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2025.5.31実施 日能研小5全国公開模試 国語 文章読解解説
今回は日能研の全国公開模試から、瀬尾まいこさんの随筆文と神戸遥真さんの物語文を取り上げて解説します。中学受験で頻出の文章タイプですので、しっかりポイントを押さえていきましょう。
大問4:瀬尾まいこ『そんなときは書店にどうぞ』(随筆文)
筆者が2019年に『そして、バトンは渡された』で本屋大賞を受賞した後のコロナ禍での体験を綴った随筆文です。書店の企画への感謝、在宅中の娘との生活、トランポリン購入の失敗談、そして娘が公園で出会った友達との絆について、ユーモアを交えながら語っています。
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筆者の主張・意見
- 書店員の努力と企画に対する尊敬と感謝
- インターネットの情報を鵜呑みにせず、自分で確かめることの大切さ
- コロナ禍での制約の中でも築かれた子どもたちの友情の価値
対比的な表現
- コロナ前の書店巡り ⇔ コロナ禍での外出自粛
- トランポリンの期待 ⇔ 実際の結果(荷物置きに)
- 在宅時間増加で本が売れるという期待 ⇔ 実際はそうでもない現実
段落構成
- 本屋大賞受賞後~コロナ禍の始まり
- 書店の企画への感謝
- 娘の休校と在宅生活の困難
- トランポリン購入の失敗談
- ダイエットダンスの失敗
- 本屋大賞が学校での信用につながった話
- 娘と友達の出会いと絆

理解しておきたい語句・表現
- 本屋大賞:書店員が売りたいと思った本に投票する賞
- 伝家の宝刀:最後の切り札、決定的な手段
- 「簡単には崩れないまぶしい光」:娘たちの強い絆の比喩表現
大問5:神戸遥真「ロマンスの全貌」(物語文)
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登場人物と人物像
「わたし」(主人公)
- 中学1年生の女子
- 今まで誰も好きになったことがない
- よく知らない人を好きになれない慎重な性格
- 中身がわからないものが苦手
- 自分は「ふつうじゃない」と思っている
陽向くん
- クラスの人気者
- 明るくて単純、素直な性格
- よくしゃべる
- 「わたし」に告白する積極性がある
- 相手のペースに合わせられる優しさがある

場面の変化
✓ 図書館で陽向くんと会話 ✓ 図書館を出て、告白を断った理由を説明 ✓ 陽向くんがおみくじクッキーを取り出す ✓ 「わたし」がクッキーを選ぶ
心情表現とその変化

比喩表現とその解説
★「簡単には崩れないまぶしい光」(四の文章) →娘たちの強い絆を光に例えている
主題
対照的な性格の二人が互いを理解し合い、心の距離を縮めていく過程で、主人公が自分の考え方を前向きに捉えるきっかけを得る物語
設問の解き方のポイント
随筆文(瀬尾まいこ)の問題
- 問二:書店の企画への思い → 文中の「尊敬しかなく」「光栄です」などの表現に注目
- 問三(3):トランポリンとダンスの共通点 → 「本当なんでも自分で確かめないとですね」がキーワード
- 問四:本屋大賞に助けられた出来事 → 具体的な場面(家庭調査の電話)を40~50字でまとめる
- 問五:「簡単には崩れないまぶしい光」の意味 → 娘たちの友情の強さと価値を表現
物語文(神戸遥真)の問題
- 問一:心情の理由 → 自分の緊張と陽向くんの冷静さの対比に注目
- 問四:「わたし」が謝る理由 → 陽向くんの期待と現実のギャップへの申し訳なさ
- 問七:文章全体の主題 → 対照的な二人の交流と主人公の変化に注目
まとめ
今回の日能研模試では、随筆文と物語文の両方が出題されました。瀬尾まいこさんの随筆文では「体験から学ぶことの大切さ」、神戸遥真さんの物語文では「自分らしさを受け入れる勇気」がテーマでした。
中学受験の国語では、筆者や登場人物の心情変化を丁寧に追うことが大切です。特に心情がプラスからマイナス、またはその逆に変化する場面は要注意!対比表現や比喩表現にも線を引きながら読み進めましょう。

