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オンライン学習って実際どう?

コロナ禍で一斉にオンライン学習が普及しました。

各大手学習塾でオンライン授業が導入される一方で、

独自の指導サービスを提供するオンライン専門塾、

その他映像配信やオンライン教材など、本当に様々なサービスが普及しています。

何を隠そう大手塾で長年勤める私自身もコロナが急速に拡大した2020年、オンライン指導コースの

運営に携わり、実際オンライン授業を半年ほど担当していました。

その経験からオンライン指導ならではののメリットを多く感じた一方で、

オンラインだと指導方法と対象となる生徒さんの性格や習熟度によって

非常に学習効果が出づらいケースがあることも実感しました。

このような私の経験から、市場に溢れるオンライン指導サービスを選ぶ際のポイントをまとめました。

本記事は以下のような方にお役に立つと思います。是非最後までお読みください。

オンライン学習の種類

一言で「オンライン学習」と言ってもさまざまなカテゴリに分かれます。

現在のお子さんの学習状況と解決したい課題に応じて適切なものを選択する必要があります。

大きく分けて以下の4つの種類に分かれています。一つずつ見ていきましょう。

オンライン教材

各教科の教材がWEB上で配信され、生徒さんが各自自宅で解くタイプです。

アニメーションで問題の解説が加えられるタイプが多いです。

学習習熟度に合わせてカリキュラムを自分で設定できる自由度の高さがメリットです。

自分の苦手分野、理解が浅い単元を相手に遠慮することなくさかのぼって学習できますし、

逆に先取り学習も可能。科目ごとに自分の理解度に応じて自由に進められるのは

自律的に学習を勧められるお子さんにとってはメリットが大きいでしょう。

オンライン学習塾に比べて月謝がかなり安いのも特徴です。

まずはオンライン学習に慣れるという意味で試してみるのも悪い選択ではないでしょう。

ただし、人がほとんど介在しないサービスが多いのでお子さんが学習を計画的に

進められるかどうかがリスクです。保護者の方の学習サポートが必要になる可能性が

あることは覚悟しておかなくてはいけないでしょう。

【オンライン教材】

■メリット

・教材・カリキュラムの自由度が高く個人の得意・不得意に応じてカリキュラムを変更し効率的に学習しやすい

・人が介在しないので対人関係が苦手な子に負担をかけない

・料金が安い

■デメリット

・人が介在しないので学習動機づけが弱い、保護者のフォローが必要になる可能性がある

オンライン教材と言えば有名なのがオンライン指導サービスの老舗「すらら」

大手学習塾に納入している教材サービスですので内容は安定しています。

(実は私の所属する塾でも一部の教室で導入しており、お世話になっています・・)

