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【解答速報】2022年 栄東 A(1/10) 国語 | 解答と解説 | 解き直しに使える丁寧な解説!

こんにちは。某大手学習塾国語科講師兼管理職のヨッシーです。

2022年中学入試埼玉がスタート。その先陣を切る1/10の栄東Aは全国最多7000人を超える受験者を集めました。その栄東の国語を早速解いてみましたので解説をします。

受験された方は振り返りや解き直しにご活用ください。

大問1 漢字

大問1はすべて漢字の書き取りでした。

1.組閣・・・内閣を組織すること。

2.織機・・・布を織る機械。織り機。文の内容から「食器」ではないと判断。

3.助太刀・・・人に加勢をすること。また、その人。手伝い。

4.有事・・・平常と変わった事件があること。戦争などの一大事。

5.名勝・・・景色の良い土地。

2.3.5がやや難易度高め。一つひとつの漢字は難しくないが、熟語として見慣れないものがあったかもしれませんね。しっかり復習して自分のものにしておきましょう。

大問2 言葉の知識

特に気を付けたい言葉

「つまびらかに」・・・くわしく明らかなさま。細かい点まではっきりしているさま。

「やおら」・・・人や動物がゆっくりと動作を始めるさま。おもむろに。(「急に」、「突然に」という意味での誤用が目立つので注意)

「やにわに」・・・ある動作を行ったその場で、間をおかず一気に次の行動に取り掛かるさま。直ちに。たちどころに。

とくに「やおら」と「やにわに」は区別がつきづらいかもしれません。「やにわに」が間をおかず次の動作を起こすことから(9)に入ることがわかります。(10)も捉えようによっては入りそうですが、「間髪入れず次の動作を始める」という点においては(9)の方が違和感なく入りますね。

1:カ 2:オ 3:イ 4:ケ 5:コ 6:キ 7:エ 8:ウ 9:ク 10:ア

大問3 説明文 「植物のいのち」田中修

問一

解答:(例)植物がタネをつくること。

「何が」「何を」をきちんと答えることが前提です。「ツボミをつくること」などとしないように注意が必要。何を間に合わせたいかといえば植物にとって重要なのは「タネをつくること」であって「ツボミをつくること」はその過程にすぎません。

問二

解答:A=ウ B=エ

知識問題です。本文に「【A】の日を過ぎてから、昼が短くなり、夜が長くなり始めます。」とあることから【A】は最も昼が長く、夜が短い一日ということになります。同様に「夜の長さが最も長くなるのは、【B】」とありますので知識さえあればこれがすぐに冬至であると分かると思います。

問三

解答:イ

本文の「冬の訪れをニカ月前に知る」という表現から、秋になると冬の到来を予知することがわかります。

問四

解答:イ

本文に「昼が短くなることが大切なのか夜が長くなることが大切なのかを知るための実験」とあります。よく考えてほしいのですが、1日を24時間を決めてしまったら日照時間を短くすると昼が短くなると同時に夜が長くなってしまいます。これでは【昼を短くすること】が大切なのか【夜を長くすること】が大切なのか判断ができませんね。

そこで前提として1日24時間と決まっていては昼と夜の長さどちらが大事か判断できないと気づかなくてはいけません。ここで選択肢はイ・エ・カのいずれかに絞られます。

あとは冷静に落ち着いて整理をしていく。

【Y】、長い昼を短く

【Z】、短い夜を長く

Y=夜をそのまま、X=昼をそのまま にすることで「昼」と「夜」の時間変化の影響がわかるということになります。

論理的な判断力と冷静に条件を整理する力が求められる問題でした。

問五

解答:エ

夜の長さの変化に対し、春や秋の気温は、年ごとに、変わりやすいものです。」

『今年の秋は暖かい』と思っていたら、突然、冬の寒さが訪れることがあります。」

これらの表現から気温変化は年ごとに変わるという趣旨の選択肢を選ぶことになります。

問六

解答:ウ

選択肢の文が長いので細かく区切って吟味したい問題です。

ア:「一日のうちの最も適切な時間」「最も適切な時間に形成」が本文と合わず×

イ:「越冬芽が形成される最も寒いことであってもツボミを開花させる」が本文と合わず×

ウ:○

エ:「すべて我々人間の目で確認できるようになる二か月前」⇒「すべて」は言い過ぎなので× 人間の目で確認できるかどうかの言及はないのでこちらも×

オ:「生命活動のすべてにおいて」⇒「すべて」は言い過ぎなので×

問七

解答:(例)越冬芽をつくり、休眠を促し、花が咲くのを抑える

本文に「アブシシン酸は、休眠を促し、花が咲くのを抑える物質です。」とありますのでこれがほぼそのまま使えます。しかし「休眠を促し、花が咲くのを抑える」だけですと字数不足。

そこでその前「秋に越冬芽がつくられるときに、アブシシン酸が葉っぱから芽の中に送り込まれています。」からアブシシン酸が越冬芽を作る作用があると解釈し「越冬芽をつくり」を加えます。

問八

解答: a=周光性 b=寒さ c=予知

a:傍線3の一行前「そのために、ソメイヨシノは光周性を使います」とあります。「そのために」が指す内容を考えれば「秋に越冬芽をつくるため」であることがわかると思います。

b:6ページうしろから3行目「冬の寒さの中で、アブシシン酸は分解され、越冬芽は、眠りから覚めます」とあります。

c:4ページうしろから3行目「季節の訪れの予知に利用しているのです。

大問4 物語文 「猫を配る」谷瑞恵(「神さまのいうとおり」より)

