東京都千代田区一番町にある女子学院中学校・高等学校は、1870年に始まるキリスト教主義の私立女子校です。朝の礼拝を教育の土台とし、制服や細かな校則で行動を縛らず、生徒が自ら考えて責任を負う校風を受け継いでいます。2026年春は東京大学に28名が合格し、学校公表値ではそのうち25名が現役でした。この記事では、2026年度入試の結果、2027年入試用の偏差値、2026年春の大学合格実績、科目別の傾向と対策を、公表資料にもとづいてまとめて解説します。
(2026年8月更新/出典は女子学院中学校・高等学校の公式発表資料および四谷大塚などの公表データ)
女子学院中学校の2026年度入試結果データ
2026年度は2月1日が日曜日だったため、入試は2026年2月2日に実施されました。学校が公表している出願者数と、四谷大塚が公表した結果を合わせると、次のとおりです。
| 入試日 | 2026年2月2日 |
| 募集人員 | 女子240名 |
| 出願者数 | 1,088名 |
| 受験者数 | 947名 |
| 合格者数 | 329名 |
| 実質倍率 | 約2.9倍 |
| 合格最高点 | 公表資料で確認できず |
| 合格最低点 | 公表資料で確認できず |
実質倍率は、受験者947名を合格者329名で割ると約2.88倍です。女子学院は受験者数、合格者数、合格点を公式サイトで公表していないため、人数は四谷大塚の学校別データで補っています。確認できない得点を推定して掲載することはしません。
女子学院中学校の試験科目と配点
筆記試験は4科目で、すべて40分・100点です。その後、受験生5名程度のグループ面接が約10分行われます。
| 国語 | 40分・100点 |
| 社会 | 40分・100点 |
| 理科 | 40分・100点 |
| 算数 | 40分・100点 |
| 筆記合計 | 160分・400点 |
| 面接 | グループ面接・約10分 |
4科目の配点が同じため、苦手科目を他科目だけで補う受験計画は安定しません。40分で知識問題と記述問題を処理する速さも必要です。
2027年度入試は2027年2月1日に実施され、募集人員は240名です。学校は4科目の筆記試験、グループ面接、報告書によって選考すると公表しています。出願期間などを含む詳細要項は2026年10月1日の掲載予定です。
女子学院中学校の偏差値(2027年入試用)
2027年入試に向けた主要模試の合格可能性80パーセントの目安は次のとおりです。
| 四谷大塚 Aライン80偏差値 | 67 |
| 日能研 予想R4 | 67 |
| SAPIX 80偏差値 | 61 |
模試ごとに受験者層と算出方法が異なるため、数値を横に並べて優劣を判断することはできません。同じ模試での推移に加え、4科目を各40分で解いたときの過去問得点を確認してください。SAPIXの数値は、リセマム掲載のSAPIX提供データです。
女子学院高校の大学合格実績【2026年春・最新】
2026年3月の卒業生は215名です。学校が公表した主な大学合格実績は次のとおりで、括弧内に現役合格者数を示します。
| 東京大学 | 28名(現役25名) |
| 京都大学 | 7名(現役5名) |
| 一橋大学 | 5名(現役5名) |
| 東京科学大学 | 11名(現役11名) |
| 国公立大学医学部医学科 | 一括集計は公表資料で確認できず |
| 早稲田大学 | 155名(現役134名) |
| 慶應義塾大学 | 82名(現役66名、医学部以外) |
| 上智大学 | 70名(現役59名) |
| 東京理科大学 | 114名(現役93名) |
東京大学28名のうち25名が現役で、現役合格者は卒業生の約11.6パーセントです。国公立大学医学部医学科は学校の表に大学別の記載がありますが、公式の一括集計を確認できないため、ここでは合計値を示していません。
私立大学の数字は延べ合格者数であり、一人が複数の大学や学部に合格した場合を含みます。合格者数を足して卒業後の進学者数とみなすことはできません。
女子学院中の歴史と沿革
女子学院の起源は、ジュリア・カロゾルスが1870年に築地居留地で始めたA六番女学校です。その精神は新栄女学校や原女学校へ受け継がれ、1890年に桜井女学校と新栄女学校が合併し、「女子学院」として現在地に発足しました。
初代院長は矢嶋楫子です。1920年に高等科を東京女子大学へ統合して以降、中学校と高等学校の6年間を一貫して育てる学校として歩んでいます。
女子学院中の教育方針と校風
教育の基盤はキリスト教精神です。一日は生徒と教職員が参加する朝の礼拝から始まり、聖書の言葉や祈りを通して、自分と他者の生き方を考えます。
- 一人ひとりを、かけがえのない人格として尊重すること
