう行動したのか」「周囲はどう感じていたのか」を丁寧に読み取ることが大切です。
国語の読解では、「書かれていること」と「書かれていないけれど読み取れること」の両方を意識しましょう。登場人物の気持ちは、直接書かれていなくても、行動や表情、周囲の反応から推測できることが多いのです。
次回のテストに向けて、ぜひ今回の問題をもう一度振り返ってみてください!



