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2026年1月12日実施 四谷大塚 第2回 5年生志望校判定テスト 国語 徹底解説
はじめに
今回は、2026年1月12日に実施された四谷大塚「第2回 5年生志望校判定テスト」の国語を徹底解説します。
今回の出題は以下の構成です。
- 大問1:物語文(町田そのこ「ぎょらん」より)
- 大問2:論説文(毛内拡「世界一やさしい脳科学入門」より)
- 大問3:同音異義語・同訓異字・対義語・和語
- 大問4:漢字の書き取り
それでは、各大問について詳しく見ていきましょう。
大問1:物語文の解説
文章の概要
出典:町田そのこ「ぎょらん」
姉を病気で亡くした「私(美弥)」が、姉の夫である和史と姉の親友である茜とともに、姉の家を訪ねる場面です。祭壇に供えられた「生チョコタルト」を食べながら、姉との思い出を語り合う中で、美弥はこれまで気づかなかった姉の本当の思いを知ることになります。
登場人物と人物像
美弥(私):主人公。24歳。母親のいない家庭で育ち、姉に母親代わりとして世話を焼かれてきた。姉の過干渉を「ウザい」と感じ、反発していた。喧嘩別れしたまま姉を亡くし、後悔を抱えている。
香弥(姉):故人。美弥の7歳上の姉で、母親代わりとして美弥を育てた。門限を厳しく守らせるなど過干渉気味だったが、それは妹への深い愛情の表れだった。生チョコタルトを妹からもらった思い出を大切にしていた。
和史:姉の夫。妻を亡くした悲しみの中、「ままごとのような気分」「現実味がない」と語る。
茜:姉の親友。タルトの本当の意味を美弥に伝える重要な役割を果たす。

場面の変化
この物語は「現在」と「回想」が交互に描かれる構成になっています。
回想シーン(過去):姉との喧嘩の場面。「いつまで私の親気取りでいるわけ?」「ウザい」と反発していた自分を思い出す。
現在シーン:姉の家でタルトを食べながら、姉の本当の思いを知っていく。
心情表現とその変化
この文章で最も重要なのは、美弥の心情変化です。

比ゆ表現
「でも、特別な味がした」:タルトの味そのものではなく、姉との思い出や姉の愛情を知ったことで、同じタルトが「特別なもの」に変わったことを表している。
主題
この物語の主題は、「当たり前の存在への感謝と後悔」です。
傍にいるのが当たり前だった姉。言わなくても大丈夫だと思っていた感謝の気持ち。しかし、姉がいなくなって初めて、姉の深い愛情に気づく。「表面(反発・疎ましさ)」と「本質(愛情・感謝)」の対比が、この物語の核心です。
設問解説
問一:傍線部「姉がキレて、次に私が逆ギレする」
問い:私は姉のどんなところをどのように思って腹を立てているのか。
解答:A「親気取り」 B「疎ましく」
解説:2・3行めの「いつまで私の親気取りでいるわけ?」と、13・14行めの「いつしか、親でもないくせにと姉を疎ましく思うようになっていった」から抜き出します。姉は母親代わりとして過干渉だったため、美弥は「親でもないのに」と反発していたのです。
問二:傍線部「その方が助かる」
問い:どういうことですか。45字以内で説明しなさい。
解答例:姉が子どもを産み、妹より自分の子どもの方が大事になれば、私のことを構わなくなり、私はせいせいするということ。
解説:「その方が」の指示内容をおさえます。直前の「自分の子どもの方が絶対大事になるよ」を受けています。さらに1行めからの会話を遡ると、姉が子どもを産んで世話をすれば「私のことなんてどうでもよくなる」と美弥が言っています。つまり、姉に構われなくなることを「助かる」と言っているのです。
問三:傍線部「こんな風にしても、全然現実味がないんだよね」
問い:どういうことですか。30字以内で説明しなさい。
解答例:祭壇にお供えをしても妻の死んだ実感を持てないということ。
解説:和史さんの言葉です。「こんな風にしても」とは、祭壇を飾り、お供えをすることを指します。38・39行めの「精一杯、姉の周りを華やかにしようと試みた」とありますが、それでも「現実味がない」=妻の死を実感できないでいるのです。
