説明的文章(説明文・論説文)の読解は得意ですか?
個人的には「説明的文章大好き!」という小中学生は少ないように感じます。
どちらかと言えばむしろこの「説明的文章」が国語嫌いの根源になっている
生徒さんも多いですね。
説明的文章が苦手な原因は人によりさまざまですが、主には以下のようなケースが多いです。
①テーマ(題材)が小中学生の日常と離れていて理解しづらい。
②文中で使われている言葉が難しい、抽象的でわかりづらい。
③そもそも、読んでいて面白くない!・・・(笑
皆さんはいかがでしょうか?
①~③いずれか一つでも当てはまるようだったら要注意。
説明的文章を読むときの「視点」がずれている可能性が高い です!
読むときの視点とは何でしょう?
ではここから説明的文章読解の技法について詳しくご紹介してきましょう。
まずは説明文アレルギー解消を!
国語嫌いの生徒さんは特に「説明的文章(説明文・論説文)」が苦手な割合が多いです。
その原因として多いのが、以下の2点。
①内容(テーマ)が小中学生にとって身近でない
②使われている言葉が抽象的・専門的でわかりづらい
ではこの2点を克服するにはどうすればよいのでしょうか?
私が説明的文章を苦手にしている生徒におススメしているのは以下2つの方法です。
①親子でニュースやドキュメンタリー番組を見て親子で話をする
②説明的文章の「音読」をする
①については映像から情報を取り入れること、そして家族とそのテーマについて話すことによって
テーマそのものを生徒さんがイメージしやすくなり自分に関係すること、身近なこととしてとらえ
られるようになります。これが説明的文章克服の第一歩です。
そして意外に軽視されがちな「音読」。
「そんなの小学校の宿題でいつもやっているよ・・・」という声が聞こえてきそうですが、
入試問題や塾のテキストの説明的文章を音読することに意義があります。
説明的文章が嫌いな生徒の多くは、自分の理解できない言葉、馴染みのない言葉を無意識に
読み飛ばしている傾向があります。
理解できない言葉や馴染みのない言葉は「音読」をすることでつっかえるために
聞き手にはっきり伝わります。
そこを聞き逃さず、しっかり指摘し、辞書で意味を調べさせる。
このプロセスを繰り返すことでなじみの薄かった言葉を一つでも多く自分のモノにしていく
ことが説明的文章を読みやすくしていきます。
1日10分でも効果があります。是非、説明的文章の「音読」をしてみましょう。
こちら↓の記事で「音読」するために適した本をご紹介してあります。ご参考にどうぞ。
説明的文章を理解しやすくする「5つの型」
ここからは読解の基本テクニックについてご紹介していきます。
「同意表現」と「対比表現」
簡単に言えば「同じ意味」や「似た意味」の表現と「反対の意味」の表現を見つけることです。
入試問題で出題される文章ぐらいの分量なら筆者の言いたいことはおおむね一つか二つぐらいに
まとめられます。それを読者に効果的に伝えるために以下の2つの方法をとることが多いです。
①同じようなこと、似たようなことを繰り返し印象に残す
②反対のことと比較して目立たせる
同じあるいは似ている内容を述べている箇所にはアルファベットの「A」と書いて傍線を引く、
反対の箇所には「B」と書いて傍線を引く、などとしておくと筆者の主張がくっきりと
あぶりだされてきます。
「打消し」と「比較」
「A 『ではなく』 Bである」
といった打消し表現や
「A 『よりも』 Bなのだ」
といった比較を含む表現にも要注目。
筆者の言いたいこと「B」を強調するためにこのような表現をしていることが
ほとんどです。読者として重要なポイントを見逃さないためにも『~ではなく』や
『~よりも』といった打消し・比較表現を見つけたら丸で囲み、そのあとの表現に
傍線を引いておきましょう。
「逆接」
「しかし」「だが」「ところが」といった逆接の接続語も重要。
これは前述の「打消し」と似た効果があり、前後で反対あるいは対照的な内容を
述べることで目立たせる効果があります。
