こんにちは。某大手塾国語科講師兼管理職のヨッシーです。今回は1/21に行われました 東邦大東邦 中 前期入試の国語解答・解説です。
東邦大東邦と言えば千葉御三家の一角。理系大学の進学に強い学校ですが国語の問題もなかなか手ごわいものです。記述は少ないものの選択肢が長いものが多く丁寧な読みこみが必要になります。
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※残念ながら国語の入試問題は現在(2022.1.24)のところ著作権等の問題により公開されていないようです。
早速見ていきましょう!
漢字の選択問題。東邦大東邦は書かせるのではなく選択式になります。ただし熟語レベルで正確な感じを覚えていないと正解できません。選択式だから簡単だろうと甘く見ないようにしたいですね。
二重傍線部「カソウ」の「ソウ」と同じ漢字⇒仮『想』
イ:操作 ロ:理想 ハ:総合 ニ:同窓 ホ:地層 へ:想定 ト:演奏 チ:創立 リ:変装
解答:ロ・ヘ
本文を大きく3つの意味段落に分けさせる問題。
全体構造の把握が試されます。説明文でも物語文でも一度全体を読み終わった後に文章の全体を振り返って見直す(始めは何を伝えて、、次に何がきて、、最後にを言っている?と自問してみる)習慣がとても重要です。入試問題の文章ボリュームですとほとんどの文章が三つから四つの大きな「かたまり」に分けられます。この「かたまり」ごとのテーマを意識して読むようにしましょう。
これを本文に当てはめて考えると以下のようになります。
最初の「かたまり」:「倹約」の意味をとらえ直そうという話題の提示
二番目の「かたまり」:「倹約」と対照的な「余分なかかり」(贅沢)とは何かを考える
最後の「かたまり」:「倹約」の本質的な意味について考える
これを意識しながらかたまりの「分け目」を探していきます。
・【Ⅰ】考えてみたいのは、最低限度がどうこうではなく、余分なかかり(贅沢)の中身は一体何かというほうにあります。
⇒「~ほう」という表現から、話の方向性を別に向けていこうとしていることを読み取ります。
・さて、大分前置きが長くなりましたが、そろそろ「倹約」という本題に入っていきましょう。
⇒これはもうわかりやすいですね。「さて」という話題の転換を示す表現を使った後で「本題に入る」と述べていますから話題が切り替わっているのは明らか。
解答:6~12
同音の漢字の字義を確認する問題。漢和辞典を調べると以下のような意味を持った文字であることがわかります。
「徳」:①品性として身につけているもの。特にその中の正しくよいもの。②品性を向上させるために人の修得すべきもの。道徳。
「得」:①える。うる。②利益。もうけ。
このような正確な意味を知らなくても「人徳」「道徳」、「得する」「利得」などその漢字を使った熟語や単語を思い浮かべればおおよその意味は分かるでしょう。
本文では「徳」(よいこと、道徳)と対照的な意味で「得」を使っていますので「利益、もうけ」の意味であることは明らか。この意味で「得」を使っている熟語を探します。
解答:ニ
傍線(2)「余計なもの」とはどのようなものか、本文から抜き出させる問題。「どのようなものか」と問われていますので同意の言換え表現を探します。
「余計なもの」≒「余分なかかり」に関わる表現を探します。ここで問2で扱った3つのかたまりを思い出しましょう。二番目のかたまりがたしか「余分なかかり」についてのかたまりだったはず、と思い出せれば答えが見つかりやすくなります。
解答:社交のための費用
空欄【Ⅰ】【Ⅳ】にあてはまる語を選択する問題。
【Ⅰ】について。空欄を含む一文を確認します。
・【Ⅰ】考えてみたいのは、最低限度がどうこうではなく、余分なかかり(贅沢)の中身は一体何かというほうにあります。
「AではなくBのほう」という構文になっています。この構文はAとBを比較してBを選び取るという意味がありますので、それに当てはまりそうな言葉を考えます。
【Ⅳ】について。
形式段落の先頭に配置されている空欄なので前段落の内容全体を受けている可能性を意識します。ひとまず前段落の最後の3文を見てみましょう。
