2026年度 聖光学院中第1回国語入試問題解説

聖光学院中学校 2026年度 国語入試解説|物語文「ヒカリノオト」・論説文「文化財の未来図」徹底攻略
📚 入試解説 2026年度

聖光学院中学校(第1回)
国語 完全解説

大問三「ヒカリノオト」(河邊徹)・大問四「文化財の未来図」(村上隆)

📅 2026年度 第1回 🏫 聖光学院中学校 📝 模範解答に基づく解説
今回は2026年度 聖光学院中学校 第1回入試の国語を解説します。模範解答に完全準拠した解説です。
物語文・論説文ともに「表面と本質のズレ」を読み取る力が試された一年でした。図解も使いながら、丁寧に解説していきます!

大問一:漢字問題

カタカナ→漢字(書き問題)

解答
行進
観戦
任期
温度
選考

漢字→読み(読み問題)

漢字解答
気高いきだか〔い〕
周知しゅうち
委ねるゆだ〔ねる〕
無下むげ
構想こうそう
💡 語彙ポイント:「無下」
「無下にする」は「粗略に扱う・冷たく扱う」という意味の慣用的な使い方です。日常では使わない語なので、語彙集で確認しておきましょう。

大問二:言葉遊び

正解

掛け言葉(かけことば)に関する問題です。一つの語に二つの意味を持たせる言葉遊びで、和歌でも多用されます。

選択肢を確認するときは「音(おと)は同じで、意味が異なる二語がどう重なっているか」を一つひとつ確認しましょう。

大問三:物語文「ヒカリノオト」

📖 文章の概要

項目内容
出典「ヒカリノオト」
著者河邊 徹(かわべ とおる)
内容芸能事務所マネージャー「寺井(僕)」が、担当アーティスト「染谷」の成長と変化を見届ける物語

👥 登場人物と人物像

人物立場人物像
寺井(僕)マネージャー・語り手染谷の音楽の本質的価値を信じる。現実と信念の狭間で揺れる。
染谷音楽アーティストデビュー4年、人気に伸び悩む。「自分のための音楽」を作っていたが終盤に変化。
北川同僚マネージャー人気・会社利益を優先する現実主義。染谷を切り捨てようとする。
MIRAI新進気鋭アーティスト20代前半・人気急上昇中。染谷と対比的に描かれる。
📌 読み方のコツ
登場人物には丸をつけ、人物像がわかる表現に線を引きながら読みましょう。
特に寺井 vs 北川の「染谷の音楽への評価」の違いがこの物語の中心的な対立です。

🗺️ 図解①:人物相関図

聖光学院2026 人物相関図
▲ 大問三「ヒカリノオト」登場人物相関図

🔄 場面の変化

✓ 場面①「北川との食事」
北川が染谷の価値を否定する発言。寺井がとっさに擁護するが、自分でも理由が整理できていない。→ 寺井の迷いと葛藤が始まる

✓ 場面②「染谷との面談①:キャリアプランの話」
寺井が「この先どうしたいか」を問う。染谷は具体的な計画ではなく漠然とした夢を語る。→ 【問一】の場面

✓ 場面③「面談②:ビールのタイミング」
厳しい事実を告げる直前、寺井がビールに手が伸びる。→ 【問二】の場面

✓ 場面④「カフェでの対話」
染谷が音楽への本音を語る。寺井が染谷本来の魅力を再発見。→ 【問五】の場面

✓ 場面⑤「最終対話・染谷の変化」
寺井が「誰のために音楽を作るのか」と問いかける。染谷に変化が訪れる。→ 【問六・問七】の場面

💭 心情変化表

聖光学院2026 心情変化表
▲ 大問三「ヒカリノオト」寺井の心情変化表(場面ごとの±分類)

📝 設問解説

問一(記述)

模範解答
具体的なキャリア設計を聞かれているのに、漠然とした夢を語ってしまったということ。

寺井が染谷に「この先どうしていきたいか」という具体的なキャリアの話を振ったのに対し、染谷は現実的な計画ではなく「音楽で多くの人を感動させたい」という漠然とした夢を答えました。