問四:傍線部「姉がいなくなった後もこのタルトを食べるのか」
問い:このときの私の様子として正しいものを選びなさい。
解答:ウ(姉がいつも土産に持ってきていた甘すぎるタルトに、過干渉だった生前の姉を思い出している。)
解説:タルトを食べることで、世話焼きだった姉を思い出しています。「小さく笑って」とあるように、複雑な気持ちです。姉への懐かしさと、過干渉だった頃の思い出が混じっています。
問五:傍線部「何で忘れていたんだろう」
問い:何を思い出したのですか。A・Bに入る言葉を抜き出しなさい。
解答:A「プレゼント」 B「大喜び」
解説:茜の言葉から、タルトは「美弥が姉の誕生日にプレゼントしたもの」で、姉は「大喜びした」ことがわかります。73行め「美弥ちゃんが初めて香弥にプレゼントしたタルトじゃん」、77行め「香弥大喜びしてさ」から抜き出します。
問六:傍線部「たったそれだけのことを言っていれば、何か変わっていたはずなのに」
問い:どういうことですか。正しいものを選びなさい。
解答:エ(姉にタルトの話をしていれば、わだかまりもとけたかもしれないし、お見舞いに行かないまま終わるなんてことはなかったはずだということ。)
解説:100・101行めの「お姉ちゃんの方が、生チョコタルト好きなんじゃん」と言っていれば、姉妹の大切な思い出に話が及び、関係が改善したかもしれない。少なくとも喧嘩別れのまま終わることはなかったと後悔しています。
問七:傍線部「でも、特別な味がした」
問い:このときの私の気持ちとして正しいものを二つ選びなさい。
解答:ア・イ
解説:ア「その奥にあった姉の深い愛情を知って、感謝している」は、タルトの思い出を通じて姉の愛情に気づいたことを示しています。イ「大好きだと素直に伝えられなかったことを後悔している」は、112〜115行めの「大好きだったのに。傍にいるのが当たり前で、言わなくったって大丈夫だって思ってた。でも、違ったね。ごめんね」から読み取れます。
大問2:論説文の解説
文章の概要
出典:毛内拡「世界一やさしい脳科学入門」
脳科学者である筆者が、AI時代における「学び」の意味を論じた文章です。AIがすべての答えを教えてくれる時代に、なぜ自分で学ぶ必要があるのかという問いかけから始まり、「リテラシー」の重要性を説いています。
筆者の主張・意見
筆者の主張は以下のようにまとめられます。
AI時代においては、答えを与えてくれるツールが増えるほど、自分自身の思考力や判断力の価値が相対的に高まる。AIに頼るだけでなく、「そもそも何を調べ、どのように判断し、何を行動に移すのか」を自ら決める力こそが、これからの社会で求められる。
対比的な表現
この文章には、いくつかの重要な対比があります。
AIが答えを出す vs 自分で考える:AIは瞬時に結果を出してくれるが、それをどう活用するかは人間の判断力にかかっている。
過去の「主義」vs 現代の「ブリコラージュ」:かつてはマルクス主義や社会主義といった大きな「主義」が社会を支配していたが、現代では個人が発信力を持ち、誰かの唱える「主義」が長期に支持されることは難しくなった。代わりに求められるのが「ブリコラージュ的な創造」である。
段落構成

重要語句
統計的思考:ある事象が起こる可能性を数字で捉え、不確実な未来に備える考え方。
リスクリテラシー:危険や不確実性を正しく理解し、最適な意思決定を行うための知識と技能。
情報リテラシー:情報源の信頼性を見極める力。
コミュニケーションリテラシー:相手の言葉の背後にある意図を読み解き、誤解を避ける技術。
ブリコラージュ:手に入るものを組み合わせて新たな価値を創造すること。
設問解説
問一:空欄Aに入る言葉
解答:イ(不可欠)
解説:文脈から「これからの時代に不可欠です」という意味になります。統計的思考を身につけることの重要性を述べています。
問二:空欄A・Bに入る接続詞
解答:A「ウ(では)」 B「イ(しかし)」
解説:Aは「では、どう学べばよいのでしょうか」という問いかけへの転換。Bは前の内容と対比的な内容を導く逆接です。