・それはご馳走する楽しみ、ご馳走になる楽しみ、他の料理と比べる楽しみ等々、要するに他者との関係における楽しみなのです。どんな美味な料理でも、無人島で一人で食べるなら味気ないものになるでしょう。贅沢を求める我々の欲望自体が本来【Ⅲ】なものなのです。
⇒まとめると「食事の楽しみも他者との関係によるものである」ということです。
この内容を空欄【Ⅳ】の後に続く表現と比較します。
・【Ⅳ】、ただ生きるための以上のの余分なかかり(贅沢)は、すべて他者への配慮、対人関係の産物なのです。
⇒この内容は【Ⅳ】の前段落で述べていたことと同内容をまとめたものであることに気付でしょう。この観点から選択肢を選びます。
解答 Ⅰ:ハ Ⅳ:ニ
空欄【Ⅱ】【Ⅲ】にあてはまる語を選択する問題。
Ⅱについて。空欄を含む一文と続く後の一文を確認します。
・贅沢を要求するのは、自分の体に備わった【Ⅱ】な欲望なのではありません。むしろ、我々が欲望だとおもっているもののほとんどは、他者との関係に根ざしているのです。
「『A』ではありません。むしろ『B』です。」の構文は「A」と「B」が対照的・反対に近い内容が入ることが予想されます。つまりここでは「他者との関係に根ざしたもの」と対照的な内容⇒「自分個人の内側にあるもの」に近い内容が入りそうです。
Ⅲについて。空欄を含む一文とその前の二文を確認します。
・それはご馳走する楽しみ、ご馳走になる楽しみ、他の料理と比べる楽しみ等々、要するに他者との関係における楽しみなのです。どんな美味な料理でも、無人島で一人で食べるなら味気ないものになるでしょう。贅沢を求める我々の欲望自体が本来【Ⅲ】なものなのです。
問5で考えた通りまとめると「食事の楽しみも他者との関係によるものである」ということになります。そう考えると【Ⅲ】には「他者との関係によるもの」に近い内容の言葉が入りそうです。
解答:ホ
傍線③「これがなかなかに悩ましい問題なのです。」について「悩ましい問題」とはどういうことかを書いた文を選択する問題。
イ:「個人の気持ちはどうのようなものでも受け入れるべき」・・・気持ちが要求する費用に元来相場などない、つまり金額は決められないと言っているのであって「どんなものでも受け入れるべき」とは言っていないので×。
ロ:「評価基準を設けることは適切ではない」・・・適切なぜいたくがどの程度かという計算すること(≒評価基準を設けること)はとても難しい、と言っているのであって「適切ではない」とは言っていないので×
ハ:○
二:「具体的な数字を基準にすることは他者の気持ちをないがしろにすること」・・・「ロ」てみた通り「計算はとても難しい」=そもそも数字を基準にはできないということなので×
ホ:「他者の気持ちが読めない以上不可能」・・・気持ちが要求する費用に元来相場などない、と述べているので気持ちが読めたところで金額は決まらないため×
【参考】「相場」:①市場で競争売買によって決まる商品の値段・価格。②世間一般の通年や評価。大体妥当とされる金額や方法。
解答:ハ
本文中の「倹約」について説明した適切な文を選択する問題。
この文章全体のテーマが「倹約」そのものですから、全体を通じて「倹約」をどう捉えて表現されているのかを理解しておく必要があります。
本文の最後の一文が重要です。
『倹約』という徳は、実はこうした相場のない交際費の適度な水準をとらえるために、古人が編み出してきた大切な知恵の一つなのです。
これを参考に選択肢を見ていきあます。
イ:「『見栄っぱり』と『けち』の違いを表すのが『倹約』」・・・「違い」を表すことは、交際費の適度な水準を決めることにならないので×
ロ:「『奢侈』も『けち』も程度が過ぎると他者との関係を築くためのさまたげ」・・・「けち」は確かにそうだが、「奢侈」は他者との関係のさまたげにはならず、自身のみを保てないということなので×
ハ:「『交際費が多すぎる場合『吝嗇』であり、少なすぎる場合は『見栄っぱり』となる」・・・『吝嗇』(≒けち)と『見栄っぱり』(≒奢侈)の意味が逆転してしまっているので×