✏️ 記述のポイント:「ズレ」を説明する
「何を聞かれたか(具体的なキャリア設計)」と「何を答えたか(漠然とした夢)」の2点を対比して書けば得点です。

問二(記述)

模範解答
染谷の音楽は今の時代に必要とされていないという厳しい事実を告げることへのためらいを振り切る決断をする必要があったから。

寺井がビールに手を伸ばしたのは、これから染谷に言わなければならない「今の時代に求められていない」という厳しい現実を伝えることへのためらい・気持ちの重さを乗り越えるための動作です。

⚠️ しぐさ・行動の描写に注意!
直接心情が書かれていない場合でも「行動の理由=心情」として問われます。「なぜ〜したのか」という問いには「〜というためらい(迷い・決意)があったから」という形で答えましょう。

問三(選択)

正解

問四(記述)

模範解答
人気や会社の利益ばかり求める北川への反発から染谷の音楽の可能性を擁護したいから。

寺井が染谷を擁護する発言をした背景には、北川への反発があります。北川は「人気がない=価値がない」という商業主義的価値観を持っています。それに反発する形で、寺井はとっさに「染谷の音楽には価値がある」と言ってしまいました。

✏️ 記述のポイント:2点を必ず盛り込む
「北川への反発」と「染谷擁護」の2つの要素が必要です。どちらか一方だけでは減点になります。

問五(選択)

正解
カフェでの会話場面に対応します。寺井が染谷の音楽の本質的な魅力を再認識する場面です。

問六(選択)

正解

問七(記述)★★★ 最重要問題

模範解答
自分のために自分が納得する音楽を作るのだと考えていたが、周りを思いやる力が足りないという寺井の言葉で多くの人々のために音楽を作るべきだと思い始めている。

この問いは「染谷の変化」を問うもので、物語全体の主題に直結する最重要問題です。

タイミング染谷の考え方
変化前「自分のために、自分が納得する音楽を作る」
変化のきっかけ寺井の「周りを思いやる力が足りない」という言葉
変化後「多くの人々のために音楽を作るべきだ」という思いが芽生え始める
✏️ 記述の型:対比構造
「〜(変化前)と考えていたが、〜(きっかけ)によって、〜(変化後)と思い始めている。」という対比構造で書くと高得点です。

🎯 物語文の主題

「音楽(芸術)は誰のためにあるのか。」
「自分のための音楽」から「人々のための音楽」へ——染谷の変化を通して、本物のアーティストの成長が描かれます。マネージャー・寺井の目線から「才能を信じること」と「現実と向き合うこと」の葛藤も丁寧に描かれた作品です。

⭐ 比喩表現・重要表現

表現解説
「ヒカリノオト」(タイトル)「光」の視覚的輝きと「音」の聴覚的響きを重ねた表現。どちらも「人の心を動かす力」を持つものとして、染谷の音楽の本質的な価値を象徴している。

大問四:説明的文章「文化財の未来図」

📖 文章の概要

項目内容
出典「文化財の未来図」
著者村上 隆(むらかみ りゅう)
内容文化財保存科学の観点から「修理と修復の違い」「活用と保存の両立」「科学的アプローチの役割」を論じた論説文

💡 筆者の主張

有形文化財の「維持」の本質:
姿かたちを維持するだけでなく、腐食・劣化のメカニズムを科学的に理解した上で、伝統的な技術・材料を用いてオリジナルに近い形を次世代に継承していくこと。

🔄 対比的な表現

この文章の核心は「修理」と「修復」の対比です。

修理修復
目的機能性の回復次世代への継承
対象壊れた・使えなくなったもの機能性をなくしたもの(文化財)
手法使える状態に戻す形を整えて保存する

また「活用(公開・展示)」と「保存(収蔵・保管)」の対比も重要な軸です。博物館はこの二つを同時に担うという「二律背反」の役割を持ちます。

🗺️ 図解③:段落構成図

聖光学院2026 段落構成図
▲ 大問四「文化財の未来図」段落構成図

📝 設問解説

問一(選択)

正解
A → オ  B → エ
空欄補充問題。前後の文脈と接続語・指示語のはたらきに着目して選びましょう。

問二(選択)

