駒場東邦中学校・高等学校は、1957年の創立以来、自主独立の気概と”3F精神”を掲げ、短期間で東大合格者数を急増させ、今や男子新御三家の筆頭と呼ばれる名門校に上り詰めた。その教育の特色と魅力に迫る。
駒場東邦中学校・高等学校は、1957年(昭和32年)4月に学校法人東邦大学理事長の額田豊博士によって創立された。 初代校長は元都立日比谷高等学校校長の菊地龍道が務めた。 戦後の復興期、日本が欧米と肩を並べる国力をつけるためにはどのような教育が必要かを真剣に考え、理数科重視の教育理念を打ち立てた。 この理念は現在まで脈々と受け継がれている。 その後、高校からの生徒募集を廃止し、完全6ヶ年一貫教育を確立するなど、独自の教育体制を築き上げてきた。
駒場東邦中学校・高等学校は、東京大学をはじめとする難関大学への高い進学実績で知られている。2024年度の主な合格実績は、東京大学に合計44名(現役36名、既卒8名)、京都大学に合計8名(現役5名、既卒3名、医学部卒1名)、大阪大学に合計7名(現役3名、既卒4名)、東京工業大学に合計4名(現役2名、既卒2名)、北海道大学に合計13名(現役12名、既卒1名)、東北大学に合計3名(現役2名、既卒1名)、名古屋大学に合計1名(現役1名)、九州大学に合計1名(現役1名)など、国公立大学に多数の合格者を出している。私立大学でも、早稲田大学に合計93名(現役63名、既卒30名)、慶應義塾大学に合計74名(現役48名、既卒26名、医学部卒3名)、上智大学に合計9名(現役4名、既卒5名)など、トップレベルの大学に多くの生徒が進学している。この高い進学実績は、創立以来受け継がれてきた理数科重視の教育と、6ヶ年一貫教育による質の高い指導の賜物といえる。
駒場東邦中学校・高等学校では、中高一貫の6か年教育により、学習指導を効果的に行っている。中学・高校の教材を有機的かつ系統的に整理し、学習の能率化と教育効果の向上を図っている。 特に英語・数学・理科実験の分野では、少人数制や習熟度別のクラス編成を行うことで、生徒一人一人の理解度に合わせたきめ細やかな指導を実現している。また、授業では単なる知識の詰め込みではなく、生徒の主体的な学びを大切にしている。 探究的な学習を通して、生徒が自ら考え、問題を解決する力を身につけられるよう工夫されている。 こうした学習指導を通して、駒場東邦は生徒の学力を着実に伸ばすとともに、豊かな知性と人間性を兼ね備えた人材の育成を目指している。
駒場東邦中学校・高等学校は、生徒の学習意欲を高め、能力を最大限に引き出すための充実した学習環境を整えている。特に理科教育に力を入れており、最先端の設備を備えた理科実験室では、生徒が毎週実験を行うことができる。 顕微鏡や実験器具、薬品など、大学レベルの実験設備が整っており、生徒は実践的な科学の学習を体験できる。 さらに、少人数制や習熟度別のクラス編成により、生徒一人一人の理解度に合わせた指導を行っている。 図書室には専門書から英語の原書まで幅広い蔵書が揃い、自学自習にも最適な環境となっている。 このように、駒場東邦は生徒が主体的に学び、探究心を育むことができる恵まれた学習環境を提供している。
駒場東邦中学校・高等学校では、学習面だけでなく、部活動や課外活動も活発に行われている。運動部では、野球部、サッカー部、バスケットボール部、テニス部など、様々な競技で上位入賞を果たしている。 文化部も、吹奏楽部、美術部、演劇部、科学部など多岐にわたり、コンクールでの受賞や発表会での成果を上げている。また、学校行事も充実しており、体育祭や文化祭は生徒会が中心となって企画・運営し、生徒の主体性や協調性を育む機会となっている。 他にも、修学旅行や林間学校、スキー教室など、学年ごとの行事も多数実施されている。こうした活動を通して、生徒は学業以外の分野でも才能を伸ばし、仲間と切磋琢磨しながら、豊かな人間性を育んでいる。 駒場東邦は、勉強とクラブ活動の両立を図り、バランスの取れた学校生活を送ることができる環境を整えている。
駒場東邦中学校・高等学校は、自由な校風の中で生徒一人一人の個性を大切にしながら、高い学力と豊かな人間性を兼ね備えた人材の育成に取り組んでいる。 6か年一貫教育による系統的な学習指導、少人数制や習熟度別のクラス編成による細やかな指導、充実した理科実験設備など、学習面での特色ある取り組みが、生徒の学力向上と難関大学への高い進学実績につながっている。 また、活発な部活動や学校行事を通して、生徒の多様な才能を伸ばし、主体性や協調性を育む機会も豊富に提供されている。 こうした教育環境の中で育まれた卒業生たちは、社会の様々な分野で活躍し、駒場東邦の教育の質の高さを証明している。 個性を尊重する自由な校風と、学習面での高い実績を両立させる駒場東邦は、これからも時代をリードする人材を輩出し続けることだろう。
駒場東邦中学校の入試問題は、特に算数において独自の特色を持っています。2024年度の入試では、全体の約60%が標準的な難易度の問題(レベルA)で構成され、残りの約40%が応用・発展技術を要する問題(レベルB)でした。例えば、バーンサイドの補題をテーマにした問題や、角度を求めるための作図問題などが出題されました。これらの問題は、単なる知識の暗記ではなく、応用力や発想力を試す内容となっています。また、国語の入試問題も独自の特徴を持ち、読解力や表現力を重視した問題が多く出題されます。駒場東邦中の入試問題は、過去問の分析と類題の演習を通じて対策することが推奨されています。このように、駒場東邦中の入試問題は、生徒の思考力や応用力を重視した内容で構成されており、受験生には高度な準備が求められます。