二:○
ホ:「『見栄っぱり』が過ぎると他者との交際のさまたげとなり、『けち』が過ぎると自分の生活を保つことが難しくなる」・・・『見栄っぱり』と『けち』の意味が逆転してしまっているので×
解答:ニ
本文(全体)の説明として最も適切な文を選択する問題。
問2の内容をもう一度振り返りましょう。
最初のかたまり:「倹約」についての話題(テーマ)の提示
二番目のかたまり:「倹約」と対照的な「余分なかかり」(贅沢)について考える
最後のかたまり:「倹約」の本質的意味を考える
このように整理すれば難しくない問題かと思います。
解答:ホ
空欄【Ⅰ】【Ⅲ】(慣用表現)にあてはまる文字を答える問題。
「阿子ちゃんが不満を募らせてゆくのが【Ⅰ】にとるようにわかった。」・・・はっきりと明確にわかるさま。
「【Ⅲ】の気が失せるほど打撃をうけた」・・・あまりのショックで顔面蒼白になる様子。
解答 Ⅰ:手 Ⅲ:血
空欄【Ⅱ】にあてはまる言葉を選択する問題。
空欄を含む一文と前後の一文を確認します。
けれど残念なことに心をゆさぶるものがなかった。わたしの【Ⅱ】を刺激するものがなかった。犯人のわかったミステリーを読むようなものだった。
【Ⅱ】には赤字の部分と似た意味になるような語句が入ることは明白。そこから考えます。
解答:ホ
傍線(1)「手ごわそうな子」の説明として最もふさわしい表現を選ぶ問題。
「手ごわそうな子」は阿子ちゃんに対する印象です。最後まで読めばわかりますが「反抗的な態度」を取ってみたり、「当てつけに本を汚す」という行為をしたり、最後には「(自分の気持ちなど)わかりっこない」と言い放ちます。
この問題に代表されるように、読解問題は最後まで読まないと適切な解答ができないことが多いので読んでいる途中で問題を解くような「中断型」の解き方は避けたほうが良いでしょう。
イ:「友達に対して思いやりのなさそうな子」・・・「自分の気持ちを他者に理解されないで悩む少女」が描かれているのであって、友達に対する思いやりにがあるかどうかはテーマとずれるため×
ロ:「すぐにかんしゃくを起こしそう」・・・かんしゃくのような感情的な爆発は起こしていないし、起こしそうにも感じていないので×
ハ:○
ニ:「教えるべきことがほぼない」・・・教えることがないことに対して「手ごわい」と感じているわけではなく、簡単に理解しあえないだろうという予感を感じての表現なので×
ホ:「のみこみの早そうな子」・・・「二」と同様の観点で×
解答:ハ
傍線②「彼女はしだいに反抗的な態度をとりはじめた」のはなぜかを表した文を選択する問題。
阿子ちゃんの気持ちを表す表現を本文から拾い上げ、彼女の思いを正確に汲み取る必要があります。
・のたのたしているおしんちゃんを軽蔑するように、ふん、と笑う
・自らの優位性に確信をもちはじめていた
・阿子ちゃんが不満を募らせてゆくのが、【Ⅰ】ように感じられた。彼女は正当に認められることを望んでいた
・「センセイが好きな本、どれ」といって借りていった。数日後、~全ページが汚れた本を返して~不敵に笑いながら
・「そりゃそうでしょ。わかりっこないよ」と頬をゆがめて笑った。確信に満ちた言い方だった。
これらの表現から判断していきます。
イ:焦りを感じてきたから・・・自分の優位性をはっきりとほめてくれず認められないことへの不満であり、焦りは読みとれないので×
ロ:えこひいきしているように感じ・・・おしんちゃんの進度にあわせていたがひいきはしていないし、阿子ちゃんも自分の評価してほしいだけでひいきされていると感じたとわかる表現はなく×
ハ:○
ニ:彼女(=おしんちゃん)を厳しく注意しないことを腹立たしく・・・おしんちゃんを注意してほしいような表現は見当たらない。阿子ちゃんは自分を評価してほしいだけなので×
ホ:まじめに勉強するのがばからしくなった・・・勉強そのものへの動機、モチベーションがどうなったかについて判断できる表現は一切なく×
解答:ハ
傍線(3)「不敵に笑いながら」の表現がされている箇所の阿子ちゃんの気持ちを選択する問題。
