兵庫県神戸市東灘区魚崎北町にある灘中学校・灘高等学校は、1927年に創立された私立男子校です。中高6年間を通した教育を行う一方、高校では約40名を募集しています。生徒の自主性を尊重し、深く考える授業と自由な学校文化を受け継いでいます。2026年春の卒業生は224名で、東京大学には既卒者を含む95名が合格し、そのうち77名が現役でした。この記事では、2026年度入試の結果、2027年入試用の偏差値、2026年春の大学合格実績、科目別の傾向と対策を、公表資料にもとづいてまとめて解説します。
(2026年8月更新/出典は灘中学校・灘高等学校の公式発表資料および四谷大塚の公表データ)
灘中学校の2026年度入試結果データ
灘中学校の入試は2日間にわたります。学校公式の2026年度資料は志願者数と合格者数を公表していますが、欠席者を除く受験者数は掲載していません。
| 入試日 | 2026年1月17日・18日 |
| 募集人員 | 男子約180名 |
| 志願者数 | 693名 |
| 受験者数 | 公式結果資料で確認できず |
| 合格者数 | 282名 |
| 志願者数÷合格者数 | 約2.5倍 |
| 合格最高点 | 420点・500点満点 |
| 合格最低点 | 295点・500点満点 |
受験者平均は281.3点、合格者平均は322.8点でした。公式資料で受験者数を確認できないため、他校と同じ意味の実質倍率は算出できません。約2.5倍は志願者数を合格者数で割った参考値です。
灘中学校の試験科目と配点
1日目に国語1、理科、算数1、2日目に算数2、国語2を行い、合計500点で判定します。
| 国語1 | 40分・80点 |
| 理科 | 60分・100点 |
| 算数1 | 60分・100点 |
| 算数2 | 60分・100点 |
| 国語2 | 70分・120点 |
| 合計 | 290分・500点 |
国語と算数がそれぞれ200点で、理科が100点です。2日間にわたり同じ科目を異なる形式で問うため、知識や解法を再現する力だけでなく、初見の条件を整理して考え続ける力が必要です。
2027年度は、1日目が1月16日に国語・理科・算数、2日目が1月17日に算数・国語です。募集は男子約180名、合格発表は1月19日の予定です。
灘中学校の偏差値(2027年入試用)
四谷大塚が公表する2027年入試対応のAライン80偏差値は次のとおりです。
| 1月16日・17日入試・男子 | 73 |
| 日能研R4 | 2027年入試用の確定値を公表資料で確認できず |
| SAPIX80 | 2027年入試用の確定値を公表資料で確認できず |
偏差値は模試の母集団により変わります。灘は関西圏だけでなく全国から志願者が集まり、2日間の独自問題で選抜するため、模試の数値と過去問の得点力を分けて見てください。
灘高校の大学合格実績【2026年春・最新】
学校が2026年7月16日現在で公表した合格状況です。78回生は現役、過年度生は既卒を示します。
| 卒業生数 | 224名 |
| 東京大学 | 95名(現役77名・既卒18名) |
| 京都大学 | 47名(現役31名・既卒16名) |
| 一橋大学 | 5名(現役3名・既卒2名) |
| 東京科学大学 | 3名(現役2名・既卒1名、医学科2名を含む) |
| 国公立大学医学部医学科 | 公式一覧を大学別・学部別に公表 |
| 早稲田大学 | 38名(現役14名・既卒24名) |
| 慶應義塾大学 | 21名(現役4名・既卒17名) |
東京大学の理科三類は7名、京都大学医学部医学科は13名でした。医学部医学科は国公立大学の複数校に合格者がいますが、学校の一覧に単独の集計欄がないため、重複や選抜区分を独自に合算せず、大学別の公表値を優先します。
灘中の歴史と沿革
灘校は1927年、嘉納治五郎の教育理念を受け、地域の酒造家の支援によって創立されました。1947年に新制灘中学校、1948年に新制灘高等学校となり、現在の中高一貫教育へつながりました。
創立以来、生徒を細かな規則で一律に動かすより、自分で考え、責任をもって行動する姿勢を重視してきました。伝統と自由を両立させる学校文化が、授業、行事、部活動に表れています。
灘中の教育方針と校風