オンライン教材サービスでありながら「すららコーチ」という学習計画サポート担当

つくので計画的に学習が進めやすいのも特徴です。

「すらら」に関して詳細はリンクをご用意しましたので以下をご覧ください。

映像配信

オンライン教材サービスとは異なり、実際に講師が授業をしている様子を動画に収録したもの

です。多くのサービスが各塾の人気看板講師を揃えていますので授業が大変魅力的で

面白いですし、指導のスキルが高いのでポイントが的確に押さえられており、

学習効果が高いのが特徴です。

前述のオンライン教材よりも人(=講師)が直接語り掛けてくるように授業をしてくれますので

学習内容を吸収しやすい面もあるでしょう。

一方でカリキュラムはある程度決まったもので学年をまたいでさかのぼったり先取りはできないことが

あります。また学習計画のサポートは少なく、計画立案、実行まで自分で管理を

しなくてはならに事も多いようです。

映像配信

■メリット

・各塾・予備校のエース級講師の授業を受けられるので授業が面白く、飽きづらく、学習効果が高い。

・時間の制約がなく、いつでも自由に勉強できる。

・料金が安い。

■デメリット

・スケジュールの自由度が高い分、生徒本人の意欲に学習進度が大きく左右されてしまう。

映像配信学習サービスで最も有名なのはTVCMでもおなじみの「スタディサプリ」でしょう。

河合塾、代ゼミなど大手予備校、あるいは大手学習塾のエース級講師の授業

低額で見放題というのは非常に魅力ですね。

1コマ5分のコマ切れ授業なのでスキマ時間でちょっとだけ勉強、などもできるので

効率がいいです。料金が安いので対面の塾との併用も有効かもしれません。

スタディサプリについて詳しくは下のリンクからどうぞ。

オンライン家庭教師・個別指導

前述の2つのサービスと違い、ここからはリアルタイム双方向性のサービスとなります。

ZOOMなどのオンライン会議システムを利用して先生と生徒がオンライン同時接続をして

授業を進めていきます。

オンライン家庭教師には2通りあり、個別指導塾運営企業が提供するサービスと完全に独立した

個人の講師が提供するサービスです。

前者は企業のサービスですから講師、教材、カリキュラム等最低限の品質は担保されます。

ただし学生講師など経験が浅い講師にあたってしまうケースも多いようです。

一方で後者は大手予備校・学習塾のトップ講師が大手を退職し個人で行っている場合もある一方で

ほとんど素人のようなニセ講師にあたってしまうリスクもあります。

また、対面授業よりは多少安価ではありますが、オンライン教材や映像配信サービスと

比較すると高額な授業料となる傾向があります。また、オンラインだとカメラが手元を映せず

答案の添削が受けづらいとか、対面に比べると熱意が伝わらず動機づけが弱いという面もあります。

ただ、在宅で時間の融通も効きやすく、

お子さんの学習レベルに応じてカリキュラムの柔軟に対応できるなど、多くのメリットがあります。

オンライン家庭教師・個別指導

■メリット

・対面に近い形で双方向コミュニケーションが成立するため、学習効果が高い。

・時間割の柔軟性が高く効率的授業が受けられる。

・カリキュラムが柔軟で個人の理解度に合わせた学習を進めるので吸収度が高い。

■デメリット

・講師の当たりはずれが大きい場合がある。

・手元が映せない場合は答案添削が受けづらい。

・対面に比べると動機づけが弱い。

・費用が高めになる。

オンライン個別指導においては比較的早期にオンライン指導に取り組まれていた

ワムが業界内では有名です。

他の個別指導よりオンライン指導の月謝がかなり良心的に安く抑えられている印象です。

指導内容については、、、学生講師も多そうなので正直当たりはずれがあると思いますが・・。

体験でお試しされるとよいと思います。

下のリンクをご参照ください。

大手学習塾のオンラインコース

大手学習中ではコロナ禍の影響でほとんどのすべてにおいて何らかオンライン指導を展開しています。

対面で行われる授業をカメラで撮影しながらリアルタイムで流すタイプの塾や、

オンライン生徒のみを対象とした指導を提供する

専門コースを別途設けている塾など様々です。

どの塾もまだまだ模索中のサービスですので、発展途上といった印象です。

したがって大手塾のオンラインサービスについては

公開されているものも限定的です。

HPやパンフレットのみならず、実際に相談に行き詳しい説明を受けること、

正式な申し込みをする前に、必ず体験をさせてもらいどのような運用・サービスになるのか

よく確認するとともにご自宅の機材で授業が効果的に受講できるかどうかの確認を

しておきましょう。

オンライン学習のメリット

ここまであげてきた各種オンライン指導サービスの総合的なメリットをまとめていきます。

通塾が不要

外に出掛ける必要がないということは非常に大きなメリットです。

・時間効率が良い

・感染症対策になる

・夜道の行き帰りリスクが回避できる

これらのメリットは大きいですね。

教室までの物理的距離を気にせず、自分にあったサービスを選択できるわけですから、

しっかり指導内容や教材・カリキュラムを吟味したいものです。

低料金

運営サイドからするとオンライン指導は

講師の配置を無駄がなく効率的にできますし、交通費など含めかなり人件費が抑制されます。

また教材をデータ化することで配送料や印刷保管コストも大幅に削減となります。

わずかなスペースしか使いませんので家賃も最小限。

こうした効率運営が可能なため、対面指導より料金が安く提供される傾向があります。

人間関係等負担感が少ない

塾の受付係りの人、クラスの友達、その保護者、各教科の先生たち、その他・・・塾の教室には

様々な「人」がいます。学校ほどではないにしてもそこには様々な人間同士のやり取りが

生じます。

