
四谷大塚系列 3月 組分けテスト 解説
この文章は、近代科学の発展とキリスト教思想の関係について述べたものです。もちろんほとんどの小学生には縁がない分野ですね。
とはいえ、キリスト教を軸とした西洋の自然観に関する知識は近年の中学受験国語においては必須です。また日本の自然観(里山・共生など、今回はギリシャ的自然観として書かれている)との対比で書かれた文章も定番です。今回難しいと感じた方は、これを機会に文章をよく深掘りし、自然と科学、キリスト教と自然、西洋と日本(東洋)の自然観などに関して背景理解を深めておきましょう。
このような難解な文章で問われるのは「筆者の主張」「対比」など重要なポイントにしぼって粘り強く読むこと。難解な文章でもポイントをしぼればかすかに糸口が見えてくるはず。あきらめずに読み込む精神的タフさが求められる文章でした。
近代科学を生み出した学者たち(ニュートン、ロバート・ボイル、デカルトなど)は、自然を探求することが神の意志を明らかにする行為であると考えていました。しかし、近代化が進むにつれ、人間が自然を「理解し支配する存在」としての立場を確立し、結果として神の存在が次第に排除されていく流れが生まれました。このように、キリスト教的な自然観が科学を発展させた一方で、科学の進歩が神を不要にする方向へ進んだという主張がなされています。
以下の言葉に関する知識は難しく感じる子が多かったと思います。分からない言葉は語彙のーとにまとめるなどして自分のものにしていきましょう。
言葉 | 意味 |
---|---|
近代科学 | 17世紀以降に確立された、観察や実験に基づく科学の体系。 |
創造主(そうぞうしゅ) | キリスト教における神のこと。世界を作った存在。 |
類推(るいすい) | あるものを元にして、似たようなことを推測すること。 |
被造物(ひぞうぶつ) | 創造主(神)が作ったもの。ここでは人間や自然を指す。 |
主客の分離(しゅかくのぶんり) | 人間(主体)と自然(客体)を分けて考えること。 |
啓蒙主義(けいもうしゅぎ) | 18世紀のヨーロッパで広まった、「理性」を重視し、宗教や伝統よりも科学的な考え方を優先する思想。 |
科学革命(かがくかくめい) | 16世紀から17世紀にかけて起こった、自然科学の大きな発展。 |
説明文・論説文では、「筆者の意見」を見つけることが重要です。
本記事のポイントは、以下のように整理できます。
このように、文章の根幹となる部分を整理して理解しましょう。
この文章では、「キリスト教的な自然観」と「ギリシャ的な自然観」が対比されています。
文章中にある以下のポイントが重要です。
「しかし」「ところが」「一方で」などの接続詞に注目すると、対比が見つけやすくなります。
筆者は、近代科学の基礎を築いた学者たち(ニュートン、デカルトなど)の信仰について説明しています。
例:「ニュートンらは、自然の探求が神の栄光を明らかにする行為であると考えていた」
具体例を見つけることで、筆者の主張がどのように補強されているのかを理解しやすくなります。
この文章の重要なポイントを整理すると、
✅ 筆者の主張:「近代科学の考え方は、キリスト教思想から生まれたが、科学の発展が神の役割を減少させた」
✅ 対比の理解:「ギリシャ的な自然観 vs. キリスト教的な自然観」
✅ 重要語句の理解:「主客の分離」「啓蒙主義」「科学革命」など
このように整理すると、文章全体の流れがつかみやすくなります。
以下の点を意識して振り返りをしておきましょう。
🎯 「筆者の意見」に線が引けていなければ線を引き加え「具体例」との関係を整理する
🎯 対比を表す言葉に注目し、文章の構造を明確にする
🎯 重要語句の意味を辞書等で調べノートにまとめておく
テストの価値は復習の深さで決まります。毎回のテストをきちんと復習しておくことが国語の成績向上につながります。頑張ってください!