問三-1:傍線部「人間は重大な出来事が起こったあとで初めてその重大さを実感しがち」の理由
解答:ア(エネルギーの節約のため、脳はリスクを予測するように設計されていないから。)
解説:22〜24行めの「これは私たちの脳がエネルギー節約型に設計されているため」という部分が根拠です。
問三-2:事前にリスクに備えるために必要なもの
解答:「危険や不確」(33字で探す問題の冒頭5字)
解説:「リスクリテラシー」の定義が書かれている27〜28行め「危険や不確実性を正しく理解し、最適な意思決定を行うための知識と技能」から抜き出します。
問三-3:リスクリテラシーを学ぶと何が起こる恐れがあるか
解答:エ(平均から外れることに不安を覚え、挑戦をためらってしまう。)
解説:32〜34行め「確かに統計を学べば、平均から外れる可能性が常にあることを知り、不安になるかもしれません」と述べられています。
問四:傍線部「情報源の信頼性を見極める」の具体的方法
解答:「自分で複数」から始まる部分
解説:32〜34行めの「自分で複数のソースを比較し、『なぜその情報が発信されたのか』を考える習慣が大切」から抜き出します。
問五:傍線部「コミュニケーションリテラシー」を学ぶ目的
解答:ウ(相手の使った言葉の意味や意図を正しく理解し、確かな意思疎通をするため。)
解説:39〜40行めの「相手の言葉の背後にある意図を読み解き、誤解を避ける技術」という定義から判断します。
問六:傍線部「答えのない時代をたくましく生き抜く」ために大事なこととして適切でないもの
解答:オ(不確実なことに当たっても自分の感性を信じて完璧を目指し、新たな価値を創造すること。)
解説:51〜53行めで「完璧を目指さない」ことが重要だと述べられています。「平均的な結果に収まらない可能性を恐れすぎることも行動を萎縮させます」とあり、完璧を目指すことは逆効果です。
問七:傍線部「ブリコラージュ的な創造者」の説明
解答例:手に入るものを組み合わせて、さらには自分の専門外の領域からヒントを得て、独自の概念を編み出す能力をもつ人。
解説:71〜73行めの「手に入るものを組み合わせて新たな価値を創造する」「過去に流行した思想や技術、さらには自分の専門外の領域からヒントを得て、独自の概念を編み出す」という部分を使ってまとめます。
問八:空欄A・B・Cに入る言葉
解答:A「境界線」 B「協働」 C「多様な視点」
解説:Aは「学問領域の境界線が曖昧になりつつある」(87行め)から。Bは「他分野の専門家と協働し」(91行め)から。Cは「多様な視点を持ち寄るコミュニティ作りが欠かせません」(92行め)から抜き出します。
問九:傍線部「私たち一人ひとりはどう動けばよいのでしょうか」の答え
解答:ア(過去からのさまざまな知識や視点を選んで組み合わせ、それを助けてくれる人や仕組みを探し、自分なりの知的共同体を築く。)
解説:104〜107行めの「自分にとって意味のあるものを自ら選び、組み合わせていく自由があるという事実をまず受け入れる」「もし自分で組み立てるのが難しければ、その過程をサポートしてくれる人や仕組みを探せばいい」から判断します。
まとめ
今回のテストは、物語文・論説文ともに「表面」と「本質」の違いを読み取る力が問われました。
物語文では、姉への「反発」という表面的な感情の裏に「愛情」があったことに気づく過程を読み取ること。論説文では、AIが「答え」を出してくれる時代に、自分で「問い」を立てて「判断」することの大切さを理解すること。
どちらも、文章の表面的な意味だけでなく、その奥にある筆者の意図や登場人物の本当の気持ちを読み取る練習が大切です。
6年生に向けて、このテストで見つかった弱点をしっかり復習し、読解力をさらに高めていきましょう。
最後に一言:「当たり前」だと思っていることこそ、大切にしよう。言葉にしなければ、伝わらないこともある。この物語文のメッセージは、受験勉強だけでなく、日々の生活にも通じるものがありますね。







