お子さんが通っている塾の講師に不満を持ち始めてしまったら、
どのように対処するのが良いでしょうか?
確かにお通いの塾のすべての科目の先生がお子さんとの相性が良いとは限りません。
しかし、お子さんの言い分を真に受けて塾にクレームをつける、講師変更を要求する、
などは控えたほうが良いでしょう。
お子さんの受験に向けてできるだけトラブルなく、かつ納得した塾通いをするための
考え方についてご紹介していきます。
本記事は以下のような方にお役に立てていただける内容です。是非最後までお読みください。
・お子さんが通っている塾の講師に不満を漏らしているがこのままにしてよいのか悩む保護者の方
・一部の生徒・家庭から評判が良くない講師の処遇にお困りの塾経営者の方
生徒が指導者自身に前向き感情を持てない場合、学習効果は著しく低下します。
学習塾などの学習サービスを選ぶにあたって指導者と生徒さんの相性は最も重要なボイントと言えるでしょう。
指導者に良い感情を持てれば苦手教科にすら賢明に取り組むきっかけになるし、
逆に指導者にマイナス感情を持てば好きな家紋も低迷する可能性があります。
ではお子さんが塾の講師に不満を持たれた場合はどうすればよいのか。
私の過去の経験では塾側に一方的に不満をぶつけるだけでは事態は好転しません。
私は大手学習塾エリアマネージャーとしてこれまで30教室以上を管轄してきました。
その中で講師への不満をお持ちのご家庭と様々な協議相談を重ねてきました。そんな経験から、
その対処方法についてご紹介していきます。
講師への不満で最も多いのは「授業がわりづらい」というもの。
しかしここで塾に「子どもが授業が分かりづらいと言っているのですが!」と
クレームをつけてもほぼ解決することはありません。
塾の運営サイドからは、
「担当によく言っておきますので・・・」
「わからないところはフォローさせますので・・・」
などの表面的な対応でかわされるのが関の山でしょう。
ではどうするか?
まず、必ずお子さんの話をしっかり聞き、客観的な状況と事実の確認をしましょう。
以下のような項目をまずはご家庭内で整理しておくことが大切です。
・クラス内の学力レベルに差がついてしまっていないか。
・入塾したばかりで自分だけクラスや講師に馴染めていないで浮いているような感覚を持っていないか。
・クラス内の生徒同士の人間関係は良好か。
・過去にその講師から注意・指摘を受けたことや、その他の過去のやりとりなどから、
対象の講師についてマイナス感情が先行してしまっていないか。
・板書が見づらい(字が汚い、小さすぎるなど)。
・話し方が合わない(早口、声が小さい)。
・解説方法(レベルが高すぎるor低すぎる、解答プロセスが省略され過ぎ、、など)。
・ほかに同じような不満を持っている生徒がいるか、それはどの子か。
こうした諸条件を整理しておきましょう。
そのうえで、「どこまでは我慢出来て、どこまでは我慢ならないのか」
「どこを変えてもらえると納得して授業を受けられるのか」
を具体的に伝えられるようにしておきましょう。
親子で話し合い、状況が整理できて、担当講師に改善してもらいたい項目が明確になったら、
塾に連絡をして、その不満の対象となる講師とのコミュニケーションを試みましょう。
担当講師と話ができないほど事態が深刻、あるいは、
塾の方針として担当講師との直接相談ができないようならコチラの内容は飛ばして次の項目へスキップしてください。
ただし、どんな状況でもできる限り責任者ではなく担当講師に話をさせてもらえるのがベストです。
この際、保護者の方から塾の教室にに電話をするのが良いでしょう。
ここで重要なのは、あからさまに不満をぶつけるのではなく、
「〇〇(科目)の授業のことで〇〇先生にご相談があるのですが」
とあくまで「相談」というスタンスを貫くこと。
塾側がクレームと判断すれば責任者が出てくる可能性があります。
そうなると責任者から担当講師に対し指摘や指導が入り、
是正される可能性があるものの、どうしても講師との間に感情的なしこりが残ってしまいます。
この段階では担当講師と直接対話が解決の近道です。
担当講師と直接話せる機会をもらえるようできるだけ穏やかに
相談を持ちかけるのがベストです。
相談の機会が持てたら前の項目でまとめた、改善してほしい項目を伝え、
講師の考えを聞いてみましょう。
こちらの考えを受け入れてくれ、指導法や接し方を変えてくれるのか、