正解
保存科学の手法「サンプリング(試料採取)」に関する問題。サンプリングのデメリット(文化財を傷つける可能性)を本文から正確に読み取ることがポイントです。

問三(選択)

正解
博物館の「収蔵・保管」vs「公開・展示」という二律背反についての理解が問われます。

問四(記述)

模範解答
文化財を一般に公開・展示することをやめるように意見すること。

「ドクターストップ」という比喩表現の言い換え問題です。

元の意味本文での意味
医師が選手の出場を禁止する保存科学者が文化財の公開・展示を禁止するよう意見・勧告する
✏️ 比喩の言い換えポイント
たとえ(比喩)を「そのままの言葉」に置き換えること。「公開・展示をやめるように意見すること」という内容に具体化できていれば得点です。

問五(記述)

模範解答
機能性をなくしたものの形を整え、次の世代に伝えるための作業。

「修復」の定義を本文に即してまとめる問題です。

  • 「機能性をなくしたもの」(もう実用品ではなく文化財になったもの)
  • 「形を整え」(劣化・腐食からオリジナルに近い形に)
  • 「次の世代に伝える」(継承という目的)

この3要素を盛り込めば完答です。

問六(選択)

正解

問七(記述・80字)★★★ 最重要問題

模範解答
有形文化財の姿かたちを維持するだけでなく、腐食や劣化を理解した上で伝統的な技術や材料をもオリジナルに近い形で保存し、次世代に向けて継承していくもの。

筆者の主張の核心を80字程度でまとめる、論説文の総仕上げ問題です。

記述の構造:「〜するだけでなく、〜した上で、〜という形で〜していくもの」という逆接(だけでなく)+付加(上で)+目的(継承)の構造が理想的です。

  • 「姿かたちを維持するだけでなく」(単なる外見保持ではない)
  • 「腐食・劣化を理解した上で」(科学的分析の重要性)
  • 「伝統的な技術・材料を用いて」(伝統技術の重要性)
  • 「オリジナルに近い形で保存」(修復の本質)
  • 「次世代への継承」(目的)

80字という字数指定の中で上記5要素を盛り込む練習は、難関校対策として非常に有効です。

重要語句・表現まとめ

語句意味・解説
無下(むげ)粗略に扱うこと。「無下にする」の形で使う慣用表現。
気高い(きだかい)品位が高く、けがれがない様子。
委ねる(ゆだねる)任せること。結果や判断を他に任せるさま。
ドクターストップ(比喩)医師が選手の出場禁止を命じること → 専門家が活動中止を勧告すること。
二律背反(にりつはいはん)二つの命題が同時に成り立たないこと(アンチノミー)。
保存科学文化財の材質・劣化・保存方法を科学的に研究する学問分野。
サンプリング試料採取。文化財の一部を採取して成分等を分析する手法。

読み取りづらいポイント・補足

大問三について

寺井が「なぜ染谷を擁護したのか(問四)」は、物語を表面的に読むだけでは見えにくいポイントです。北川の言動への反発という「きっかけ」と、染谷の音楽の価値を信じているという「土台」の両方をセットで理解することが大切です。

大問四について

「修理」と「修復」の違いは一見わかりにくいですが、「機能性の回復か、継承のための形の整えか」という目的の違いで整理すると明確になります。中学受験生には馴染みのない概念なので、本文の定義を丁寧に押さえることが最優先です。

まとめのメッセージ

2026年度の聖光学院の国語は、物語文・論説文ともに「表面と本質のズレ」を読み取る力が問われました。

染谷の変化(問七)は「自分のため→人々のため」というズレ。
文化財の維持(問七)は「姿かたちを守るだけ→科学的理解と継承」というズレ。

「なんとなく読める」から「本質を読める」へ——このジャンプができた受験生が、聖光学院の求める力を持つ生徒です。

今日の解説が、みなさんの読解力アップに少しでも役立てば嬉しいです。引き続き一緒に頑張りましょう!📚

© EduShift 入試解説ブログ|2026年度 聖光学院中学校 国語入試解説

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