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24年 7/15(月)実施 早稲アカ 第3回NN早実中オープン 国語読解アドバイス

大問1 物語文

あらすじ

優生という少年が、いじめが原因で不登校になっています。ある日、曾祖父の清次の具合が悪いと聞き、家族で瀬戸内の島を訪れます。清次は優生を連れて大天狗神社に参拝に行きます。その道中で、清次は自分の息子(優生の祖父)の悲しい過去や、父親の話をします。神社参拝を通じて、清次は優生に人生の教訓を伝えようとします。

登場人物と人物像

登場人物相関図

  • 優生:主人公。いじめが原因で不登校になっている。心に傷を抱えている。
  • 清次:優生の曾祖父。95歳。人生経験豊富で、優生に人生の教訓を伝えようとする。
  • 茉由:優生の妹。
  • 優生の祖父:清次の息子。35歳で事故により亡くなる。
  • 毅:教師。石が好きで、民俗文化財の研究をしていた。優生の祖父の死後、毎日大天狗神社に参拝していた。

心情表現とその変化

  1. 物語の始め:優生は無表情で、心を閉ざしている状態。
    • 「優生はさっきからずっと黙り込んだままだ。表情のないその顔からは彼がなにを思っているのかはわからない」
  2. 清次の昔話を聞きながら:少しずつ関心を示し始める。
    • 「優生がぽつりと問いかける」
  3. 大天狗神社に到着:驚きと興味を示す。
    • 「優生は虚をつかれたようにその場で棒立ちになる」
  4. 帰り道での清次の言葉:心が動き始める。
    • 「優生の太腿に力が入り、両膝が小刻みに震えている」

比喩表現とその解説

  1. 「石を引く糸みたいじゃった」:死んだ息子の姿を赤ちゃんに例えている。無力さと悲しみを表現。
  2. 「鳥の秋のごとく虐めいている」:遠くから見た民家の屋根瓦を鳥の羽に例えている。美しい景色を表現。
  3. 「紐を繋ぎ止める細い紐を、ぎゅっと握りしめるみたいに」:茉由が清次の手を取る様子。直前の「白い空に吸い込まれ」「清次自身が空に溶けていきそう」などの表現から比ゆ表現としての「風船の紐」であると判断します。

主題

この物語の主題は「人生の困難を乗り越える勇気と家族の絆」です。清次は自身の経験と息子の死という悲しい出来事を通じて、優生に大切な教訓を伝えようとしています。「逃げてもいいが、逃げ続けることはできない」という言葉には、困難から逃げずに立ち向かう勇気の大切さが込められています。

難しい言葉・表現の解説

  • 「養生」:からだを大切にして病気にならないように気をつけること。ここでは人物の名前。
  • 「ご利益」:神仏のめぐみ。願いがかなうこと。
  • 「勾配」:坂や斜面の傾斜の度合い。
  • 「注連縄」:しめなわ。神聖な場所を示すために張られる縄。
  • 「引き絞られる」:強く締めつけられるような感じがすること。

注意して読みたい部分

  1. 清次が優生を大天狗神社に連れて行った理由: 優生の心の傷を癒し、人生の教訓を伝えるため。茉由の父親の例を通じて、困難を乗り越える強さを身につけてほしいと考えていたと推測できます。
  2. 「逃げてもいいが、逃げ続けることはできない」という言葉の意味: 人生には困難がつきものだが、一時的に逃げることはあっても、ずっと逃げ続けることはできない。いつかは問題に向き合い、乗り越えていく必要があるという教えです。
  3. 優生が最後に小便をしたくなった理由: 清次の言葉に心を動かされ、長い間抑えていた感情が解放されたことを象徴していると考えられます。新しい一歩を踏み出す準備ができたことを暗示しています。

この物語は、家族の絆と人生の教訓を通じて、主人公優生の心の成長を描いています。清次の言葉や行動、そして大天狗神社への参拝という体験を通じて、優生が少しずつ心を開いていく様子が丁寧に描かれています。物語の細かな描写や登場人物の言動に注目しながら読むことで、より深い理解につながります。

大問2 説明文

文章の要約

この文章は、日常生活の中で発見できる有用な知識の重要性について述べています。筆者は、本に書かれていない知識が多くあり、それらを見つけ出し、整理することの大切さを強調しています。旅行かばんの手入れ、包丁の手入れ、健康法など、様々な例を挙げながら、こうした知識を集め、整理することの意義を説いています。

筆者の主張・意見

  1. 本に書かれていない有用な知識が多く存在する。
  2. 日常生活の中で、このような知識を見つけ出すことが重要である。
  3. 断片的な知識でも、整理し集めることで価値が生まれる。
  4. 知識を集める心がけが大切で、それによって自然に知識がまとまっていく。

問いかけに対する答えに注目

文章中に直接的な問いかけとその答えは見られませんが、以下のような疑問に対する答えが含まれています:

  • なぜ日常的な知識が広まらないのか? → 業者の利益になるため、積極的に教えられない場合がある。
  • どうすれば知識を集められるのか? → 日常生活で注意深く観察し、聞いた話を書き留めるなど。

段落構成

  1. 導入:本に書かれていない知識の存在
  2. 例1:旅行かばんの手入れ
  3. 例2:革製品の手入れ(バナナの皮の利用)
  4. 例3:包丁の手入れ
  5. 健康に関する知識の重要性
  6. 例4:長寿会会長の健康法
  7. 例5:アメリカの社会学者の研究(誕生日と死亡率の関係)
  8. 例6:老人ホームでの外国語学習
  9. 結論:断片的な知識を集める重要性

注意したい言葉・表現

  • 「タンニン」:植物に含まれる渋み成分で、皮をなめす際に使われる物質
  • 「断片的」:バラバラの小さな部分
  • 「耳学問」:人から聞いて覚えた知識のこと
  • 「危篤」:病気が重く、生命の危険が迫っている状態
  • 「勲章」:功績のあった人に贈られる栄誉の印

知識の収集と整理のプロセス

日常生活での観察や体験から知識を発見し、それを整理していく流れを示しています。具体例として、文章中で挙げられている旅行かばんの手入れ、包丁の手入れ、健康法などが含まれています。

この文章を読むポイントは、筆者が強調する「本に書かれていない知識」の重要性と、それを日常生活の中で見つけ出し、整理することの意義を理解することです。また、具体例を通じて筆者の主張がどのように裏付けられているかを考察することも大切です。

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