中学受験をする際に、学校選びに役立つのが中学受験案内本です。しかし、出版社によって特徴が異なるため、どの本を選べばいいのか迷ってしまいますよね。
過去問で有名な「声の教育社」の「中学受験案内」は、首都圏の私立・国立中学校の情報を網羅的に掲載した受験情報誌です。過去問題集を出版する経緯で各学校のことを調べ尽くしているだけ合って、各校の詳細な情報を見開き2ページで紹介しており、偏差値や立地を考慮した併願校リストも掲載されているため、志望校選びに必要十分な情報が掲載されています。学校からのアンケート回答や誌面チェックをもとに蓄積した膨大な情報を惜しみなく紙面に反映しています。 各校の教育理念、カリキュラム、施設、行事、部活動、併設高校の進路、入試要項・応募状況、学費など、情報量が非常に豊富です。また、大手模試3社(四谷大塚・首都圏模試・サピックス)の偏差値データも全て公開しており、自分の学力レベルを客観的に把握できます。 過去問題の解説や、中学受験のプロが作成した電車の乗り継ぎまで考慮した併願校リストなど、受験対策に特化した情報も充実しています。声の教育社版の特徴は以下の通りです。
声の教育社の中学受験案内は、情報量の多さと受験対策に特化した内容が特徴です。首都圏の学校を幅広く検討したい人や、併願校選びに悩む受験生におすすめの一冊と言えるでしょう。
晶文社の「首都圏中学受験案内2025」は、首都圏の私立・国立中学、私立・公立中高一貫校約370校の情報を掲載した総合版の受験案内です。 60年の歴史をもつ中高一貫校選びの決定版として知られています。本書の大きな特長は、従来の偏差値による合格基準に加えて、首都圏中学模試センターが開発した「思考コード」を採用していることです。 「思考コード」は、入試問題が求める思考力・論理力・創造力のレベルを可視化した新しい学力評価基準で、偏差値だけでは測れない能力を評価できるのが特徴です。各校の情報は、教育理念、カリキュラム、施設、行事、部活動、併設高校の進路、入試要項・応募状況、学費など多岐にわたります。 大学合格状況は最新2024年春を含む過去4年分を掲載しているため、併設高校の進路実績も詳しくチェックできます。受験生に役立つ情報としては、各試験の入試日とレベルが一望できる「試験日別偏差値表」や、中学受験を決めてから入学までの流れを解説した「首都圏中学受験ガイドブック」などがあります。さらに、晶文社オリジナルの特典として、学校検索や入試スケジュール管理ができる「受験生応援アプリ」が用意されています。 本書のデータをもとに、志望校の偏差値や教育の特色、部活動などをアプリで検索できるほか、自分だけの受験カレンダーをスマートフォンで管理できるのが便利です。以上のように、晶文社の「首都圏中学受験案内2025」は、首都圏の学校情報を幅広く掲載しているだけでなく、「思考コード」による新しい評価基準や充実した受験対策情報が特長の一冊と言えるでしょう。
サピックスの「2025年度入試用中学受験ガイド」は、サピックス小学部が発行する中学受験情報誌です。 本書の大きな特長は、サピックスが独自に算出した「サピックス偏差値」を用いて、首都圏の私立・国立中学校約370校の合格可能性を判定していることです。「サピックス偏差値」は、サピックスの模擬試験の結果をもとに算出された学力指標で、偏差値と合格率の関係を示しています。 サピックス偏差値はかなりの高学力層が集まりますので、難関校の判定は精密に出せる一方で、中堅層の志願者が少なく客観的名判断が難しいケースも多くなります。また、各校の出題傾向と対策を詳しく解説しているのも特徴です。 算数・国語・理科・社会の4教科について、頻出単元や問題形式、配点傾向などを分析し、具体的な学習アドバイスを提供しています。その他、巻頭特集「合格への近道」では、サピックス講師陣による受験アドバイスや体験記を掲載。 中学受験の最新動向や、合格するための勉強法、面接対策など、受験生に役立つ情報が満載です。以下に、サピックス「2025年度入試用中学受験ガイド」の主な特長をまとめました。
サピックスの中学受験ガイドは、サピックス生はもちろん、他塾に通う受験生にとっても有益な情報が詰まった一冊です。特に、難関中学を中心に志望校の詳細データと合格見込みの分析を行いたい場合におすすめです。
以上のように、中学受験案内本は出版社によって特徴が異なります。情報量の多さでは声の教育社版。詳細な学校情報と併願校リストが特徴で、受験対策に役立ちます。コンパクトさやスマホとの連携を重視するなら 晶文社版。60年の歴史があり、偏差値だけでなく思考力の評価基準「思考コード」を採用しているのが特徴です。 難関校を中心に調べるならサピックス版。「サピックス偏差値」や過去問題の傾向と対策など、受験対策に特化した情報が充実しています。
このようにどの本を選ぶかは、求める情報の種類や志望校の傾向によって異なります。可能であれば複数の本を比較して情報を補完することで、より多角的に学校を評価することができます。受験生の皆さんには、自分に合った中学受験案内本を活用して、志望校選びに役立ててほしいと思います。