東京都新宿区大久保にある海城中学高等学校は、1891年に開校した海軍予備校を源流とする私立男子校です。高校からの募集を行わない完全中高一貫校で、現代社会の課題を発見し、解決策を考えて伝える力を育てています。2026年春の大学合格実績では、東京大学に46名、うち現役42名が合格しました。この記事では、2026年度入試の結果、2027年入試用の偏差値、2026年春の大学合格実績、科目別の傾向と対策を、公表資料にもとづいてまとめて解説します。
(2026年8月更新/出典は海城中学高等学校の公式発表資料および四谷大塚などの公表データ)
海城中学校の2026年度入試結果データ
一般入試は2月1日と3日の2回でした。学校が2月12日に修正して公表した結果は次のとおりです。
| 一般入試① | 出願560名・受験494名・合格170名・実質倍率2.9倍 |
| 一般①合格点 | 最低244点・最高299点(400点満点) |
| 一般入試② | 出願1,413名・受験1,058名・合格349名・実質倍率3.0倍 |
| 一般②合格点 | 最低243点・最高317点(400点満点) |
| 帰国生A方式 | 受験91名・合格35名・実質倍率2.6倍 |
| 帰国生B方式 | 受験52名・合格19名・実質倍率2.7倍 |
一般①の合格最低点244点は400点満点の61パーセント、一般②の243点は約61パーセントです。学校は一般②理科の問題文の不備を受けて答案を再精査し、結果を修正しました。この記事では修正版の公式数値を採用しています。
海城中学校の試験科目と配点
一般入試は国語、算数、社会、理科の4科目で、合計400点満点です。国語と算数の比重が高くなっています。
| 国語 | 50分・120点 |
| 算数 | 50分・120点 |
| 社会 | 45分・80点 |
| 理科 | 45分・80点 |
| 合計 | 190分・400点 |
4科とも資料や条件を読み、自分で考えた過程を表す問題が含まれます。単純な知識の暗記や解法パターンの再現だけでは得点が安定しません。
2027年度の一般入試①は2月1日、一般入試②は2月3日です。募集人員は各回男子145名です。学校公式ページが2027年度の日程を公表しており、詳細な出願期間は今後の募集要項でも確認してください。
海城中学校の偏差値(2027年入試用)
主要模試が公表した合格可能性80パーセントの目安は次のとおりです。
| 四谷大塚 Aライン80偏差値 | 一般①65・一般②67 |
| 日能研 予想R4 | 一般①65・一般②67 |
| SAPIX 80偏差値 | 一般①58・一般②61 |
2月3日の一般②は、2月1日校の受験生も集まるため、各模試の目安が一般①より高くなっています。模試ごとに受験者層と算出方法が異なるので、異なる模試の数字を直接比較しないでください。
海城高校の大学合格実績【2026年春・最新】
2026年春の卒業生は、日能研の学校情報では313名です。学校が2026年4月30日現在で公表した主な合格者数は次のとおりです。
| 東京大学 | 46名(現役42名・既卒4名) |
| 京都大学 | 9名(現役7名・既卒2名) |
| 一橋大学 | 11名(現役7名・既卒4名) |
| 東京科学大学 | 13名(現役10名・既卒3名) |
| 国公立大学・大学校医学部医学科 | 55名(現役34名・既卒21名) |
| 早稲田大学 | 157名(現役125名・既卒32名) |
| 慶應義塾大学 | 119名(現役89名・既卒30名) |
| 上智大学 | 41名(現役33名・既卒8名) |
| 東京理科大学 | 144名(現役103名・既卒41名) |
国公立大学・大学校の合格者は延べ175名で、うち現役127名でした。医学部医学科55名には東京科学大学医学部6名や防衛医科大学校8名などが含まれます。
卒業生数313名は学校公式資料で確認できなかったため、日能研の公表値を参照しています。大学別の数字は学校公式発表を優先し、私立大学は重複合格を含む延べ人数です。
海城中の歴史と沿革
1891年に古賀喜三郎が海軍予備校を創設し、1900年に海城学校へ改称しました。戦後の学制改革を経て中学校と高等学校を設置し、1990年代から中高一貫教育の改革を本格化しました。
現在は高校募集を行わず、中学からの6年間で学ぶ完全中高一貫校です。旧来の知識中心の進学校像にとどまらず、社会と関わりながら課題を考える教育へ転換してきました。
