大問3 説明文
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- 題名:「新聞の行く末」
- 筆者:坂口裕彦
- 出典:増田幸弘編『メディアの本分』(彩流社)所収
文章の要約
インターネットの普及により新聞の未来が危ぶまれる中、筆者は新聞社勤務の経験から、新聞の可能性と重要性を主張しています。特に、現場取材の重要性や、読者との対話を通じて社会問題を考える場としての新聞の役割を強調しています。
筆者の主張・意見
- 新聞の未来は悲観的ではない
- 現場での取材と「日本の視点から見る世界」の重要性
- 新聞は「多様な議論の場」を提供し続けるべき
- より長い原稿の提供を増やすべき
- 身近な現場取材の重要性
- 新聞は「三河屋さん」のような身近な存在になるべき
- 新聞は柔軟な発想でチャレンジし、社会に貢献すべき
対比項目
- 「全国版」と「県版」の概念の消失
- 「記号」としての難民・移民 vs 「生身の人間」としての難民・移民
- 「遠い世界の出来事」 vs 現場の息づかいや人々の表情を伝える報道
- 既存の政治システム vs ポピュリズム
- 紙の新聞 vs インターネット
段落構成
1-4段落:新聞を取り巻く現状と筆者の立場 5-9段落:難民・移民取材の経験と新しい報道の形 10-13段落:世界の現状とポピュリズムの危険性 14-18段落:新聞の役割と課題 19-25段落:個人の経験を踏まえた新聞の在り方の提案 26-27段落:新聞の未来への展望
重要表現・語句
- 「玉石混交」(ぎょくせきこんこう):良いものと悪いものが混ざっている状態
- 「執着」(しゅうちゃく):強くこだわること
- 「活路」(かつろ):行き詰まった状況を打開する道筋
- 「俯瞰」(ふかん):高い所から見下ろすように全体を見渡すこと
- 「ポピュリズム」:大衆迎合主義。民衆の人気を得ようとする政治手法
- 「強権的」(きょうけんてき):権力を強引に行使すること
- 「独裁者」(どくさいしゃ):一人で権力を握って支配する人
- 「真摯」(しんし):まじめで誠実なさま
その他読み取りづらい内容
- 「一人四役」: 筆者が一人で記者、スチールカメラマン、ビデオカメラマン、リポーターの4つの役割をこなしたことを表現しています。これは、技術の進歩により、一人の記者ができることが増えたことを示しています。
- 「夜討ち朝駆け」: 昔の記者が政治家のコメントを得るために、夜遅くや朝早くから取材していた様子を表現しています。現在ではSNSの普及により、そのような苦労が減ったことを対比的に述べています。
- 「シングルファザーやシングルマザー」(: 一人親家庭のことを指しています。筆者自身もシングルファザーとなり、子育てと仕事の両立の難しさを実感していることがわかります。
- 「三河屋さん」: 「サザエさん」というアニメに登場する、親しみやすい八百屋さんのキャラクターです。新聞も同じように、読者にとって身近で親しみやすい存在になるべきだという筆者の考えを表現しています。
大問4 物語文
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題名:「途中下車」
作者:高田郁
あらすじ
いじめを受けて転校を決意した亜希が、新しい学校への初日に不安を感じて列車を途中下車し、駅のレストランで出会った二人の男性との交流を通じて勇気を取り戻す様子を描いています。
登場人物と人物像
・亜希:主人公。いじめを受けて転校を決意した女子高生。
・タロ:レストラン「駅舎」の料理人。外見は怖そうだが優しい。
・ジロ:レストラン「駅舎」の接客担当。丸くて愛想が良い。
・亜希の母:娘のために転校を手配する。
場面・心情の変化
- 列車の中で不安になる亜希
- 駅で降りてレストラン「駅舎」に入る
- タロとジロとの会話
- 亜希が自分の状況を打ち明ける
- 亜希が勇気を取り戻す
- ・不安:「徐々に心細くなってきた」
- ・感動:「うわァ」(レストランの内装を見て)
- ・悲しみ:「ぶわっと涙がゆふき出す」
- ・勇気:「自分でちゃんと話します」
比喩表現とその解説
・「メデューサの呪いを解いたのは」:母親のショックで固まった状態が解けたことを表現。
・「水泳の飛び込み台の途中で、足を縫ませているような心持ち」:新しいことにチャレンジする前の強い不安を表している
主題
新しい環境に飛び込む勇気と、人との出会いの大切さ。
正しく内容がつかめていたか、注目すべき点を見落としていなかったかよく確認しておきましょう。
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