東京都千代田区九段北にある白百合学園中学高等学校は、シャルトル聖パウロ修道女会を設立母体とするカトリックの私立女子校です。1881年に東京で始まった教育の伝統を受け継ぎ、「従順・勤勉・愛徳」を校訓として、英語とフランス語を含む国際教育を進めています。2026年春は東京大学に4名が合格し、4名とも現役でした。この記事では、2026年度入試の結果、2027年入試用の偏差値、2026年春の大学合格実績、科目別の傾向と対策を、公表資料にもとづいてまとめて解説します。
(2026年8月更新/出典は白百合学園中学高等学校の公式発表資料および四谷大塚などの公表データ)
白百合学園中学校の2026年度入試結果データ
2026年度一般入試は2026年2月2日に実施されました。学校が公表した結果は次のとおりです。
| 入試日 | 2026年2月2日 |
| 募集人員 | 女子約60名 |
| 応募者数 | 225名 |
| 受験者数 | 174名 |
| 合格者数 | 93名、追加合格9名 |
| 実質倍率 | 約1.9倍(追加合格を除く) |
| 合格最高点 | 305点/350点 |
| 合格最低点 | 211点/350点 |
実質倍率は受験者174名を当初合格者93名で割ると約1.87倍です。合格最低点211点は得点率約60.3パーセントでした。追加合格者を含めた場合の倍率とは基準が異なるため、ここでは学校の当初合格者数を使っています。
白百合学園中学校の試験科目と配点
2026年度の一般入試は4科目で、合計350点満点でした。2027年度からは従来の4科方式に加え、外国語を利用する方式が導入されます。
| 国語 | 40分・100点 |
| 算数 | 40分・100点 |
| 理科 | 30分・75点 |
| 社会 | 30分・75点 |
| 4科合計 | 140分・350点 |
| 2027年度B方式 | 国語40分・100点、算数40分・100点、英語またはフランス語40分・150点 |
2027年度一般入試は2027年2月2日に実施され、A方式とB方式を合わせて70名を募集します。A方式は4科、B方式は国語、算数、外国語の3科です。2026年8月時点の公式発表では、選考方法はそれぞれの筆記試験合計点によるとされています。
白百合学園中学校の偏差値(2027年入試用)
2027年入試に向けた4科方式の合格可能性80パーセントの目安は次のとおりです。
| 四谷大塚 Aライン80偏差値 | 60 |
| 日能研 予想R4 | 61 |
| 外国語利用B方式 | 主要模試の公表値を確認できず |
B方式は2027年度から始まるため、4科方式の偏差値をそのまま当てはめることはできません。外国語150点の比重が大きく、国語と算数も共通問題で各100点あります。受験方式は得意科目だけでなく、350点全体の得点見込みで選んでください。
白百合学園高校の大学合格実績【2026年春・最新】
2026年3月の卒業生は155名です。学校公表資料をもとにした日能研などの集計では、主な合格実績は次のとおりです。括弧内が現役合格者数です。
| 東京大学 | 4名(現役4名) |
| 京都大学 | 2名(現役2名) |
| 一橋大学 | 0名 |
| 東京科学大学 | 3名(現役1名) |
| 国公立大学・大学校医学部医学科 | 9名(現役5名、二次資料による) |
| 早稲田大学 | 24名(現役20名) |
| 慶應義塾大学 | 31名(現役29名) |
| 上智大学 | 39名(現役31名) |
| 東京理科大学 | 19名(現役18名) |
国公立大学・大学校医学部医学科9名には防衛医科大学校を含む二次資料の集計です。大学別に更新時点が異なり、慶應義塾大学は外部集計に30名と31名の差も見られました。ここでは日能研が学校資料からまとめた31名を採用しています。
私立大学の人数は延べ合格者数です。一人が複数の大学や学部に合格する場合があるため、表の合計は進学者数にはなりません。
白百合学園中の歴史と沿革
設立母体は、17世紀のフランスで生まれたシャルトル聖パウロ修道女会です。1878年に3名のフランス人修道女が函館へ来日し、1881年に東京・神田猿楽町で学校を始めました。
1947年の学制改革で白百合学園中学校が設立され、現在は幼稚園、小学校、中学校、高等学校からなる学園です。中学校では小学校からの内部進学者と一般入試の入学者がともに学びます。
白百合学園中の教育方針と校風