「忘れ物してしまいました・・・」

「おなかが痛くなりました・・・」

「宿題の場所がわかりませんでした・・・」

「友達のけんかしてしまって・・・」

「●●先生にこのプリント渡してもらえませんか・・・」

等々、様々なやり取りがどうしても生じます。こういったやり取りが苦手な子は

それら一つ一つが非常にストレスとなり学習の妨げになることもあります。

オンラインだとそういった煩わしさから解放されシンプルに勉強に専念できる

というメリットがあります。

オンライン学習のデメリット

ここからは逆にオンライン学習でのデメリットをまとめていきます。

環境・機器依存度が高い

当然インターネット環境が必要になります。特にZoomなどの会議システムを使った

サービスを受ける場合にはご自宅のWI-FI機器の電波状況をよく確認する必要があります。

電波が悪く音声や映像が途切れたり、ノイズが入ってしまうようでは授業に集中できません。

また、タブレットやスマートフォンでの受講もあまりお勧めできません。

スピーカーの音域が狭いのでどうしても講師の音声が割れてしまったり、聞き取りづらく

なりやすいです。

極力きちんとしたスピーカー付きのPCまたは外付けのスピーカーを利用することことをお勧めします。

またこちらの音声がきちんとマイクに拾われて相手に伝わるかどうかもとても重要。

お子さんが一生懸命発言しても講師にうまく聞き取ってもらえないのではモチベーションも下がります。

以下のようなヘッドセットを利用することをお勧めします。

↓私がオンライン授業で使っていたものです。髪の毛にかからないのがポイント!

さらに、オンライン指導を受ける際には「答案のチェック」「添削指導」などは

どのように行われるのか、生徒の手元答案を映し出す仕組みがあるかどうかは必ず

確認しておきましょう。

手元答案を映し添削を受ける場合には生徒さんの顔を映すだけでなく、

手元を映すために別途もう一台のWEBカメラの用意が必要になる場合があります。

オンライン指導で必要になるもの

・安定したWI-FI環境

・PC(またはタブレット・スマートフォン)

・ヘッドセット(またはスピーカー+マイク)

・WEBカメラ(場合によっては複数)

これらの環境や機器を用意する必要があること、そしてこれらの機材の質で

授業の質が左右されてしまうことがデメリットと言えるかもしれません。

教材に制約がある

遠隔での授業になるので、自宅にある問題集や過去問でわからないところを質問したくても、

ネットの向こう側にいる講師がその問題集や過去問を持っていないと質問対応も四苦八苦、と

なる可能性があります。

つまり授業内で扱えるのはカリキュラム内であらかじめ決められた特定の教材のみ

という形になることが多いです。

モチベーション維持が難しい

私がオンライン授業(集団指導です)をしているときに一番苦労したのはここです。

直接対面で授業をしている時にはどんなに長いコマでも生徒は100%集中させていますし、

飽きさせない自負がありますが、オンラインではそうはいきませんでした。。

目の前に先生がいない、ということはどうしても甘え、油断が生じてしまう。

緊張感が違います。画面に映らないようにスマホをいじっている、PCの裏のウィンドウで

ネットサーフィンをしている、などが起きていました。

(後日保護者から伺って判明しました・・・)

私もベテランなのでオンライン越しでも生徒が集中していないのはわかりますが、

見えないところで何をしているかわからない、というのは手の打ちようがなく困りました。

自立した生徒さんには対面と何らそん色なく指導ができますが、モチベーションが十分

高まっていない生徒さんには難しいと感じる局面が多かったです。

少人数指導や個別指導だとそのあたりの課題感は解消される面もあるかもしれません。

一方で、やはり直接会って人と人が語り合う中で生まれる「何か目に見えないもの」

があるのも事実。

・志望校に向けた熱い思い

・努力が成績に反映しないときの悩み

・成果が出た時の喜び

・目的を見失った時の迷い

こういったときに対面で寄り添って話し合うことで学習モチベーションが維持できる

ケースは多くあります。

一方で勉強・受験に関連してこういった感情的なことを塾や外の世界に求めないお子さんも多いでしょう。

お子さんの性格や学習姿勢などをしっかり見定めて検討を進めていきましょう。

また、できることであればオンライン学習は保護者の方の目の届くところ(リビング等)で

受講されることをお勧めします。

オンライン学習を選ぶ際のポイント

オンライン学習サービスを選ぶ際に確認しておきたいポイントをまとめます。

オンライン学習サービスを選ぶための5つのポイント

①スムーズに受講するために家庭で用意すべき環境・機材は何か

②担当の講師がオンライン指導(環境、アプリ、機材操作など)に慣れているか

③授業外での相談・質問がどの程度許容されるのか

④生徒さんへ学習計画、目標設定など動機づけがどのようにされるか

⑤使用される教材はどのようなものか、塾で用意された教材以外のもの(過去問等)は

 どのように対応されるか

これらを十分確認し、後悔しない選択をしていきましょう。

まとめ

コロナの影響で一気に普及したオンライン学習ですが、まだまだ発展途上のサービスです。

一言で「オンライン学習」と言ってもここまでご紹介した通り、様々な形態があり、

お子さんに合うかどうかは良く調べてじっくり検討をしていく必要があります。

お子さんの性格や学習姿勢に合わない指導を選択してしまうと、学習効果が出ないだけでなく、

時間を浪費することにもつながりかねません。

今回の記事が正しいオンライン指導サービス選択のお役に立てれば幸いです。

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