東京都板橋区に位置する城北中学校・高等学校は、1941年に設立された私立の男子校で、中高一貫教育を提供しています。「着実・勤勉・自主」を校訓とし、ICT教育やグローバル教育にも力を入れている学校です。
城北中学校・高等学校の歴史は1888年に遡ります。当初は皇典講究所(現在の國學院大學の前身)に補充中学校として設立されました。その後、1941年(昭和16年)に深井鑑一郎と井上源之丞によって現在の城北中学校・高等学校が創立されました。学校は「着実・勤勉・自主」を校訓として掲げ、男子校として中高一貫教育を提供してきました。1981年には文化祭の後夜祭で行われた人間イスがギネスブックの世界記録を約1ヶ月間保持するなど、ユニークな歴史も刻んでいます。2020年には新型コロナウイルスの影響で文化祭や体育祭が中止となりましたが、2021年には文化祭を初めてオンラインで開催するなど、時代に応じた柔軟な対応も行っています。
城北中学校・高等学校の校訓である「着実・勤勉・自主」は、生徒の日々の行動規範として位置付けられています。この校訓は、創立者である深井鑑一郎と井上源之丞両先生が掲げた精神を象徴しており、生徒の人間形成と大学進学という教育目標の達成を目指す上で重要な役割を果たしています。学校は、この校訓に基づいて生徒の自主性を育てることを重視しており、クラブ活動などの課外活動も生徒の自主性を育む重要な機会として位置付けられています。
2024年度大学入試においては東京大学に7名、京都大学に7名、東京工業大学に10名、一橋大学に9名が合格しました。私立大学では、慶應義塾大学に58名、早稲田大学に83名、上智大学に45名、東京理科大学に140名が合格しています。医学部(国立・私立)への合格者数は55名に達し、旧帝大学には33名、国公立大学全体では116名が合格しました。さらに、海外の大学にも4名の合格者を出しており、グローバルな進路選択も実現しています。これらの結果は、城北中学校・高等学校の高い教育水準と生徒の努力を反映しています。
城北中学校・高等学校では、グローバル教育プログラムを通じて生徒の国際的な視野を広げる取り組みを行っています。このプログラムは、海外の高校への正規留学や海外大学進学、英語スピーキングテストなどを含む多様な要素で構成されています。また、他の教育機関の例を参考にすると、全ての授業を英語で行う専門科目群の設置や、国際感覚を身につけたプロフェッショナルな人材の養成を目的とした特別なカリキュラムの導入など、幅広いアプローチでグローバル人材の育成に力を入れていると考えられます。これらの取り組みは、生徒たちが将来、国際社会で活躍するための基盤を築くことを目指しています。
城北中学校・高等学校は、生徒の学習を支援するための充実した環境を提供しています。学校は「学習の基本を学校に置く」という方針のもと、日常的に自習室を開放し、長期休暇中には講習や特別講座を実施しています。特筆すべきは夏休みを利用した9泊10日の大町学習室の取り組みです。また、学校は独自のサイトを運営し、生徒の興味を広げるための外部イベントを紹介しています。さらに、生徒の約96%が参加する夏期講習では、2023年度に中1から高3まで450講座以上が設定され、高3対象だけでも170講座以上が用意されました。これらの取り組みは、生徒の学習意欲を高め、効果的な学習を促進する環境づくりを重視する城北の教育方針を反映しています。
城北中学校・高等学校では、広大なキャンパスと充実した設備を活かし、運動部と文化部の両方で活発な部活動が行われています。学校には47もの部活動があり、生徒たちは自分の興味や才能に合わせて選択できます。これらの活動は、のびのびとした校風の中で行われ、生徒の満足度の高い学校生活の基盤となっています。また、学校行事も盛んで、5月に体育祭、9月末に文化祭が開催されます。文化祭では、70年以上続く正門アーチの制作や、30年続く中学の理科研究発表、20年以上続く図書委員会の古本市など、長い歴史を持つ伝統的な活動が行われています。これらの部活動や行事は、城北の校訓である「着実・勤勉・自主」の精神を体現する機会として重要な役割を果たしています。
城北中学校・高等学校では、生徒の成長と学びを促進するための多様な年間行事が実施されています。1学期には、長野県大町市での2泊3日の大町オリエンテーションが中学1年生と高校1年生を対象に行われ、協働心と友情を深める機会となっています。また、全学年参加の合唱祭も開催され、クラスの団結力を高めています。中学2年生は7月下旬に2泊3日の夏期林間学校に参加し、自然との触れ合いを通じて成長します。11月には中学1・2年生を対象としたマラソン大会が実施され、8kmを走り抜く経験が生徒たちの自信につながっています。さらに、中学3年生は京都奈良研修旅行に参加し、歴史と文化を学びます。これらの行事に加え、高校では生徒会役員選挙、オープンキャンパス、各種ボランティア活動なども年間を通して行われており、生徒の全人的な成長を支援しています。
算数
50分100点
年度ごとに問題の難易度が変わることがあり、過去問の傾向から特に図形分野の問題が多く出題されることが分かっています。図形分野が得意かどうかが合否に大きく影響するため、平面図形や立体図形の演習は必須です。近年では特にこれらの分野の出題比率が高まっているため、しっかりと対策をしておきましょう。城北中の算数は他の中学校受験と比べて難易度が高く、問題数も多いため、時間配分が重要です。ミスを避け、易しい問題から先に解く戦略が有効です。基礎的な問題は確実に得点し、難問に挑む際も落ち着いて対応するようにしましょう。
国語
50分100点
過去問からの傾向として、大問1と大問2で文章の読解問題、大問3で国語の知識問題、大問4では漢字の書き取り問題が出題されることが多いです。問題の難易度は標準的ですが、近年の読解問題では難しい表現や慣用句が使われることが多く、日常からこれらの語句に慣れておくことがスムーズな解答に繋がります。記述問題も出題されるため、文章を正確に読み解き要約して理解する力が求められます。
理科
40分70点
過去問の傾向から大問5〜7題で構成されています。選択問題が多いため、時間に追われることは少ないでしょう。どの分野からもバランスよく出題されるため、偏りなく対策をしておくことが重要です。計算問題は主に物理分野と化学分野から出題されますが、奇抜な問題は少ないです。過去問をしっかりと解き、対策をしておくことが合格への鍵となります。全体として標準的な難易度であるため、取りこぼしを避けるために、幅広い範囲をしっかりと勉強しておくことが重要です。
社会
40分70点
過去問の傾向では大問3問の選択問題で構成されています。試験時間に対して問題数が50問と多めのため、時間を意識して問題を進めることが求められます。問題の難易度は標準的ですが、時間を意識しながら問題を解くスピードを上げる練習が必要です。毎年、聞き慣れない語句を使った問題が出題されることがありますが、選択肢を見て戸惑わないように準備しておくことが大切です。