問4で整理した阿子ちゃんの気持ちを表す表現を再度確認しておきましょう。
阿子ちゃんが本を借りるシーンであえてわたしに「センセイが好きな本、どれ」と確認してから借りた事、そして「全ページが(しっかり)汚れた」こと、さらに「不敵に笑ったこと」から「不満を募らせた阿子ちゃんは先生のお気に入りの本を「わざと」汚したのだと分かります。
イ:謝罪は十分にできたと安心・・・状況からあまり謝罪する気もないし、弁償することで安心を感じるほど罪悪感を抱えてはいない。また安心と不敵な笑いが結びつかないので×
ロ:○
ハ:優しく許してくれるだろうと楽観している・・・許しを求める気持ちはあまりない。楽観と不敵な笑いもあまり結びつかないので×
ニ:わざと汚したとは思うまいと高をくくっている・・・わざと汚したことに気付かれたくないという思いは感じ取れないので×
ホ:「わたし」も自分のことを見直すだろう・・・本を汚した一件で自分を見直してほしいという思いはない。あてつけ、いやがらせでしかないと思われる。また自分の評価が見直される期待と不敵な笑いが結びつかないため×
解答:ロ
傍線(4)「誇っていたのだ」の表現がある個所で「わたし」が持っていた気持ちを表す分の空欄を埋める問題。
「わたし」の回想シーンを探しクラスメートに対して「見下していた」または「理解されない疎外感」のような内容が入りそうだと考えながら本文を確認していきます・・・が「わたし」の回想シーンに答えが見当たりません。
そこで考えてほしいのが「わたし」に近い立場の「阿子ちゃん」の気持ち。
ここに気付けるかどうかが全てです。阿子ちゃんの気持ちを表した表現(問4で拾い上げた表現)を再確認していきましょう。
解答:みずからの優位性に確信
傍線(5)「なるほど、わたしは傲慢だった」について「わたし」の傲慢だった点について説明した適切な文を選ぶ問題。
傍線(5)を含む一文とその前の一文を確認します。
わたしは、傲慢だ、謙虚さを身につけろといわれて、【Ⅲ】の気が失せるほど打撃をうけたけれど、かといって、気にしちゃダメだよと優しく慰めてくれる彼女の鈍感さ、と言って悪ければ幼さや無邪気さには、うんざりさせられた。なるほど、わたしは傲慢だった。
⇒つまり、「優しく慰めてくれる友人の好意をありがたいと思う謙虚さがない」という点が傲慢だというわけです。
この点に注目して選択肢を見ていきます。
イ:「心の中で見下していた」・・・「うんざり」していたが、自分より立場が下であるという意識は持っていないので× 後の選択肢も含め「彼女」を積極的に否定しているわけではないところに注意しましょう。
ロ:「『彼女』のきまじめさを馬鹿にしている」・・・「うんざり」しているのであって「馬鹿にして」いるというほど非難の意識を持っているわけではないので×
ハ:「心の底から軽蔑している」・・・「うんざり」は「軽蔑」とは違った感情。しかも「心の底から」と強調するほど「彼女」を非難する意識はなく×
ニ:「うらやましく思いつつ」・・・「彼女」が多才であることに対し「うらやましく」思っている記述は見当たらず×
ホ:○
解答:ホ
傍線(6)「嘘っぱちの世界」とは、具体的にどのような世界かを説明した文を選ぶ問題。
わたしが「嘘っぱちの世界」と感じたことと関連がありそうな表現を傍線(6)付近から探します。
・女の子たちはいっせいにわたしを睨みつけ、その後しばらくムラハチブになってしまった。
・通信簿の通信欄に「ともだちの気持ちを思いやる、やさしさを身につけてほしい」というようなことが書いてあった
・たぶん、彼女の方が大人の世界では正しいのだろうと思ったけれど、なにか理不尽な怒りを覚えた。
・"やさしさを身につけろ"という世界は、誠実な顔つきで、真綿で首をしめてくる、いやな世界だった。
■どこに理不尽を感じたのか?⇒「彼女」に対してやさしさを示さなかった「わたし」に対して「ムラハチブ」という「やさしさ」のない行為をしながらも、「わたし」に「やさしさ」を求めてくる世界への矛盾。
