東京都品川区西五反田にある攻玉社中学校・高等学校は、1863年に近藤真琴が開いた蘭学塾を起源とする私立男子校です。「誠意・礼譲・質実剛健」を重んじ、一般学級と国際学級を設けています。2026年春の卒業生は228名で、東京大学には既卒者を含む15名が合格し、そのうち14名が現役でした。この記事では、2026年度入試の結果、2027年入試用の偏差値、2026年春の大学合格実績、科目別の傾向と対策を、公表資料にもとづいてまとめて解説します。
(2026年8月更新/出典は攻玉社中学校・高等学校の公式発表資料および四谷大塚の公表データ)
攻玉社中学校の2026年度入試結果データ
一般学級は2月1日と2日の4科入試、2月5日の特別選抜で募集しました。ここでは受験者の多い一般学級第1回と第2回を中心に整理します。
| 第1回・2月1日 | 募集90名/志願422名/受験387名/合格158名/2.45倍/最低192点/300点満点 |
| 第2回・2月2日 | 募集70名/志願693名/受験432名/合格173名/2.50倍/最低192点/300点満点 |
| 特別選抜A方式・2月5日 | 募集はA・B合計40名/志願160名/受験120名/合格24名/5.00倍/最低203点/250点満点 |
| 特別選抜B方式・2月5日 | 志願197名/受験142名/合格28名/約5.07倍/最低139点/200点満点 |
| 合格最高点 | 公式結果資料で確認できず |
第1回と第2回はいずれも300点満点で、合格最低点は192点でした。特別選抜はA方式が算数共通100点と算数発展150点、B方式が算数共通100点と国語100点の別形式であり、満点が異なるため、一般入試と最低点を直接比較できません。
攻玉社中学校の試験科目と配点
一般学級第1回と第2回の科目、時間、配点は次のとおりです。
| 国語 | 50分・100点 |
| 算数 | 50分・100点 |
| 社会 | 40分・50点 |
| 理科 | 40分・50点 |
| 合計 | 180分・300点 |
国語と算数で全体の3分の2を占めます。理科と社会は各50点ですが、知識と資料処理を安定させれば合否を支える得点源になります。
2027年度も一般学級第1回を2月1日、第2回を2月2日、特別選抜を2月5日に行う予定です。国際学級は帰国生を主な対象とし、一般学級とは募集条件と試験科目が異なるため、公式要項を確認してください。
攻玉社中学校の偏差値(2027年入試用)
四谷大塚のAライン80偏差値は次のとおりです。
| 第1回 | 57 |
| 第2回 | 63 |
| 特別選抜 | 63 |
| 国際学級・国語算数 | 53 |
第2回と特別選抜は第1回より高い目安です。ただし、特別選抜は試験方式が異なるため、偏差値だけを使って一般入試と難度を比べないでください。
攻玉社高校の大学合格実績【2026年春・最新】
2026年春の卒業生は228名です。学校が公表した合格者数は次のとおりです。
| 東京大学 | 15名(現役14名) |
| 京都大学 | 3名(現役2名) |
| 一橋大学 | 2名(現役1名) |
| 東京科学大学 | 4名(現役3名) |
| 国公立大学・大学校医学部医学科 | 12名 |
| 早稲田大学 | 89名(現役82名) |
| 慶應義塾大学 | 72名(現役60名) |
| 上智大学 | 30名(現役27名) |
| 東京理科大学 | 76名(現役58名) |
医学部医学科12名は国公立大学10名と防衛医科大学校2名を合わせた人数です。私立大学を含む医学部医学科全体は41名で、そのうち25名が現役でした。私立大学の数値は延べ合格者数です。
攻玉社中の歴史と沿革
1863年、蘭学者の近藤真琴が数学、航海術、測量術などを教える塾を開いたことが始まりです。1872年に攻玉社と改称し、近代日本の海事や技術を担う人材を送り出しました。
戦後の学制改革で新制中学校と高等学校となり、2012年に高校募集を停止して完全中高一貫校へ移行しました。校名は、石を磨いて玉にするように、人も学びによって自らを高めるという考えにつながります。
攻玉社中の教育方針と校風
教育では誠意、礼譲、質実剛健を重んじます。相手に誠実に向き合い、礼を守り、飾らず粘り強く努力する姿勢を学校生活の中で身につけます。
