大問1 物語文
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要約
この文章は、高校野球部に所属する航太郎と、彼を支える母親・菜々子の物語です。航太郎は幼い頃に父親を亡くし、母親と二人で暮らしています。野球への情熱を持ち続ける航太郎ですが、怪我に悩まされながらも諦めずに頑張っています。大晦日の夜、母子の会話を通じて過去の出来事や互いの思いが明らかになっていきます。
登場人物と人物像の整理
- 航太郎:主人公。高校野球部に所属する少年。父との約束を果たすため、怪我と闘いながら野球を続ける。
- 菜々子:航太郎の母親。看護師として働きながら、息子を支える。
- 健夫:航太郎の父親。事故で亡くなっているが、家族の心の支えとなっている。
場面の変化
回想シーンをはさんで現在と過去を行き来しますので注意が必要です。
【現在】:大晦日の夜、航太郎と菜々子がテレビを見ながら会話している場面
【回想】:航太郎が野球をやめたいと電話してきた夜の出来事
【現在】:母子の対話を通じて、過去の出来事の真相が明らかになる場面
心情表現とその変化
- 航太郎:
- 「いろいろありがとうね、お母さん」:母への感謝の気持ち
- 「俺、もう野球やめたいよ」:挫折感、絶望感
- 「本当にごめん。なんかちょっとうまくいかなかっただけだから」:立ち直りの兆し、前向きな姿勢
- 菜々子:
- 「心胸が小さい音を立てる」:息子の言葉に動揺する様子
- 「自分は航太郎の親であって、高校球児の母親なわけじゃない」:母親としての葛藤
- 「死んでなお健夫が自分たちを支えてくれている」:亡き夫への感謝、家族の絆
比喩表現
- 「心胸が小さい音を立てる」:菜々子の心の動きを、体の内部で音が鳴るかのように表現しています。
- 「無間地獄のような長さ」:高校野球の厳しい環境を、終わりのない地獄に例えています。
注意すべき表現
- 「満面に笑みを滲ませながら」:顔いっぱいに笑顔を浮かべている様子
- 「心の内に立ち入られたくない」:自分の気持ちを他人に知られたくない
- 「あっけらかんとした声」:明るく気さくな様子の声
- 「意固地」:自分の考えを曲げない頑固さ
- 「卑屈な気持ち」:自分を卑下して、みじめに感じること
重要なポイント
航太郎が野球をやめたいと言った夜の出来事は、物語の重要な転換点です。この出来事を通じて、母子の関係性や航太郎の心の強さが描かれています。航太郎が立ち直れた理由は、救急車の音を聞いて父親のことを思い出したからです。これは、家族の絆の強さを表現しています。
大問2 説明文
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要約
この文章は、川原繁人さんと川添愛さんという二人の言語学者による対談です。主に以下のようなテーマについて話し合われています:
- 方言の価値と共通語との関係
- 言葉の「正しさ」に対する考え方
- 若者言葉や新しい言葉の特徴と面白さ
- 言葉の変化と言語学の魅力
二人は、すべての言語や方言には価値があり、状況に応じて使い分けることが大切だと主張しています。また、言葉の変化は自然なものであり、その中に隠れた規則性を発見することが言語学の面白さだと語っています。
筆者の主張・意見
両者の主な主張は以下の通りです:
- すべての言語や方言には等しく価値がある
- 「正しい日本語」という考え方にとらわれすぎない方がよい
- 言葉の変化は自然で面白い現象であり、否定的に捉える必要はない
- 言語学は多様な分野と繋がり、学べば学ぶほど新しい発見がある
比喩表現
- 言葉は服装のようなもの(川添)
- 知識は円周状になっている(川原)
段落構成
この文章は対談形式のため、明確な段落構成はありませんが、大まかに以下のような流れになっています:
- 方言と共通語について
- 「正しい日本語」という考え方について
- 若者言葉と言葉の変化について
- 言語学の面白さと知識の広がりについて
注目すべき言葉・表現
- 過剰修正:間違いを直そうとするあまり、逆に間違えてしまうこと
- 社会言語学:言語と社会の関係を研究する学問
- 音節:言葉を発音する際の最小単位。日本語では「拍(はく)」とも呼ばれる
- 平板化:アクセントが平らになること。ここでは、単語の使用頻度が高くなるとアクセントが平板になる現象を指している
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