多くは後に述べることを強調するためにあえて筆者とは反対の見解を述べてから
本来筆者がのべたい意見を述べていきます。
特に「『たしかに』A『しかし』B 」の構文は有名ですね。
「たしかに Aという意見もある」・・・Aは筆者とは反対の見解。
「しかし 私はBと考える」・・・Bこそが最も強調したい筆者の意見。
このように整理して読むと筆者の意見を取りこぼすことが少なくなります。
上記の「B」(筆者の意見)の部分に傍線を引く練習を繰り返すとよいでしょう。
「定義」
説明的文章では抽象的な言葉や難解な言葉、専門的な言葉をかみ砕いて説明されることがあります。
この説明された言葉が本文で繰り返し使われる「キーワード」に当たるものであれば
その個所は集中して読むべきです。
例えば以下のようなフレーズには要注意。
「●●『とは』~である。」
「~『こそ』が●●である。」 ※●●が重要語句(キーワード)
上記の「~」部分に傍線を引いておくとよいでしょう。
「まとめ」と「意見文」
①まとめの表現 (「つまり」「こうして」「このように」・・・等)
具体例を挙げて説明をした後によく使われる表現です。
入試問題において具体例を挙げて説明する文が長く続くケースが良くありますが、
重要なのはこの具体例を説明し終わった後の「まとめ」の部分。
例えば・・・
・プラごみの問題(具体例1)
・CO2排出の問題(具体例2)
・オゾン層破壊の問題(具体例3)
「『このように』環境問題は年々多岐にわたり同時に深刻化している。」
まとめ表現(「つまり」「こうして」「このように」等)の後の部分には
傍線を引いておくとよいでしょう。
②意見文 (「~思う」「~べきだ」「~ではないか」「~だろう」・・・等)
文末が上記のような表現になる場合、筆者の主観的な意見を述べていることが多いです。
こういった表現は「~だ」「~である」といった断定的な言い方を回避して、
あくまで筆者の個人的な見解(主観)であることを示しています。
説明的文章で最も重要なことは筆者が個人的に考えていること(=つまり意見)を
正しく理解することです。
上記のような『断定回避』の文末になっている場合は筆者の意見が書かれていると
考えて傍線を引いておくとよいでしょう。
「5つの型」をどう使う?
説明文を読みやすくする「5つの型」は簡単に言ってしまえば、筆者が読者に特に理解してもらいたい
重要な部分を「印象に残す」ために使う表現だったり、文構造だったりするわけです。
以下のような3ステップを経て「5つの型」を自分の読解の武器にしていきましょう。
ステップ1:ひたすら「5つの型」に合致する場所を探し傍線を引く練習をする
ステップ2:「5つの型」に該当する箇所を繰り返し読み文章の全体像を把握する
ステップ3:設問に関連する箇所を「5つの型」に合致する箇所から探し解答作り活用する
自分が傍線を引いた箇所が適切かどうか、塾の先生にチェックしてもらうとよいかもしれません。
あるいは、本サイトのコメント欄、TwitterにDMいただいてもご質問にお答えできます。
よろしければお気軽にご連絡ください。
説明的文章が読めると「得」なんです!
ここまで読んでこられて、「苦手な説明的文章について一生懸命時間をかけて取り組むより、
好きな科目伸ばした方が効果的なのでは・・・」とお考えになった方、ちょっと待ってください!
説明的文章が得意になることには多くのメリットがあります。
①理科・社会の教科書・テキストの文章内容の吸収度が上がる!
②算数・数学の長い文章題、条件整理の問題が得意になる!
③読書が苦でなくなる⇒興味の幅が広がる!
④コミュニケーション能力が高まる(相手の話の理解が早くなる、整理して話せる)
等々、多くのメリットがあります。
国語、特に「説明的文章」の読解力はすべての学習の「土台」と言ってもよい
重要な項目なのです。
是非、ここまで紹介してきた手法を一つでも取り入れてみていただき、
説明的文章とじっくり向き合ってみてください!
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