- 中高6年間を見通して基礎から発展へ学ぶこと
- 国際学級を含む多様な背景の生徒が互いに学ぶこと
- 行事や部活動で責任を果たし、協働すること
一般学級と国際学級は入試の入口が異なりますが、学校行事や部活動ではともに学びます。帰国生の経験や語学力に触れる機会が、一般学級の生徒にも広がります。
攻玉社中の施設・学習環境
東急目黒線不動前駅から近い校地に、普通教室、理科実験室、図書室、講堂、体育館、屋内プールなどがあります。限られた都市型の校地を、授業と活動に応じて使っています。
実験、調査、発表を取り入れ、知識を使って考える授業を行います。中高の教員が6年間を見通し、学習状況に応じた講習や進路指導を進めます。
攻玉社中の部活動・課外活動
運動部と文化部があり、サッカー、野球、バスケットボール、柔道、剣道、水泳などに加え、吹奏楽、鉄道研究、理化学、歴史研究などの活動があります。
海や航海に関わる歴史を背景にした活動も学校の特色です。大会や発表に向けた準備を通して、学年を越えて役割を分担し、継続して取り組む力を育てます。
攻玉社中の年間行事・学校生活
輝玉祭、体育大会、校外学習、宿泊行事、修学旅行などがあります。輝玉祭では、クラブや学年が研究、展示、舞台発表を行い、生徒が準備と運営を担います。
国際学級の生徒と交流する学校生活では、異なる文化や経験をもつ相手へ、自分の考えを伝える機会があります。語学だけでなく、前提の違いを理解する姿勢を学びます。
攻玉社中学校の入試問題の傾向と対策
国語の入試傾向と対策
一般入試の国語は50分・100点です。漢字や語句、物語文、説明文を中心に、選択、抜き出し、記述が出されます。問題数が多いため、根拠を探す速さと正確さの両方が必要です。
物語文では人物の心情の変化を、行動、会話、場面の前後から説明します。説明文では、筆者が対比している考えを整理し、具体例が何を示すために置かれたかを考えてください。
記述では、本文全体を踏まえて80字以内で説明するような問題にも備えます。字数に合わせて本文を縮めるのではなく、問いに必要な要素を選び、因果関係や対比が伝わる順に並べます。
特別選抜B方式を受ける場合は、国語の比重が一般入試より大きくなります。過去問では、読解、知識、記述に使った時間を分けて記録し、失点の原因を内容理解と時間不足に分けてください。
算数の入試傾向と対策
一般入試の算数は50分・100点です。計算、割合と比、速さ、規則性、場合の数、平面図形、立体図形などから出題されます。
標準問題を速く正確に処理し、後半の問題へ時間を残します。特別選抜A方式は算数を軸にするため、受験する場合は発展問題で考え方を式と図に残す練習が必要です。
理科の入試傾向と対策
理科は40分・50点で、4分野から広く出されます。選択と計算を中心に、記述や作図が含まれる年もあります。
問題数に対応するため、知識問題は迷わず処理します。実験問題は条件と結果を表にし、単位を確認してから計算してください。
社会の入試傾向と対策
社会は40分・50点です。地理、歴史、公民の知識を、地図、統計、写真、史料と結びつけて問います。
一問に使える時間が短いため、資料の題名、年代、単位を先に確認します。正誤問題では選択肢の一部だけで判断せず、文全体を読みます。
攻玉社は複数の入試方式があるため、受験日程を決めた後に、科目数と配点に合わせて学習の比重を調整します。過去問では合計点だけでなく、国語の記述、算数の途中問題、理社の資料問題というように、得点できなかった型を記録してください。次の演習では、その型を優先して解き直すと改善が明確になります。直前期も新しい問題へ広げすぎず、記録した弱点の修正を優先してください。得点の安定につながります。
まとめ 次年度入試に向けて
攻玉社中学校は、長い歴史を背景に、誠実さと粘り強い学びを重んじる男子校です。受験生と保護者の方が押さえておきたい要点は次の3点です。
- 2026年度一般入試の実質倍率は第1回2.45倍、第2回2.50倍だったこと
- 一般入試は国語と算数が各100点、理科と社会が各50点であること
- 特別選抜と国際学級は試験形式と募集条件が一般学級とは異なること
国語では、問題数に対応しながら、記述に必要な根拠を本文全体から選ぶ力が求められます。時間内演習の後に、設問の要求、根拠、答案のつながりを一つずつ確認してください。

