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【注目】2021年度中学入試|国語の出典ベスト5| 中学受験国語のトレンド | 最も出題されたのはどんな本?

今回は2021年度入試で多く出題された国語の文章問題の出典をランキング形式で

まとめました。首都圏の私立中学約350校の2021年度国語の入試問題から集計しております。

毎年私立中の国語の出典はトレンドの波があり、一部の作家やタイトルに出題が

集中することがあります。2021年入試のトレンドを探ってみましょう。

本記事は以下のような方にお役立ていただける内容です。

・中学受験をする予定のお子さんにどんな本を読ませるべきかお迷いの保護者さん

・中学受験の国語力アップに有効な本を生徒に進めていきたいとお考えの講師の方

国語の出典を意識するメリット

入試における国語の出典元は様々ですがどんな出典が多いのかを意識しておくと

メリットがあります。まずはそのメリットについてご紹介しておきます。

入試トレンドから世相を知る

実は国語の出典は世相を反映することが珍しくありません。

環境問題や経済格差の問題、青少年のいじめやSNSの利用の問題など、

社会的に話題になったことを題材とした論説文・説明文や

そういったテーマの背景をベースに描かれた物語が出題されることが良くあります。

入試の出典からこれらの問題の背景に対する理解を深めておくことは、

文章理解の補助となることは間違いありません。

求められる読解レベルを把握する

中学入試の国語の出典についてはほとんどが各学校内で会議を繰り返し慎重に判断されます。

(一部外部業者に委託するケースもありますが)

検討される内容は小学生に出題する内容として適切なテーマであるか、適度な語彙レベルか

道徳的・社会的に問題のある表現が含まれないか、その学校の教育方針と齟齬が生じる内容が

含まれないか、など多岐にわたります。

こうした多くのフィルターをかいくぐって入試問題に採用された書籍というのは

テーマとして小学生高学年に読ませるのにふさわしい内容であると同時に、中学入試に

必要な知識や読解スキルが求められる文章レベルとなっていますので読むことで得られるものが

多いわけです。

他の科目の知識や好奇心

前述のとおり各中学でしっかり吟味して選定された出典ですから小学生の興味関心や、

問題意識を引き出すような優れた内容であることが多いです。

特に理科や社会に関係する話題について、単なる暗記項目という枠を超えて問題の本質を

理解させるために触れておきたい内容の出典が多くあります。

歴史、文化、生物、環境、国際協調、青少年の心理、移民・人種問題、多様性、、、、、

様々な社会的なテーマを深く掘り下げつつも小学生でも理解できる

文章レベルで書かれたものをしっかり読み込むことで理科・社会への関心や理解度が

深まっていくことでしょう。

ベスト5

きみのまちに未来はあるか?「根っこ」から地域をつくる
 / 除本理史 佐無田光

【出題校】浦和実業学園・共立女子・國學院久我山・横浜共立学園

地域の伝統・文化・コミュニティを守ることの難しさと重要性を認識させられる本。

そこに住む住民自身がその土地を守る「根っこ」であるとの主張から、

安易な観光誘致や都市開発ではなくその土地らしい発展・継承を勧める事例を紹介している。

中学受験社会の地理・公民分野への理解・関心を深めるのにも有効な一冊。

ベスト4

さみしさ」の力 孤独と自立の心理学  / 榎本 博明

【出題校】市川・鎌倉女学院・栄東・湘南白百合学園

友人への精神的依存度が高い青少年期。

とはいえ、自分の心の奥底まで除かれることには抵抗を

感じる子も多く、何らかの孤独は抱えているもの。

その孤独を見つめ自立を目指す考え方を導く内容。

中学受験の学習の中でストレスを抱える子どもが、自分の未来を見据え自立した

考え方を持つようになるきっかけになるかもしれません。

ベスト3

水を縫う /  寺地 はるな

【出題校】市川・大妻・海城・サレジオ学院・中央大学付属横浜・東邦大学東邦・横浜共立学園

手芸好きの少し変わった高校1年生男子を中心とした家族のストーリー。

ごく一般家庭に起きそうな【普通】な出来事やトラブルを乗り越える様子にの中に

家族関係の難しさと同時に絆の深さを感じさせるストーリー。

中学受験生にとっては少し年上の世代の視点から語られる内容だが、

十分楽しみながら読み進められる一冊。

ベスト2

なぜ科学を学ぶのか /  池内 了

【出題校】鎌倉女学院・吉祥女子・栄東・芝浦工大柏・淑徳与野・専修大松戸

科学という分野は原因を結果が客観的事実として提示されるわかりやすさがある。

日常、人間がいかに個人的な感情や経験に左右され、目に触れた情報に左右されて

生きているかを実感させられるとともに、様々な側面から物事を見ることの大切さを説く内容。

読解においても独りよがりな個人的な見解や感想を混ぜてしまう傾向にある子どもに

客観的な読解の必要性とその思考法を理解させるきっかけとなる一冊。

ベスト1

はずれ者が進化をつくる:生き物をめぐる個性の秘密 / 稲垣 栄洋

【出題校】桜蔭・鴎友学園女子・大妻・国府台女子学院・國學院久我山・城北埼玉・巣鴨・獨協埼玉・明治大学付属中野

「多様性」、「ダイバーシティ」などがキーワードとなることが多い昨今ですが、

まさに「人と違うこと」に対する捉え方を生物学的に肯定していこうとする内容。

同一種の中でも個性が異なるのは生物の生存戦略上必須の条件であると説く。

大人と変わらず同調圧力が強い子供社会において、自分の個性を大切にし、

軸をもって未来を考えていく、そんな自立した姿勢を導く一冊。

まとめ

いかがだったでしょうか?

どれも小学校高学年のお子さんにはぜひ読んでほしい内容のものばかりです。

いずれも首都圏有名校の多くが出題しています。

それだけ多くの先生方の眼にかなった非常に濃厚で有効な内容ですから

読んでおいて損はないでしょう。

今後も入試で扱われた良質な書籍は随時紹介していきたいと思いますので

どうぞお楽しみに。

本記事で扱った本がまだ敷居が高い、とお感じの方はまず読書好きにさせるための

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