村上雅郁の『きみの話を聞かせてくれよ』は、2024年度の中学受験で多数の私立中学校で出題された作品。中学生の悩みや思いを7人の主人公の視点から描いた青春群像劇で、思春期ならではのリアルな部分が感じられます。
村上雅郁は1991年生まれの児童文学作家。 鎌倉市で育ち、2011年から本格的に創作活動を始めました。 第2回フレーベル館ものがたり新人賞大賞を受賞した『あの子の秘密』でデビューを果たした。 その後、『りぼんちゃん』『きみの話を聞かせてくれよ』など、複数の作品を発表しています。 代表作に『かなたのif』がある。 夢の世界を舞台に、孤独な少女の願いをかなえる黒猫の物語です。
『きみの話を聞かせてくれよ』は2024年度の中学受験で多くの私立中学校で出題された作品です。 確認できただけでも14校で出題されており、最も多く出題された作品の1つとなりました。出題校は以下の通り。
特に「タルトタタンの作り方」という短編が駒場東邦中、海城中、立教女学院中で出題。 この短編では、ケーキ作りが趣味の男子生徒と、女子らしさにとらわれたくない女子の先輩との交流が描かれています。近年中学受験国語で頻出の多様性がテーマ。 固定観念にとらわれない生き方が問われた作品です。「シロクマを描いて」は24年第2回サピックスオープンでも出題されました。
『きみの話を聞かせてくれよ』の見所は、7人の主人公たちがそれぞれ抱える悩みや葛藤を通して、思春期特有の孤独や不安、そして成長の喜びが生き生きと描かれている点にあります。 作品は、主人公たちの視点から、友人関係や家庭環境、将来への不安など、様々な問題に直面する姿を描いています。 しかし、お互いの気持ちに耳を傾け、理解を深めることで、少しずつ前に進んでいく様子が丁寧に描写されています。 思春期ならではのリアルな部分が感じられ、読者は主人公たちの成長を共に体験できるのが魅力です。
村上雅郁の他の代表作には以下のようなものがあります。
特に『かなたのif』は、村上の代表作の1つとされています。 夢の世界を舞台に、孤独な少女の願いをかなえる黒猫の物語が描かれており、村上氏の作風が色濃く出ている作品だと評されています。 その他にも、『りぼんちゃん』など、子供の視点から描かれた作品が多い傾向があり、中学受験に出題しやすい内容なのでしょう。