■いやな世界(=嘘っぱちの世界)とはどんな世界か?⇒表面上正しいことを言っているように見えて(「やさしさを身につけてほしい」・「誠実な顔つき」)、伝えた相手をじわじわと苦しめる(「ムラハチブ」(私への無理解)・「真綿で首をしめる」)ような世界。
これらを踏まえて選択肢を見ていきましょう。
イ:「悪意に満ちた世界」・・・自分のことを理解してくれない世界にいらだちはしていたが、「悪意に満ちた」とまでは考えていないので×
ロ:「少しでも反抗的な~仲間外れにされる」・・・「反抗的な」がややズレるが許容範囲。ここはOK。「親しみのかけらもない」・・・「彼女」は親しみを寄せていたので×
ハ:○
ニ:「目の前にいる相手を傷つけることを言う人が野放し」・・・「ムラハチブ」はそこまで露骨な攻撃ではないので× 「殺伐とした」・・・表面上はやさしさを大切にしようとしているのでこれは言い過ぎ。
ホ:「ねらいうちにして責め立てる」・・・「真綿で首をしめる」ようなじわじわと相手を苦しめるイメージと異なるので×
解答:ロ
傍線(7)「自分の少女時代が終わった」について「わたし」がそう思ったのかを表した文を選択する問題。
傍線(7)を含む一文およびその前後の文を確認します。
「そりゃそうでしょ。わかりっこないよ」と頬をゆがめて笑った。確信にみちた言い方だった。私はそのとき、自分の少女時代が終わったことを知った。彼女を一瞬、生意気なくそガキが!と憎むことによって。
「わたし」は「阿子ちゃん」と同様に大人の自分に対する理解の無さに不満を持っていましたが、大人になった「わたし」が阿子ちゃんに不満をぶつられる経験をすることで、阿子ちゃんを一瞬憎む感情が生まれます。つまり大人に反抗的な態度をとる子どもを「よくないもの」と捉える瞬間が来ます。この瞬間こそが「わたし」が大人側の立場に立ったと感じた瞬間だったのです。
これを踏まえて選択肢を見ていきましょう。
イ:「阿子ちゃん」に対して親近感を抱いていたが・・・明確には書かれていない。ありえなくもないので保留△。自分と「阿子ちゃん」を同一視するような考えは捨てよう・・・似ているとは思ったが「同一視」まではしていない。また考えを意識的に捨てるのではなく、思わずそういった感情が芽生えただけなのでふさわしくなく×
ロ:○
ハ:これから先は決してあのような態度をとるまいとかたく心に決めた・・・自分の傲慢さを改めようと意識するような表現はなく、不意に大人側の感情を抱いた自分に気付いただけなので×
ニ:「阿子ちゃん」に対する憎しみ、今の自分はさすがにそこまでひどくはない・・・阿子ちゃんの言動はかつて自分がしていた言動と重なっておりそれ自体に「憎しみ」を感じたり、「自分より」ひどいと感じたりはしていないので×
ホ:「阿子ちゃん」に共感することはもうできない・・・ふとしたきっかけで「わたし」が大人側の感情を持つようになってしまったことに気付いたのであって、かつて自分も抱えていた「阿子ちゃん」と同じような思いは理解はできるし共感することはできるであろうと考えられるので×
いかがだったでしょうか?
説明文(吝嗇、奢侈、かかりなど)は少し聞きなれない表現が出てきたかもしれませんが、類義語・対義語が多数出てくるので照らし合わせて読むことで分の内容は理解しやすいものではなかったかと思います。
物語文は少女から大人への成長の瞬間、子どもの視点から大人の視点への転換点が主題であったということに気付いたかどうか。「わたし」と「阿子ちゃん」の感情・思考が思い出の中で重なり合いながらも最後のシーンで「わたし」が大人の感情を持ったことで明らかに分かたれていきます。この主題がつかめているかどうかが重要。
出題形式としては選択肢問題が多いので、選択肢の選択方法を「型」として繰り返し練習していくことが重要です。
①選択肢を細かく分けて部分ごとに吟味する②選択肢に関係のありそうな本文表現と照合する③ズレているもの」「書かれていないもの」「言い過ぎなもの」など「選択肢の誤りの型」も吟味の際によく考えること、などを意識するとよいでしょう。
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