問一

解答:ウ

お稲荷さんを信じていないと言いながらもすがるような思いでお願いしている自分に矛盾を感じているシーンです。

ア:「心の内をわかってくれていることが本当はうれしい」が明確な記述なく×

イ:「本当は何を求めていたのか自分でもわからなく」が矛盾とはずれるので×

ウ:○

エ:「言い伝えなど軽く考えて」が本文とずれており×

オ:「別にゴンがほしかったわけではないと暗に言ってしまった」本文とずれており×

問二

正解:オ

武の想いを理解できる拓也が過去に経験した猫にまつわるエピソードを思い出して思わずでてしまった「ため息」です。そのエピソードの最後「親友なのに、それっきりなんだ」の表現に注目しましょう。

ア:「転校して以来心を許せる友人がいない現状」・・明確な記述なく×

イ:「ひいばあちゃんを怒らせてしまい」・・ひいばあちゃんを怒らせたことを気に病むような様子は書かれていないので×

ウ:「言い伝えを真っ向から否定」・・本文内容とずれるため×

エ:「武の態度に、少し心の距離を感じて」・・本文内容とずれるため×

問三

正解:イ

武の抱える心の空虚さの記述に注目します。

小学校のころ仲良かった友達は、杉原議員の子つきあうなと言われて、離れていった。いや、父が原因だとは限らない。武自身、自分を持ち上げてくれて、わがままを言える相手を取り巻きにするようになったからだ。いつからか、自分が中心にいないといらだつようになった。周囲の大人が、父を持ち上げ、武のこともちやほやするからだ。勘違いでも寂しいから、うわべだけのちやほらから抜け出せなくて、どんどん孤独になっていく。

ア:「周囲とのかかわりを自ら拒んで」・・・本文とずれるため×

イ:○

ウ:「猫を失ったことでやり場のない悲しみ」・・・武の感じる空虚さは猫が原因ではないので×

エ:「何の取り柄もない自分では結局無理」・・・父を超えたいという思いがあるのかどうか本文に記述なく×

オ:「自信があるふりをして強がる」・・・本文に明確な記述なく×

問四

正解:エ

拓也と武の心の距離が近づくシーン。

たぶん、杉原くん(武)が猫をさがしてたから、親近感が持てたというか」と話す拓也に猫を通じて共通の想いを持つことができたと実感していることを読み取ります。

問五

今まで自分を持ち上げてくれる「自分のため」の友達しかいなかった武本当に理解しあえる拓也を友達と感じることができたことで「自分中心」の考えから「他者」のために何かすることの大切さを感じ始めているということに気付きたいところです。

これが「自分のため」にゴンを自分のものにしたかったという思いから「ゴンのために」何かしてあげたいという気持ちに変わっているのです。

解答(1):(例)ゴンを元の飼い主の所へ返すこと。

解答(2):今まで武は自分のためにゴンが必要だと感じていたが、今はゴンのためにしてあげられることを考えるようになった。(54字)

問六

正解:ア

ア:○

イ:「その姿を見間違えるはずはない」・・武はそこまで確信は持っていないので×

ウ:「偶然と済ませてしまうのは面白くない」・・・面白がっているわけではなく×

エ:「気分を害した」「拓也との関係をこじらせたくない」・・拓也に表面上の気遣いをするようなことはしないと考えられるため×

オ:「捉え方の違いがあると気づかされ」・・本文に関連する記述なく×

問七

17ページ前から7行目

父が猫を捨てたのは、単なる猫嫌いでも、武に対する意地悪でもない。知ろうとしなければ、相手の考えも気持ちも、何も知らないまま拒絶することになる。そうなったら、いつまでもわかり合えないままだった

18ページ前から12行目

うれしそうな拓也を見ていると、武もうれしくなる。こんな気持ちになれることを、しばらく忘れていた

これらの表現から武の「心の成長」を読み取る必要があります。

正解:イ・ウ

ア:「白い狐に見守られていると信じ、辛いことも乗り越える」・・・狐をよりどころに生きていこうとしているわけではないので×

イ:○

ウ:○

エ:「自分の追い求めることにむなしさを感じる」・・・本文に記述なく×

オ:「自分の猫に対する思いの深さに気づくことができ」・・・他者理解を学んだのであり、猫への思いが深まったわけではないので×

問八

解答:エ

うれしそうな拓也を見ていると、武もうれしくなる」の周辺であることはあきらか。

ただし「トモダチってなんか、ガキくせえ」というセリフは拓也に「友達」であると言われたことをうれしく感じながらも照れ隠しで発した言葉であり、ウラハラ問題(本音と言動が一致しない、言動の二面性)を含む表現であることに注意が必要です。

この瞬間、武は「拓也とは友達なのだ、だから感情を共有できるんだ」という認識を持ちます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

合格できた方も、残念な結果だった方も、多くの方にとって初戦ですからここからのリカバリが大切です。間違えた問題、読み違えていた個所などは丁寧に振り返り、次につなげましょう。

※なお参考までに、1/10も1/11も「植物のいのち」が扱われています。また両日ともに「猫」にまつわる物語でした。

2021年度国語の解説はコチラ↓

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