校訓は「従順・勤勉・愛徳」です。ここでいう従順は、正しいことに耳を傾けて自ら選ぶ姿勢を指し、勤勉は与えられた力を磨くこと、愛徳はその力を人のために用いることにつながります。
- 祈りと宗教教育を通して、自分と他者の尊厳を学ぶこと
- 探究的な学びから、自分で問いを立てて表現すること
- 英語とフランス語、国際交流を通して視野を広げること
中学1年から高等学校1年までは基礎学力と体力を育て、高校2年から文系、理系、芸術系の進路に応じて学びます。知識の習得だけでなく、自分の使命を考える全人教育を目指しています。
白百合学園中の施設・学習環境
九段北の校地には、普通教室、聖堂、講堂、図書室、理科実験室、音楽や美術の特別教室、体育施設があります。飯田橋駅と九段下駅から徒歩で通学できる都心の環境です。
探究講座では大学教員や外部講師から専門分野を学ぶ機会があります。外国語では英語に加えてフランス語を学び、海外研修や留学、海外大学に関するガイダンスも行います。
白百合学園中の部活動・課外活動
運動部、文化部、宗教活動に関わる団体があり、中学生と高校生が一緒に活動します。囲碁、音楽、美術、語学、運動競技など、興味に応じて選べます。
生徒会や学園祭の有志活動では、生徒が相談して企画を進めます。奉仕活動や募金などを通して、学校で学んだ愛徳を具体的な行動へ移す機会もあります。
白百合学園中の年間行事・学校生活
入学式、学園記念日感謝ミサ、合唱祭、学園祭、体育行事、クリスマス行事、修学旅行などが行われます。宗教行事では、学校の歴史と日々の生活を振り返ります。
探究講座、芸術鑑賞、語学研修、進路行事も年間計画に組み込まれます。生徒は発表や共同作業を通して、自分の考えを相手に伝え、異なる意見を調整する経験を重ねます。
白百合学園中学校の入試問題の傾向と対策
国語の入試傾向と対策
国語は40分・100点です。説明的文章と文学的文章を中心に、漢字や語句、読解、記述を限られた時間で処理します。2027年度はA方式とB方式で国語が共通問題になるため、外国語利用でも国語の重要性は変わりません。
記述では、人物の心情や筆者の考えを本文の言葉にもとづいて説明します。物語文では、発言の前後にある行動や情景を確認し、心情が変わった理由まで書きます。説明的文章では、具体例をそのまま答えにせず、例が示す共通点を言い換えます。
40分で答案を完成させるには、設問の要求を先に短く整理することが必要です。「なぜか」「どのようなことか」「どう変化したか」を区別し、必要な根拠だけを選びます。字数に余裕があっても、同じ内容の言い換えを重ねないようにします。
過去問の復習では、正誤だけでなく、本文のどの範囲を使う設問だったかを確認してください。解答を書き直す際には、主語、結論、理由の順で読み直し、第三者にも関係が伝わる答案へ整えます。
算数の入試傾向と対策
算数は40分・100点です。計算、割合と比、速さ、規則性、平面図形、立体図形などから出題されます。合格者の得点差は算数で広がる年があるため、標準問題の取りこぼしを減らすことが重要です。
条件を図や表に置き換え、途中式を残してください。解けない問題に時間を使い続けず、得点できる問題を一巡してから戻る順序を決めます。
理科の入試傾向と対策
理科は30分・75点です。物理、化学、生物、地学から広く出され、実験や観察、図表から考える問題を含みます。
短い時間で資料を読むため、軸、単位、条件を先に確認します。知識は現象の理由と結びつけ、計算では答えが常識的な範囲にあるかを見直してください。
社会の入試傾向と対策
社会も30分・75点です。地理、歴史、公民を横断し、地図、統計、史料、時事的なテーマを用いて問います。
知識を用語だけで覚えず、原因、変化、影響を一続きに整理してください。資料問題では年代と単位を見て、知識より先に資料から言える範囲を確かめます。
まとめ 次年度入試に向けて
白百合学園中学校は、カトリックの価値観と国際教育を通して、学んだ力を人のために使う女性を育てる学校です。受験生と保護者の方が押さえておきたい要点は次の3点です。
- 2026年度一般入試は受験者174名、合格者93名で、合格最低点は211点だったこと
- 2027年度は2月2日に、4科のA方式と英語またはフランス語を使うB方式を実施すること
- B方式でも国語と算数が各100点あり、基礎2科目の得点力が必要であること
国語では、本文の根拠を拾うだけでなく、問いに応じて関係を説明する力が必要です。40分の演習と、時間をかけた答案の書き直しを組み合わせてください。