講師側に何らかの考えがあったり、塾の方針の制約などで
こちらの希望を受け入れられないのか、納得いくまで話し合いましょう。
ここで折り合いが付けばお子さんによく話をして、理解させる。
ここでお子さんが理解して前向きになれれば交渉は成功です。
しかし、そもそも講師との折り合いがつかない、あるいは保護者が講師の考えを理解しても、
お子さんが納得させられない場合などは、次のステップ、責任者(または本部の相談窓口)との相談に進みましょう。
・担当講師のモラル、コンプライアンス上の問題(パワハラ、セクハラ、モラハラなど)
・担当講師の明らかな指導スキル不足(誤った知識を伝えるなど)
・担当講師のとの相談で話が噛み合わない、信頼できないと感じる
・抑担当講師と相談できる機会がない
これらの状況に当てはまれば、責任者あるいは本部との相談になります。
ここでの相談内容が重大、悪質、と判断された場合は、
企業としてクレームという受け止め方になりますので相応の対応を進めることになります。
教室の責任者の方は当然、本社に対応報告を求められます。
担当講師への厳重注意、コンプライアンス上重大な問題がある場合は、
懲戒免職などの処分が下される可能性があります。
あまり好ましくない状況ですが、明らかに講師に問題が多いようであればやむを得ないでしょう。
できるだけお子さんにはこれらのやり取りは見聞きさせず、保護者と塾側での
話し合いにとどめておくことが、その後のお子さんの通塾モチベーションの維持に繋がります。
塾での面談でしっかり確認しておくべき内容の詳細はこちら↓の記事をご参考になさってください。
最後に、前述のようなトラブルに発展してしまうぐらいなら、
担当者を変更してくれないものか?とお考えの方もいらっしゃると思います。
不満をもった相手と相談したり、クレームと捉えられてギクシャクしたり、
となるぐらいなら担当講師を変更してくれると気持ちの上で楽ですよね。
はたして、塾に担当変更を依頼したら受け入れてもらえるものでしょうか?
結論は以下の通り。
・個別指導では担当変更可能、グルーブ指導ではほぼ不可能!
・グループ指導の場合、担当変更できたとしても状況悪化を招く可能性が大きい!
個別指導は時間割、担当配置が柔軟に変更可能なので、
担当講師を変更する事は比較的簡単にできます。教室の責任者に相談してみましょう。
一方でグループ指導の担当者の変更はほぼ不可能だと思っておいたほうが良いでしょう。
グループ指導の講師は通年で固定の時間割で授業を担当していますので、変更が難しいケースがほとんどです。
現在担当している講師を外したとして、後任はその同時間帯に授業を持っていない講師です。
年度途中であてがわれる講師はほとんど以下のパダーンにあてはまります。
・新人研修中でまだ授業を多く持っていない講師
・過去に何らか問題があって授業が外された講師
・本来休日なのに無理に依頼されて充てがわれた講師
・急遽講師派遣業者に発注しで送り込んでもらった講師(スキル不明のまま派遣されるケース多数)
つまり無事に担当講師を変更できたとしても、このような講師が
後任の講師となったら状況は改善どころか更に悪化するでしょう。
したがって、グループ指導塾において講師変更による状況改善はほぼ不可能と考えておいたほうが良いでしょう。
ここまでの内容をまとめると、
・担当講師に不満がある場合、担当講師と直接相談しながら歩み寄るのがベスト
・話し合いで解決が難しい場合は責任者や本部に相談し改善を求める
・個別指導は担当変更も可能。グループ指導は状況悪化を招く可能性大
でばグループ指導で担当講師経の不満が収まらない、
お子さんが塾に対してうしても前向きになれない、
このような場合は転塾を考えましょう。
環境を変えることで気持ちを切り替え、再スタートを切るという勇気もときに必要です。
ただし、転塾先でも講師に不満を待つ可能性があります。
転塾ジプシーになってしまうと学習効率は著しく低下します。
そのようなことにならぬよう転塾の際には
お子さんに体験でじっくり講師を吟味させること、2回目の転塾はないと伝え、
慎重に判断させることが大切です。
お子さんが前向きに勉強に取り組み、目標の志望校に向かって努力を重ねつつ、
充実した受験生活を送っていくためには塾と家庭との信頼関係が欠かせません。
お子さんの塾の講師への不満が生じ、信頼が損なわれそうになったときには
本記事をご参考にしていただければ幸いです。