大問3　説明文

筆者の主張・意見

1. 現代人は大量の情報に触れているように見えて、実際は表面的な情報摂取に留まっている。
2. 読書は人に「深さ」をつくり、幅広い教養を身につけるために重要である。
3. 専門分野だけでなく、幅広い教養（リベラルアーツ）が必要である。
4. AIとの関係において、人間らしさや人生の深さを追求することが重要。
5. 読書は人間に生まれたからこそ味わえる喜びであり、自分の人生を深める最高の方法である。

注目すべき対比構造

1. 「インターネット上にある情報の量はすごい」 vs 「意外にみんなそれほど情報を摂取していない」
2. 「専門分野」 vs 「幅広い教養」
3. 「AIにできないこと」 vs 「自分の人生をいかに深く生きるか」
4. 「ネット、SNS」 vs 「読書」

比喩表現

1. 「インターネットの海と言いますが、ほとんどの人は浅瀬で貝殻をとっているようなもの。」
2. 「深さは全人格的なもの、総合的なものです。」

段落構成

1. 現代の情報摂取の実態
2. 読書の重要性と「深さ」の説明
3. 大学教員の教養不足の問題
4. リベラルアーツの重要性
5. AIと人間の関係性
6. 人間（ホモ・サピエンス）としての読書の意義
7. 結論：現代だからこそ読書が重要

注意すべき言葉・表現とその解説

1. リベラルアーツ：幅広い教養のこと。文学、歴史、哲学などを含む総合的な学問。
2. グローバル化：世界規模で政治、経済、文化などが結びつくこと。
3. 本末転倒：物事の順序や軽重を取り違えること。
4. ホモ・サピエンス：現生人類の学名。「知恵のある人」という意味。

その他、解釈に注意すべき部分

• AIとの関係性について：筆者は、AIに負けないことを目的にするのではなく、人間としての深い生き方を追求することが重要だと説いています。
• 「深さ」の概念：筆者が言う「深さ」とは、単に専門知識だけでなく、総合的な教養や思考力を指しています。

大問4　物語文

登場人物と人物像

1. 廉太郎（主人公）：
   • ギター部をやめ、柔道で腕を骨折した
   • 自分の弱さから逃げる傾向がある
   • 弦次郎のバイオリンを心から好んでいる
2. 弦次郎（廉太郎の兄弟）：
   • バイオリンを弾くのが好きだが、自分に才能がないと思っている
   • 廉太郎の行動に怒りを感じている
   • 直接的に自分の気持ちを伝える

場面の変化

1. 病院の診察室：廉太郎の骨折を確認
2. 病院の屋上：廉太郎と弦次郎の対話

心情表現とその変化

1. 弦次郎の心情変化：
   • 怒り → 納得 → 悲しみ → 受け入れ
2. 廉太郎の心情変化：
   • 驚き → 理解 → 決意

比喩表現とその解説

1. 「レントゲンみたいに、誰にでもわかるようにハッキリ映し出して見せる」
   • 心の内を正直に伝えることを、レントゲンで体の内部を映し出すことに例えている

主題

• 逃げずに本音で向き合うことの大切さ
• 自分の可能性を信じ、諦めないこと

注目すべき言葉・表現とその解説

1. 糾弾（きゅうだん）：厳しく責めること
2. 核心（かくしん）：物事の最も大切な部分
3. 相反（そうはん）：互いに反対であること
4. フレージング：音楽で、旋律を意味のあるまとまりとして演奏すること

誤読しないように注意すべき部分

1. 「ゲン」は弦次郎のニックネームです。
2. 廉太郎と弦次郎は双子ではありませんが、兄弟であることがわかります。
3. 廉太郎がギター部をやめたのは、本気で取り組むことを避けるためだったことが明らかになります。
4. 弦次郎が最後に口汚くののしるシーンがありますが、直前の廉太郎の「俺も、もう逃げへんから・・・逃げるなよ」という言葉に感動していることを読み取る必要があります。表面的な態度と内面のズレは物語においては定番です。

この物語は、兄弟間の複雑な感情や、自分自身と向き合うことの難しさを描いています。中学受験生の皆さんは、登場人物の心情の変化や、言葉の裏に隠された本当の気持ちを読み取ることに注目してください。また、「逃げる」という行為が物語の中でどのように描かれているかを考えることで、主題への理解を深めることができるでしょう。

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