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【プロ家庭教師が伝授】中学受験 国語の「時間切れ。」その対処法。ウチの子、読むのが遅いのはなぜ?

国語のテストで 時間が足りない 、時間切れになる 、というお悩みをお持ちの方が一定数いらっしゃいます。

国語は時間にシビアな科目です。正しい対策、正しいトレーニングを踏んで挑まなくてはしっかり考えて答えを導き出すことができず、制限時間間際になって勘だけに頼って答えを出すようなことにもなりがちな科目です。

そこで今回は国語のテストで時間がかかってしまう原因とその対処法についてご紹介していきたいと思います。

原因その1「読むスピード」

1.本文を読むスピードが遅いケース

◆文字を目で追うスピードが遅い

そもそも、文字を追うスピードが遅くて時間がかかってしまっているケース。この場合、文字を極端に言えば一文字一文字追いかけているような状態で、意味のある「塊」として見ることができていないことが多いため、時間をかけて読む割に理解が深まっていないことがあります。

このような場合には普段の読解演習の際に、少し手間がかかりますが文章に文節ごとにスラッシュを入れさせながら、塊と認識させて読ませるという方法が有効です。(時間がかかるのでテスト本番で実践することはおすすめしません)

例)私は / 今日、 / 図書館で/ 友人と/ 勉強を/ しました。

このような作業は一見時間がかかりそうに見えますが、文を意味のある塊ごとに捉えるトレーニングになり、結果として一文ごとの意味の瞬間把握力が高まり、読解がスムーズになります。ただし、すべての文に対してこの作業をするのはあまりに時間がかかりすぎますので、特に難しく感じた分かりづらい文などに絞って分節切りを行い、意味の塊で捉える練習をしてみてください。

◆「返り読み」をしている

「返り読み」とは、一度読んだ場所を繰り返し戻って読んでしまうことを指します。集中が切れてぼーっと文字を追うだけになってしまい、全く文意を捉えていないまま読み進んでしまい、それに気づいて少し前に戻って読み直すわけです。この現象の多くは「集中力」に原因があります。関心の薄い分野の文章、難しくて理解が追いつかない文章などを集中して精読し続けるのは難しいもの。緊張していたり、疲れていたり、など精神面も影響します。

それではそのような悪条件の中でも集中して「返り読み」などせずに一度でしっかり文章を理解するにはどのようにすればよいのでしょうか?

まずは「音読」です。一般的な模試で出題される程度の文章を最後まで集中して読み切るためのトレーニグとして有効です。音読は「目で文字を追い」「意味を理解し」「発語する」という3つのプロセスを瞬間的に行わなくてはいけないのでして集中しないくては音読すること自体できません。したがって中学入試に出題される分量の文章を最後まで音読することは文を最後まで「集中して」読み切るためのトレーニングになるのです。

次に、「濃淡をつけて読む」ということです。説明的文章でも物語文でも重要な部分とそうでない部分があります。文章を最後まで集中して読み切る音読トレーニングをしたとしても、一言一句漏らさず精読し切るのは大人でも難しいもの。そこで説明文、物語文などジャンルごとに意識すべき「重要な箇所」に線引をしたり印をつけて読むことが重要になります。これは多くの塾で指導されていると思いますが、そのような指導がされていない場合には市販の中学受験読解法に関する本を読んで線引の仕方を勉強することをおすすめします。

Twitter界では有名な井上先生の「鉄則」などはおすすめですね。

また、私の授業でも「読解の絶対法則」というものを各ジャンルごとにまとめて生徒さんにはお配りしております。ご興味ある方は当HPの「お問い合わせ」メニューよりご相談ください。

こうした「型」を意識して読むことは重要なところとそうでないところの濃淡を付けて読むことに繋がり、お子さんたちが返り読みをせず最後まで集中して読み切ることにつながっていくのです。

2.設問を読むスピードが遅いケース

◆設問で問われていることを瞬間的に把握することができていない

設問を読んでも結局何を問われているのかよく理解できないまま、何度も設問を繰り返し読んでしまっているケースもあります。本文以上に集中して読まなくてはいけないのが「設問」のはずですが、本文を読み切ったことで安心して(疲れて?)しまい、設問を集中して読むことができないお子さんは珍しくありません。

