女子学院中学校・高等学校は、東京都千代田区に位置するプロテスタント系の女子校で、1870年に創立されました。校則が少なく制服も任意という自由な校風が特徴で、生徒たちは自主性を尊重されながら多様な学びを追求し、様々な分野で活躍する卒業生を輩出しています。
joshigakuin.ed.jp
女子学院は1870年(明治3年)、ジュリア・カロザースによって築地居留地に設立されたA六番女学校に始まります。その後、B六番女学校(後の新栄女学校)や原女学校とミセス・ツルーをはじめとする婦人宣教師たちによりその精神は引き継がれ、1890年(明治23年)に桜井女学校(1876年、桜井ちかによって設立)が新栄女学校と合併して校名を「女子学院」と改め、矢嶋楫子を初代院長として、現在地に校舎を新築して発足しました。1920年(大正9年)には高等科(現在の大学教育に相当)を東京女子大学に統合し、以後、質の高い中等教育(中学・高校の6年間一貫教育)をめざして今日に至っています。1992年には老朽化した校舎を建て替え、施設設備ともに充実した新校舎が完成しました。また、1999年には創立130周年記念事業の一環として、築地明石町に「女子学院発祥の地」記念碑が完成し、歴史の重みを今に伝えています。
女子学院中学校・高等学校は、卒業生の多くが難関大学に進学する高い学力水準を誇っています。以下は女子学院高等学校の主な進学実績です。
大学名 | 合格者数 |
---|---|
東京大学 | 31人(現役28人・既卒3人) |
京都大学 | 11人(現役8人・既卒3人) |
一橋大学 | 11人(現役10人・既卒1人) |
早稲田大学 | 172人(現役153人・既卒19人) |
慶應義塾大学 | 108人(現役88人・既卒20人) |
東京大学には毎年30名前後が合格しており、国公立大学の中でも突出した合格者数を誇ります。また、早稲田大学や慶應義塾大学をはじめとする難関私立大学にも多数の合格者を出しています。医学部への進学も活発で、東京医科歯科大学に5人(現役4人・既卒1人)が合格したほか、私立医学部にも47人(既卒含む)が合格しています。このように、女子学院は生徒一人ひとりの可能性を最大限に引き出し、難関大学への高い進学実績を上げています。
女子学院中学校・高等学校では、中高一貫の教育体制と授業週5日制を堅持し、6年間を通して生徒一人ひとりの可能性を引き出す学習指導を行っています。カリキュラムは学習指導要領をもとに作成され、各学年に聖書の時間を置くなど女子学院独自の科目も設けられています。教師陣のきめ細やかな配慮に基づく厳しいながらもゆとりある指導と、意欲的に学ぼうとする生徒の前向きな姿勢により、限られた時間の中で生徒たちは十分な力を身につけています。進路指導においても、単に有名大学への進学だけでなく、生徒が学ぶこと自体に喜びと意味を見出し、自ら学ぶ方法を身につけ、自分の進むべき道を見つけられるよう支援しています。学習活動には多くの実験や観察、体験が伴い、読書の推奨や様々な講演会なども数多く用意されています。これらを通して生徒たちは与えられた課題に対して自ら考え、自分の言葉で語ることが求められます。また、ディスカッションの機会が授業や学校行事の中で数多く取り入れられているのも特長です。大学入試に必要な教科・科目だけでなく、すべての学びが同じように大切にされ、バランスのとれた学習を通して幅広い知性が養われています。このような学習指導により、生徒たちは自主自立した心豊かな人格として成長し、他者に仕える心を育んでいるのです。
女子学院中学校・高等学校は、充実した学習環境を提供しています。校舎には30の普通教室に加え、宗教センター、地理教室、歴史教室、化学実験室、物理実験室、生物・地学実験室、音楽室、美術室、食物室、被服室、LL教室、パソコンルームなど、多様な特別教室が完備されています。また、講堂や小講堂、大体育館や小体育館、トレーニングルーム、保健室、カウンセリングルーム、図書館、マグノリアホール(生徒ホール)、天文ドームなどの施設も整っています。これらの施設は、生徒たちが多様な学びを追求し、実験や観察、体験を通じて知識を深めるために活用されています。特に、科学実験室や音楽室、美術室などの特別教室は、専門的な学習や創造的な活動を支える重要な役割を果たしています。また、図書館やパソコンルームは、自主学習やリサーチ活動を支援するためのリソースが豊富に揃っています。さらに、女子学院の学習環境は、キリスト教精神に基づく教育理念に支えられており、朝の礼拝から一日が始まります。これにより、生徒たちは心を落ち着け、学びに集中することができます。このような恵まれた環境の中で、生徒たちは知的好奇心を育み、自主的に学ぶ姿勢を身につけています。
