2026.3.21 サピックス 志望校別特訓(土特)WS-06 国語 徹底解説

サピックス 土特 WS-06 国語 徹底解説|EduShift 中学受験 国語専門
SAPIX 志望校別特訓(土特)
2026年3月21日実施

WS-06 国語 徹底解説

説明的文章+物語文 全問解説 図解つき

サピックス志望校別特訓(土特)WS-06 国語の徹底解説です。今回は大問一が説明的文章(敬語・謙譲語に関する2つの文章)大問三が物語文(賀嶋拓朗「夏の教室」)という構成でした。説明的文章では「させていただく」の用法や敬語の本質が問われ、物語文では親子関係と自立をテーマに繊細な心情読解が求められました。

今回のテストの特徴

大問一は哲学的な「自己と世界」の文章と、実用的な「敬語の使い方」の文章を組み合わせた二文構成。大問三は中学生の少年「ぼく」が父や友人との関係を通じて成長していく物語です。どちらも記述問題が多く、本文を正確に読み取る力が試されました。

大問一 ― 説明的文章

一|説明的文章「敬語と自己表現」

文章の概要

大問一では2つの文章を読んで答える形式です。

文章1は、人間が自然の中で「自足」できない存在であること、つまり周りの世界に完全に溶けこむことができず、常に「自分」と「世界」の間に距離(違和感)を感じてしまう――そうした人間の根本的な特徴について論じた文章です。

文章2は、「させていただく」に代表される敬語(特に謙譲語)の使い方について論じた文章です。敬語の本来の意味(相手に許可を求める)と、現代社会で「便利」に使われすぎている実態を批判的に分析しています。コンテスト出場や政治家の発言など、具体例も豊富に挙げられていました。

WS-06 大問一 段落構成図
問題提起
文章1:自己と世界の関係
人間は他の動物のように自然と一体化(自足)できない。周囲との間に「違和感」を覚え、世界を対象化して見てしまう存在である。
具体例
文章2前半:謙譲語の本質
「させていただく」の本来の意味は、相手に許可を求める表現。コンテストや竜門での使用例を挙げて分析。
問題点
文章2後半:敬語の濫用
許可を得る必要がない場面でも「便利」に使われている現状。政治家の「させていただく」乱用を批判。
主張
筆者の主張
敬語は相手への配慮の表現であり、手当たり次第に使うのは「手抜き」。相手や場面に合った言葉遣いをすべき。
文章1(哲学的考察)
文章2前半(分析)
文章2後半(批判)
結論(主張)
WS-06 大問一 対比構造図
敬語の「本来の姿」
相手に許可・了承を求める
場面や相手に応じて選ぶ
相手との関係性を意識している
相手への敬意・配慮が伝わる
VS
敬語の「濫用」
とりあえず丁寧に見せる
手当たり次第に使う
相手の有無にかかわらず使用
形式的で中身がない(手抜き)
筆者の立場 → 敬語は「相手に合わせて選ぶもの」であり、万能の便利表現ではない

設問解説

問一 空欄補充(A・B・C)

模範解答
A:ウ B:イ C:エ

文章中の空欄A・B・Cにあてはまる語句を選ぶ問題です。前後の文脈から、接続関係や意味のつながりを確認して選びましょう。空欄補充は「入れてみて通じるか音読する」のが鉄則です。

問二 記述問題 ― 「違和感」の内容

模範解答
自分が周りの世界に溶けこんでいるという実感がなく、違和感を覚えるということ。

文章1の核心部分を問う記述問題です。筆者は「人間は動物と違い、周囲の世界と一体化(自足)できない」と述べています。傍線部の「違和感」とは、自分と世界の間に距離を感じてしまう人間特有の感覚のことです。

解法のポイント

「違和感」の中身を聞かれたら、本文で「違和感」が使われている前後3行を集中的に読みましょう。「自足できない」「溶けこめない」というキーワードを拾い、自分の言葉でまとめます。

問三 記述問題 ― 人間の「第一歩」

模範解答(要旨)
人間はほかの動物のように自然の中で自足することができず、周囲と距離を置いて世界を対象化して考える存在であるということ。

文章1で述べられる「第一歩」の内容を説明する問題です。筆者は、人間が世界を「対象化」して考えること――つまり自分と世界を切り離して観察すること――が人間存在の出発点だと論じています。

問四 選択問題

模範解答

文章2の内容に関する選択問題です。解説によると、前の段落の最後に述べられた内容との整合性に注目して、文脈に合う選択肢を選ぶ必要があります。「許可が必要かどうか」という基準が判断の鍵です。

問五 選択問題 ― 「便利」の意味

模範解答

「便利」に注目する問題です。解説では、傍線部付近で「便利」という語がどのような文脈で使われているかを確認し、本来は相手の許可が必要な場面でも使いやすい表現として広まっている点を読み取ることが求められます。

問六 選択問題

模範解答
D

自分の行動について述べる際の敬語の使い方に関する問題です。「自分の行動を全部、手当たり次第に謙譲語で表現する」ことの問題点を指摘した選択肢Dが正解です。筆者はこれを「手抜き」と批判しています。