このような場合には「問の中心」を○で囲むことを意思して実践していきましょう。

例)傍線①〜〜〜〜とありますが、どういうことですか

傍線②〜〜〜〜とありますが、なぜそう言えるのですが

傍線③〜〜〜〜のとき少年Aはどのような気持ちだったと考えられますか

上記の設問例で赤字になっているところが「問の中心」です。

ここを意識して解答の方針を立てるようにしていけば、解答を考えている途中で「何を答えるんだっけ?」と何度も設問を読み返すようなことはなくなります。

原因その2 「解くスピード」

1.選択肢問題を解くスピード

◆正解の選択肢を決めきれない

正解と思える選択肢がいくつもあって選びきれないケース。どれも正解に見えてしまい、きめられなくなってしまい、迷っているうちに時間ばかりが経過してしまいます。

対処法としては以下の通り。

①選択肢を「肯定的なもの」⇔「否定的なもの」、「プラス心情」⇔「マイナス心情」などのように大きく2種類に大別してみる。今答えるべき選択肢がどちらのグループに当たるのかは即時に分かる子が多いです。このように最初から検討する必要すらない「見当違いの選択肢」を思考から排除することで考える時間を省略するようにします。

②選択肢を一定の意味とまとまりごとにスラッシュで区切る。区切った「部分ごと」に内容が正しいかどうかを考え、正しい部分に「○」間違っている・書かれていない部分に「✗」判断できない部分に「△」をつけていきます。「✗」が一箇所でもあればその選択肢は対象から除外。「△」になっている部分だけに絞り込んで正誤判断をするようにしましょう。

③それでもどうしても決められない場合、前述の「△」印をつけた部分と類似する表現を本文から探して線を引く。その箇所に線を引き2〜3回読み込んで最終判断をくだす。

2.文中から設問に関連する語句を探すスピード

◆文中の設問の対象語句がなかなか見つからない

設問で指定された語句や設問に答えるために必要な語句を本文から探すのにとても時間がかかってしまうケース。そもそもどこに書かれていたのか見当もつかず闇雲に最初から最後まで探そうとして、結果として集中が続かず見逃し、時間ばかりが経過する結果となります。

①文章全体を「意味段落」や「場面」で区切って読むようにしましょう。そのうえで、全体の構成を把握するように努めます。それが難しい場合は「はじめ」「なか」「おわり」の3つに分けて考えるだけでもOK。お子さんが文章を読んだ際に「『はじめ』には何が書いてあった?」「 『なか』はどうだった?」と確認をする習慣をつけるのも効果的です。このように文章の全体像を理解することで探したい言葉が文章全体のおおよそどのあたりにあるのかを理解してから探し始めるようにしましょう。

②重要な部分に線を引いたり印を付ける習慣をつけましょう。このあたりは塾から指導されていると思いますので詳しくは述べませんが、筆者の意見や、キーワード、心情に関連する表現などは設問に関連する可能性が非常に高く、線を引いたり印をつけておくことで見つけやすくなります。

3.記述問題を書くスピード

◆なかなか書き始められない、書いても文字数不足、字数超過で書き直すことが多い

特にテストにおいては制限時間のプレッシャーから少しでも早く書く始めないといけないという切迫感から帰って非効率なことをしてしまいがちです。特に記述答案の完成イメージを作り上げないままに、書き始めてしまうのはNG。書きながら考えて指定字数に合うように答案を完成させるのは至難の業です。記述の書き方については長くなるので別途解説する機会を設けますが、必ず必要になるのは「一言で答える」とどうなるかを考えること。およそ10〜20字程度の一言で答えるとするならどんな答えになるのかをまず最初に考えること。その「一言で答えた」表現を固めてから、指定字数に合わせて必要な言葉をトッピングしていくイメージです。

日本語はいちばん重要な結論に当たる部分(=述語)を最後に書く言語なので、書きながら考えていると結論を最後まで考えないで書いていくことになってしまいます。お子さんの答案をご覧になってどうも主述の関係がねじれていてしっくりこないと感じるのであれば結論が考えられていないまま書いているなど、手順に問題がある可能性が高いです。

まずは言いたいことを一言でまとめ最後にどのような表現で締めくくるのかを余白にメモしてから書き始める癖をつけるだけで時間効率はかなり改善されますし、正答率そのものが上がるはずです。

まとめ

ここまでいかがだったでしょうか?

入試において国語は一科目めに配置されていることが多く、最初の科目時間切れを起こし精神的にダメージを受けてしまうのは他の科目にも悪影響を及ぼしかねません。国語は時間が不足しがちな科目ですが、原因は様々。お子様がテストのたびに「時間が足りなかった」と言うようであれば、まずはここで挙げた原因のうちどれが当てはまるのかをしっかり考え、適切な対策をとっていくことをおすすめします。

私の授業ではこのような多岐にわたる時間切れの原因をお子様ごとに分析し、適切な対策をご提案できます。春休み期間中のスポット授業もまだ少し余席があり受け付けておりますので、詳細は当HPの「お知らせ」ページをご覧頂いた上で、「お問い合わせ」メニューよりご相談ください。

↓24年6月にこちらもアップしました。別の視点からアプローチしています。ご参考になさってください。

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