- 高い知性と志をもち、自らを治める女性を育てること
- 自分の力を他者と社会に役立てる姿勢を育てること
制服を定めず、細かな校則をできるだけ設けないのは、自由と責任を切り離さない教育の表れです。生徒会や委員会では、与えられた規則に従うだけでなく、自分たちの学校生活に必要なことを話し合います。
女子学院中の施設・学習環境
千代田区一番町の校舎には、普通教室、図書館、講堂、理科実験室、音楽や美術の特別教室などがあります。都心にあり、東京メトロ半蔵門駅や市ケ谷駅、麹町駅から通学できます。
授業週5日制を維持しながら、6年間の一貫した教育課程で学びます。放課後や土曜日をクラブ、自主学習、校外での経験に使い、生徒が時間の使い方を考える環境を整えています。
女子学院中の部活動・課外活動
運動系、文化系のクラブや同好会があり、生徒の自主的な運営を重視しています。活動内容や発表方法について部員が相談し、上級生から下級生へ技術と役割を引き継ぎます。
キリスト教教育に関わる活動や奉仕の機会もあります。クラブ活動は実績だけを目的とするのではなく、異なる学年の生徒と協力し、自由な場で責任を果たす経験になっています。
女子学院中の年間行事・学校生活
入学式、創立記念礼拝、体育祭、修学旅行、クリスマス礼拝などが行われます。秋の文化祭はマグノリア祭と呼ばれ、クラブや同好会、個人参加団体が長い期間をかけて展示や公演を準備します。
礼拝や行事も、生徒が学校の成り立ちと社会との関わりを考える機会です。行事の準備では、意見を述べるだけでなく、決定した役割を最後まで担う姿勢が求められます。
女子学院中学校の入試問題の傾向と対策
国語の入試傾向と対策
国語は40分・100点です。文章量に対して試験時間が短く、説明的文章、文学的文章、詩や韻文などを組み合わせた出題が見られます。選択や抜き出しだけでなく、自分の言葉で理由や内容を説明する記述問題が得点を左右します。
字数指定がない、または解答欄から適切な長さを判断する設問もあります。その場合でも長く書けばよいわけではありません。設問が尋ねる対象を主語として置き、本文中の根拠と、その根拠から導ける説明を過不足なくつなぐ必要があります。
説明的文章では、対比される考えと筆者の結論を整理します。物語文では、人物の発言だけで心情を決めず、行動、場面の変化、他者との関係を合わせて読みます。詩が出た場合には、表現技法の名前だけでなく、その表現が読み手に何を感じさせるかまで言葉にしてください。
過去問では、最初から40分で解くだけでなく、根拠を確認して答案を直す復習を重視します。答案ごとに「何を答える設問か」「どの言葉を根拠にしたか」「結論と理由がつながっているか」を点検すると、短い時間でも崩れない書き方が身につきます。
算数の入試傾向と対策
算数も40分・100点です。基本的な計算から、速さ、割合、規則性、平面図形、立体図形まで幅広く出されます。問題数に対して時間が限られるため、解ける問題を見極める判断が必要です。
途中式や考え方を残し、条件を図や表に置き換える練習をしてください。難しい一問に時間を使いすぎず、前半の標準問題を正確に得点することが合格点を安定させます。
理科の入試傾向と対策
理科は40分・100点で、物理、化学、生物、地学から幅広く出題されます。身近な現象や実験を題材に、表やグラフから規則を読み取り、理由を説明する問題が含まれます。
用語暗記に加え、実験の目的、変える条件、そろえる条件を説明できるようにしてください。計算問題では単位を先にそろえ、結果が現象として妥当かを確かめます。
社会の入試傾向と対策
社会は40分・100点で、地理、歴史、公民を横断して問います。資料、地図、統計、文章を読み、知識を使って考える問題が多く、記述でも理由や背景を求められます。
用語を単独で覚えるのではなく、出来事の原因と結果、地域の特色と産業を結びつけて整理してください。時事的な題材は、日々のニュースを覚えるだけでなく、教科書の知識とどう関係するかを確認します。
まとめ 次年度入試に向けて
女子学院中学校は、キリスト教精神のもとで自由と責任を重んじ、自ら判断して行動する女性を育てる学校です。受験生と保護者の方が押さえておきたい要点は次の3点です。
- 2026年度は2月2日入試となり、二次資料では受験者947名、合格者329名、実質倍率約2.9倍だったこと
- 2027年度は2月1日に戻り、4科目がすべて40分・100点で、グループ面接も行われること
- 4科目を同じ配点で評価するため、苦手科目を残さず、短時間で処理する力を整える必要があること
国語では、解答欄の大きさに頼って書き始めず、設問の要求と本文の根拠を先に整理してください。根拠を短い説明へ組み立てる練習が、40分の試験で安定した得点につながります。