教育では、知識を早く覚えることだけを目的にせず、一つの問いを深く考え、自分の説明を組み立てることを大切にします。教科書の範囲を越えた題材や、独自教材を使う授業もあります。
- 自分で課題を見つけ、考え続けること
- 異なる意見を認め、議論によって理解を深めること
- 自由に伴う責任を自分で引き受けること
中学から高校へ同じ仲間と進み、6年間で学問的な関心を深めます。大学入試の合格だけを教育目標にせず、卒業後も自立して学び続ける土台を作ります。
灘中の施設・学習環境
神戸市東灘区の校地には、普通教室、理科実験室、図書館、講堂、体育館、グラウンドなどがあります。中学生と高校生が同じ校地で学び、学年を越えて活動します。
図書や実験設備は、授業の課題だけでなく、生徒自身の研究や部活動にも使われます。都市部にありながら、教室、運動、文化活動を一つの校地で行える環境です。
灘中の部活動・課外活動
運動部と文化部があり、生徒が自分の関心に応じて活動します。競技、音楽、科学、囲碁将棋、文化研究など、多様な分野で中高生が交流します。
文化系の活動では、調査、制作、発表を継続し、文化祭などで成果を公開します。運動部でも生徒が役割を担い、自主的に練習や運営を進める文化があります。
灘中の年間行事・学校生活
代表的な行事には文化祭、体育祭、学芸祭、校外行事などがあります。文化祭は多くの来場者を迎え、クラブや有志が研究展示、実験、演奏、企画を行います。
行事では、生徒が内容を考え、準備から当日の運営までを担います。自由に企画できる分、期限、予算、安全、他者との調整にも責任を負い、実践の中で自治を学びます。
灘中学校の入試問題の傾向と対策
国語の入試傾向と対策
国語は2日間で計200点です。国語1は40分80点、国語2は70分120点で、語句や言葉の感覚、長文読解、記述を異なる角度から問います。
文章では、表面的な出来事だけでなく、語り手の視点、表現の働き、人物や筆者の考えの変化を読みます。出典の分野を予想して狭く準備するより、物語、随筆、評論、詩歌など幅広い文章に触れることが必要です。
記述は、設問が字数を細かく指定しない場合でも、必要な内容を過不足なくまとめなければなりません。本文中の一箇所を写すだけでなく、離れた根拠を結び、因果関係や対比が伝わる文にします。
語句問題では、辞書的な意味だけでなく、文脈での使われ方や表現効果を確かめます。日頃の読書で気になった表現を記録し、自分の言葉で言い換える練習が有効です。
2日間の過去問は必ず本番と同じ順序と時間で解いてください。採点後は正誤だけでなく、根拠を見つけられなかったのか、見つけても答案へ組み直せなかったのかを分けて復習します。
算数の入試傾向と対策
算数も2日間で計200点です。算数1は答えを正確に出す力、算数2は条件を整理し、考え方を組み立てる力を中心に問う傾向があります。
数の性質、場合の数、速さ、平面図形、立体図形などを、定型解法だけでなく複数の見方で考えます。解答を覚えるのではなく、条件を変えた類題を作って解く学習が有効です。
理科の入試傾向と対策
理科は60分100点です。与えられた図、表、グラフ、実験結果を使い、物理、化学、生物、地学の知識を応用します。
見慣れない題材でも、問題文に示された条件を一つずつ整理します。実験の目的、変えた条件、そろえた条件、結果の関係を説明できるようにしてください。
社会の入試傾向と対策
灘中入試には社会がありません。国語200点、算数200点、理科100点の3科500点で選抜します。
社会を受験しないからといって、社会的な話題に触れなくてよいわけではありません。国語の文章理解にも背景知識が役立つため、ニュース、地図、歴史に日頃から関心をもってください。
2日目も集中力を保つため、過去問は2科目だけを抜き出さず、2日間の時間割を再現して解く機会を設けてください。
まとめ 次年度入試に向けて
灘中学校は、2日間の独自入試で深い思考力と表現力を見る男子校です。受験生と保護者の方が押さえておきたい要点は次の3点です。
- 2026年度は志願者693名、合格者282名で最低点が295点だったこと
- 国語と算数を2日間で各200点、理科を100点で評価すること
- 2027年度は1月16日と17日に入試を行うこと
国語では、複数の根拠を結び、字数の指定が細かくなくても必要な内容を過不足なく書く練習を積んでください。