海城中の教育方針と校風
海城は、課題を発見し、調査し、解決策を考えて他者に伝える「新しい人間力」と「新しい学力」を重視しています。知識は答えを覚えるためだけでなく、現実の問題を考える道具として使います。
社会科のプロジェクトアドベンチャーやドラマエデュケーション、理科の実験、探究型の授業などを通して、他者の立場を理解し、自分の考えを言葉にする機会があります。
男子校らしい活気がある一方、異なる意見を聞き、協力して課題へ向かう姿勢が求められます。自由に考えることと、根拠を示して説明する責任を一体として学ぶ校風です。
海城中の施設・学習環境
JR新大久保駅から徒歩約5分の校地に、教室棟、理科館、図書館、講堂、体育館、グラウンドなどがあります。都心にありながら、実験、運動、文化活動を校内で行える環境です。
校舎整備も継続しており、新5号館の計画が進められています。施設の利用開始時期や工事に伴う変更は、学校公式サイトの案内で確認してください。
海城中の部活動・課外活動
運動部、文化部、同好会が幅広く、生徒は学年を越えて活動します。大会や発表を目指すだけでなく、自分たちで計画を立て、役割を分担する経験が学校生活の一部です。
グローバル教育では、海外研修や交流に加え、国内でも多文化共生や社会課題を考える機会があります。海外へ行くこと自体を目的にせず、異なる背景を持つ人と対話する力を育てます。
海城中の年間行事・学校生活
代表的な行事には海城祭、体育祭、宿泊行事、校外学習などがあります。海城祭では文化部の発表、研究展示、クラス企画などが行われ、生徒が準備と運営を担います。
行事では、企画を実現するために意見の違いを調整することも学びになります。実施時期や内容は年度によって変わるため、受験年度の年間行事予定を確認してください。
海城中学校の入試問題の傾向と対策
国語の入試傾向と対策
国語は50分・120点です。説明的文章と文学的文章を中心に、選択、抜き出し、記述、漢字・語句が出されます。文章の内容を理解するだけでなく、問いに合わせて要点を組み直す力が必要です。
記述では、本文の一文をそのまま抜き出すだけでは答えにならない問題があります。理由なら原因と結果、心情ならきっかけと変化、説明なら対比される二つの内容を確認し、必要な関係が伝わる一文にします。
選択肢は細部の言い換えが巧みです。本文にない程度の強調、主語の入れ替え、因果関係の逆転がないかを一つずつ検討してください。正解を感覚で選ぶのではなく、誤りの箇所を言葉で示す練習が有効です。
漢字や語句は、読解から切り離さず文脈の中で意味を確かめてください。
海城は、自分の頭で考え、考えたことを表現する受験生を求めると説明しています。過去問の復習では模範解答の表現を暗記せず、どの根拠をどう結びつければ採点者に伝わるかを検討してください。
算数の入試傾向と対策
算数は50分・120点です。数の性質、速さ、場合の数、平面・立体図形などが出され、途中の考え方を記す問題があります。条件を図や表に整理し、部分点を得られる過程を残してください。
理科の入試傾向と対策
理科は45分・80点です。実験、観察、グラフから規則を見つけ、理由や計算過程を示す問題が出されます。2026年度一般②では問題文の不備により再精査が行われたため、公開された修正版の扱いにも注意してください。
社会の入試傾向と対策
社会は45分・80点です。地理、歴史、公民を一つのテーマで結び、統計、史料、地図を読みながら記述させます。知識を覚えるときに、背景、原因、影響まで説明できるようにしてください。
まとめ 次年度入試に向けて
海城中学校は、知識を関連づけて社会の課題を考え、伝える力を重視する学校です。受験生と保護者の方が押さえておきたい要点は次の3点です。
- 2026年度一般①は受験494名・合格170名、一般②は受験1,058名・合格349名で、実質倍率はいずれも約3倍だったこと
- 2027年度は2月1日と3日の2回で、国語・算数各120点、理科・社会各80点の4科入試であること
- 暗記や解法の再現だけでなく、複数の知識を関連づけて考えを表現する練習が必要であること
国語では、本文の根拠を集めるだけでなく、設問が求める関係へ組み直す力が合否を左右します。記述答案は、結論、根拠、両者のつながりの3点で点検してください。