よくあるミス

「丁寧に言えば言うほど良い」という思い込みで他の選択肢を選んでしまうパターンがあります。筆者は「丁寧すぎる敬語」を批判しているので、その論旨を正確に読み取りましょう。

問七 選択問題 ― 不適切な表現

不適切な敬語表現を選ぶ問題です。解説では、筆者が「ユーモア」を交えて批判している部分に注目し、「本来の敬語の使い方」から外れた表現を見抜く力が問われています。選択肢をひとつずつ本文の論旨と照らし合わせることが大切です。

問八 内容合致 ― 筆者の主張

本文全体の内容に合致する選択肢を選ぶ問題です。解説では、政治家の敬語使用に関する筆者の見解が取り上げられています。筆者は「敬語を使えば何でも許される」という風潮を批判しており、その趣旨に合う選択肢を選びます。

入試頻出パターン

「筆者の主張に合うもの」を選ぶ問題では、結論部分(最後の数段落)を重点的に読み直しましょう。また、「筆者が批判しているもの」を逆に考えると正解が見えてきます。

大問三 ― 物語文

三|物語文「夏の教室」賀嶋拓朗

作品情報

「夏の教室」(賀嶋拓朗 著、光村図書出版 2023年刊)からの出題です。中学生の少年「ぼく」を主人公に、父親や友人「蓮」との関係を通じて成長する姿を描いた物語です。

あらすじ

主人公の「ぼく」は部活(陸上部)を一度やめてしまいます。父は陸上部出身で、ぼくにも部活を続けてほしいと考えています。友人の蓮はぼくと一緒に過ごす大切な存在ですが、蓮の言葉に逆らえなかった過去もあります。

夏休みを舞台に、ぼくは父との間で反発や距離感を抱えながらも、蓮との思い出や自分自身の気持ちと向き合っていきます。シラサギとの出会いや卒業文集のエピソードを通じて、ぼくは少しずつ「自分で決める」ことの大切さに気づいていきます。

登場人物

WS-06 大問三「夏の教室」人物相関図
ぼく
主人公・中学生
部活をやめた
陸上部出身
ぼくに期待
友人
ぼくの心の支え
ぼく 反発・距離感 → 理解へ
ぼく 友情・依存 → 自立へ
ぼく 陸上部を続けてほしい(期待・支配)
主人公
家族
友人

場面の変化と心情変化

場面の流れ

場面1:部活をやめた直後の日常 ― 父との緊張関係
場面2:蓮との夏休みの思い出 ― 友情と依存
場面3:シラサギとの出会い/回想シーン ― 過去との向き合い
場面4:卒業文集のエピソード ― 蓮と父に対する気持ちの変化
場面5:ラストシーン ― 自立への決意

WS-06 大問三「夏の教室」心情変化表
場面1
部活を
やめた後
部活を一度やめてしまった。父は陸上部出身で、ぼくに期待している。
父への反発、束縛感 → 父の期待が重荷。自分の意志で行動できない閉塞感
問七
関連
場面2
蓮との
夏休み
蓮と一緒に過ごす夏休み。蓮の言うことに逆らえなかった過去を振り返る。
±
友情の温かさ+依存への気づき → 蓮との時間は楽しいが、自分の意見を言えない情けなさも(特に重要)
問二
問三
場面3
回想
シーン
シラサギや過去のエピソードを回想。小学校時代や記録会の思い出。
±
懐かしさと寂しさの入り混じり → 楽しかった過去と、もう戻れないという切なさ(特に重要)
問四
問五
場面4
卒業文集
卒業文集を通じて蓮や父への気持ちが変化。自分を見つめ直す。
±
蓮への感謝+父への複雑な感情 → 反発していた父の愛情に気づき始める
問六
問七
場面5
ラスト
自分で選び、自分で歩み出すことを決意する。
自立への決意、前向きな気持ち → 誰かに従うのではなく「自分で決める」覚悟
問八
関連
+プラス心情
-マイナス心情
±混在(特に重要)
入試で特に重要な場面

心情変化表で「±混在」(黄色)になっている場面2・3・4は、入試で最も問われやすいポイントです。「嬉しいけれど寂しい」「感謝しているけど反発している」のように、相反する気持ちが同時に存在する場面を見つけたら、必ず印をつけておきましょう。

設問解説

問一 語句の意味

本文中で使われている語句の意味を選ぶ問題です。文脈の中でどのような意味で使われているかを確認しましょう。辞書的な意味と文脈上の意味が異なる場合があるので、前後の文をよく読んで判断します。

解法のポイント

語句の意味を問う問題では、選択肢を傍線部に代入して文意が通るかどうかを確認するのが最も確実な方法です。

問二 記述問題 ― ぼくが情けなさを感じた理由

模範解答
蓮の言うことに逆らえずにいた頃を思い出して自分の考えを口にできない情けなさを実感してしまうから。(三十九字)