女子学院中学校・高等学校では、多彩な部活動や課外活動が行われており、生徒たちの個性や才能を伸ばす機会となっています。運動部には、バスケットボール部、バレーボール部、テニス部、バドミントン部、卓球部、ソフトボール部、ダンス部などがあります。これらの部活動では、日々の練習を通じて技術を磨くとともに、チームワークや忍耐力を養っています。対外試合での活躍も目覚ましく、都大会や全国大会で上位入賞を果たすなど、優れた成績を収めています。文化部には、吹奏楽部、合唱部、オーケストラ部、美術部、茶道部、華道部、演劇部、文芸部、放送部、写真部、料理部、科学部などがあります。これらの部活動では、生徒たちが自分の興味や関心に基づいて活動に取り組み、創造性や表現力を育んでいます。吹奏楽部やオーケストラ部は定期演奏会を開催し、その演奏は高い評価を得ています。また、生徒会活動や委員会活動も活発に行われています。生徒会は、学校行事の企画・運営に携わるほか、生徒の意見を取りまとめて学校運営に反映させる役割を担っています。委員会には、図書委員会、保健委員会、美化委員会、クラブ委員会などがあり、それぞれの分野で学校生活の向上に貢献しています。このように、女子学院の部活動・課外活動は、生徒たちが自主性を発揮し、多様な経験を積む場となっています。学業とのバランスを取りながら、充実した活動を通じて生徒たちは心身ともに成長し、豊かな人間性を育んでいます。
女子学院中学校・高等学校では、1年を通して様々な学校行事が行われており、生徒たちの成長と学校生活の充実に大きな役割を果たしています。4月には入学式・前期始業式、高校3年生の修学旅行、健康診断・体力測定、体育祭などが行われます。5月には中学2年生の遠足、中学3年生の東北旅行、春の遠足、生徒会総会、アジア祈祷週間などが予定されています。6月にはオリエンテーション・キャンプ(中学1年生)、前期中間テスト、教育懇談会、球技会、平和講演会が行われ、7月には高校1年生のひろしまの旅、中学3年生の歌舞伎教室、高校3年生の修養会、中学2年生のごてんば教室などが実施されます。10月は創立記念日、後期始業式、マグノリア祭(文化祭)、創立記念日集会、秋の遠足などのイベントが目白押しです。11月にはバザーや高校講演会、12月にはクリスマス礼拝、後期中間テスト、高校2年生の文楽教室などが行われます。1月はかるた会や生徒会役員選挙、高校1年生の卒業生の話を聞く会、2月は球技会や中学講演会、生徒会総会などが予定されています。そして3月には後期期末テスト、卒業礼拝、終業礼拝、卒業式、春の修養会が行われ、1年の締めくくりとなります。これらの学校行事は、学業だけでなく人格形成や社会性の育成にも重要な意味を持っています。宗教行事や講演会、旅行などを通して、生徒たちはキリスト教の教えに触れ、平和や人権について学び、視野を広げる機会を得ています。また、体育祭や文化祭、球技会などの行事では、学年の垣根を越えて協力し合い、絆を深めています。このように、女子学院の学校行事は多岐にわたり、生徒たちの成長を支える重要な柱となっています。行事への参加を通じて、生徒たちは自主性や協調性、リーダーシップを育み、かけがえのない思い出を作っているのです。
女子学院中学校・高等学校の校風は、自由と自主性を重んじることで知られています。制服は任意であり、私服登校が認められているため、生徒たちは自分のスタイルを表現することができます。校則も非常に少なく、校章のバッジをつけることや指定の上履きを使用することなど、基本的な規定のみが存在します。この自由な環境の中で、生徒たちは自ら考え、行動する力を養っています。学校行事やクラブ活動の企画・運営も生徒主体で行われ、リーダーシップや協調性が育まれます。また、キリスト教精神に基づく教育が行われており、「主を畏れることは知恵の初め」という聖句に示されるように、自由には責任が伴うことが強調されています。さらに、女子学院では他者の意見に左右されず、自分の意見を持ち、他者との違いを受け入れることが奨励されています。このような校風のもと、生徒たちは個性を尊重し合いながら、豊かな人間性を育んでいます。