ぼくが「情けなさ」を感じる理由を問う記述問題です。蓮は大切な友人ですが、ぼくは蓮に対して自分の意見をはっきり言えなかった過去があります。そのことを思い出し、「自分の考えを口にできない自分」に対して情けなさを感じているのです。

記述のコツ

「〜から。」で終わる理由の記述では、「原因(きっかけ)」と「感情」の2つを必ず含めましょう。この問題では「蓮に逆らえなかった過去を思い出した」(原因)+「自分の考えを口にできない情けなさ」(感情)の組み合わせです。

問三 記述問題 ― ぼくにとっての「自由」

ぼくが感じている「自由」の意味を問う記述問題です。解説によると、ぼくにとっての「自由」とは、自分で考え、自分の意志で歩み出し、生きる世界をつくっていくことです。単に「好き勝手にする」という意味ではなく、自分で選択し責任を持つことが含まれています。

問四 記述問題 ― 特定の場面の理由

解説では本文の三十二行目から三十四行目付近の記述に注目するよう指示されています。ぼくがある行動を取った理由について、本文中の根拠を正確に拾い上げて説明する問題です。

行数指定のヒント

記述問題で「理由」を聞かれたら、傍線部の直前2〜3行に注目するのが基本です。「〜ので」「〜ため」「〜から」といった因果関係を示す表現を見つけましょう。

問五 選択問題 ― 蓮との共通点

解説では、蓮の経験と「野球」の例の共通点を見抜くことが求められています。文章を読む際にポイント(特異点)をつかむ力が試されています。新しい世界との出会いや変化がキーワードです。

問六 記述問題 ― 対照的な要素

本文中の対照的な要素を読み取る問題です。解説では百三行目付近の記述に注目し、矛盾や対照的な表現を見つけることが求められます。ぼくの行動や考えの中にある矛盾を指摘できるかがポイントです。

問七 選択問題 ― 父の思い

父親の心情や行動の意味を読み取る問題です。父はぼくに対して支配的に見える一方で、その裏には息子への愛情があります。表面的な行動だけでなく、その奥にある気持ちを読み取ることが重要です。

物語文での「親の気持ち」の読み方

親の行動が厳しく見えるとき、中学受験の物語文では「愛情の裏返し」であることが非常に多いです。「なぜこの行動をしたのか」を親の立場で考えてみましょう。

問八 選択問題 ― ぼくの成長

物語全体を通じたぼくの変化・成長について問う問題です。ぼくは物語の冒頭では父や蓮に対して受け身でしたが、最終的には「自分で決める」「自分の道を歩む」という自立の姿勢を獲得しています。選択肢の中から、この成長の方向性に最も合致するものを選びます。

重要語句・表現

大問一(説明的文章)の重要語句

「自足」 ― 自分だけで満足すること。動物は環境に適応して自足できるが、人間にはそれが難しい。
「対象化」 ― 物事を客観的に見ること。人間が世界を「外側から」観察する行為。
「させていただく」 ― 謙譲語の一種。本来は相手の許可を前提とする表現。
「丁重語」 ― 相手に直接関係なく、自分の行為を丁寧に述べる表現。

大問三(物語文)の重要表現

「反発」 ― ぼくが父に対して感じる反抗心。成長の過程で自然な感情。
「配」 ― 父のぼくへの心配・気遣い。厳しさの裏にある愛情。
「蓮」(れん) ― ぼくの友人。ぼくが自分の弱さと向き合うきっかけを与える存在。
比ゆ表現:「シラサギ」 ― 自由に空を飛ぶシラサギは、ぼくが憧れる「自立した姿」の象徴。

知識問題

二・四|知識問題(漢字・語句)

二|漢字の書き取り

同音異字(同じ読みで異なる漢字)の問題が出題されました。「コウ」と読む漢字の使い分けがポイントです。

「鉱」(鉱物)、「構」(構造)、「講」(講義)、「耕」(耕作) ― これらはすべて「コウ」と読みますが、意味が全く異なります。文脈に合わせて正しい漢字を選べるようにしましょう。

四|漢字の読み・語句の意味

漢字の読みや語句の知識を問う問題です。日頃から漢字練習帳での反復学習が重要です。特に「対称」「効果」「供給」「転回」などの二字熟語は頻出です。

ウイークリー・ステップ(知識の総完成)

同音異義語・類義語・対義語などの知識問題がまとめて出題されています。「支持」と「指示」の使い分け、「異義」と「意義」の違いなど、紛らわしい語句のペアを確実に覚えましょう。

まとめ

WS-06 まとめ

今回のWS-06は、「言葉の使い方」と「自分の意志」がテーマでつながっていました。大問一では敬語を「手当たり次第」に使うのではなく相手に合わせて選ぶ大切さを学び、大問三では他人に従うだけでなく「自分で決める」ことの大切さが描かれていました。

どちらの文章も「受け身ではなく、自分で考えて行動する」というメッセージが込められています。この視点を意識して復習することで、読解力がぐんと伸びるはずです。

次回も一緒にがんばりましょう。応援しています。

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